信用保証協会-求償権消滅保証(代位弁済された求償債務を消滅させる保証制度)

下記のページで信用保証協会の債権放棄について解説させて頂きました。

信用保証協会の債権放棄-信用保証協会が債権放棄に応じる事はある?

2013.05.31
このページでは、代位弁済された負債を無くしてしまう保証制度について、解説していきます。

 

代位弁済された負債を無くしてしまう求償権消滅保証とは

信用保証協会に代位弁済された負債、いわゆる求償権を無くしてしまう保証制度を「求償権消滅保証」といいます。

この保証制度は、「代位弁済してしまい、正常な金融取引ができなくなってしまった事業者を、正常に復活させるための保証制度」になります。この保証制度は文章だけだと若干伝わり難い部分がありますので、、説明図を元に解説させて頂きます。

 

代位弁済の仕組み

おさらいになりますが、まずは代位弁済の流れをご確認下さい。
代位弁済の流れ
金融機関から保証付融資を受け、返済不可能となった場合、信用保証協会が債務者に代わり銀行に融資の返済を行います。これが、いわゆる「代位弁済」と呼ばれるものです。

代位弁済後は銀行ではなく信用保証協会へ返済する事になる

金融機関からの借入金が代位弁済された企業は、信用保証協会に求償債務を負う事になりますから、今後は求償債務を弁済していく事になります(債権者が金融機関から信用保証協会へと変わります)。

代位弁済されると交渉の窓口が信用保証協会に変わりますから、今後は信用保証協会とサシで話し合う事になります。
代位弁済後の流れ

資金繰りが厳しいからこそ代位弁済された訳ですから、支払えるだけの金額を毎月返済していく事になります(すでにこの状態の方も少なからずいらっしゃると思います)。

業績が徐々に回復し、さらに多くの返済ができるようになり、求償債務を完済する事ができれば、再び信用保証協会を利用できるようになります。ですから、あなたに「信用保証協会を再び利用したい!」という考えがあるなら、会社を立て直し、返済余力が出来るよう利益を出し、そこから求償債務を完済する必要があるのです。

しかし、これはあくまで一般論であり、例外があります。その例外こそ、求償権消滅保証という保証制度なのです。

 

求償権消滅保証とは、どのような制度?

求償権消滅保証とは、代位弁済された企業に対し、貸し付けする制度ではありません。代位弁済された負債(求償権)を正常化させるための保証となります。この説明だけだと分り難いですね。

端的に説明しますと、信用保証協会から「求償権消滅保証」をつけてもらい、その保証つき融資を銀行から受けます。消滅保証付で銀行から受けた融資のお金は、既存の求償権債務の弁済に当てられるのです。

一応、図を用意しましたので、図を見ながら説明しますね。

求償権消滅保証の仕組み

あなたが仮に、3,500万円の負債を保証協会に代位弁済されたとします。

代位弁済後、最初のうちは毎月1万円づつ返済していましたが、徐々に業績が回復してきたので、返済額を増やし、約束の日に遅れないようコツコツ返済を続けました。500万程返済が進み、残り3,000万円という時に、信用保証協会から連絡があり、「求償権消滅保証という保証制度がありますが、チャレンジしてみますか?」という提案をしてくれるようになるのです。

求償権消滅までの流れ

求償権消滅保証の流れ

  1. あなたの会社が保証協会に認められたら、銀行に3,000万円の求償権消滅保証を付けます。
  2. 3,000万円の求償権消滅保証を受けた銀行は、あなたの会社に対し、3,000万円の融資を実行します。
  3. 銀行から3,000万円の保証つき融資を受けたら、その資金を、保証協会の代位弁済された債務の返済にあてます(求償債務の返済)。
  4. 信用保証協会に対する求償債務無くなり、以降は銀行へ毎月返済する事になる(通常の保証付融資のようなイメージです)。

こうして、保証協会の求償債務が完全に無くなり、正常な金融取引ができるようになるのです。後は、銀行から借りた3,000万円を、毎月約定どおりに返済していくだけです。

これで、保証協会の求償債務が無くなってしまう訳ですから、運転資金が必要になれば、通常の保証を保証協会から付けて貰い、銀行融資を受けられるようになるのです。この保証制度を利用できれば、正常な金融取引へと復活させる事が可能となります(代位弁済以前とかわらない状況になります)。

 

どうしたら、求償権消滅保証を付けてもらえるようになるのか?

一度は信用を失った相手に対して、新規の保証をつける事になるのですから、

売上が上がった → ハイ、そうですか

という、簡単な話ではありません。

ある程度の期間、きちんと弁済を続けた事業者が対象となります。もちろん、保証協会の求償債務の弁済だけでなく、ほかの金融機関(債権者)や、租税公課をきちんと払い続けているという事が前提です。

「求償権消滅保証を受けられるかもしれないから、信用保証協会だけは返済しよう」という考えを持った方は対象外となり、「全ての債権者の方々に迷惑をかけないように、きちんと返済しよう」という誠実な方が対象となります。ですから、あなたが債権者の方々と誠実に向き合っていれば、この保証制度の対象となる可能性は十分あるのです。

代位弁済になったからといて、必ずしも一生保証を受けられないという事ではない

代位弁済されたからといって、「今後、保証協会の保証が一切つかない」等と諦める必要は全く無く、きちんと弁済を続けていれば、新しい保証を獲得するチャンスが生まれます。

全ての債権者にきちんと返済を続け、尚且つ、まじめに事業を継続していれば、そのうち信用も徐々に回復してきます。そうなると、信用保証協会の方から、「求償権消滅保証という保証制度があるのですが…」と話を切り出してくれるようになります。

代位弁済を受けたからといって、諦める必要など全くありません。一度失った信用は取り戻す事ができますから、簡単に諦めてはいけないのです。

余談ですが、フランスの作家バルザックは「諦めは日常的な自殺である」と説いています。諦めたらそこで全てが終わりますから、事業を継続できる状況であれば、諦めずに続けた方が良いのです。

求償権消滅保証を受けた方と、久々お会いしました。

2013.06.14

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。
平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている