「資金調達」にとらわれてはいけない!

弊社にお問い合わせしてくれる経営者様の多くは、銀行から「これ以上の追加融資はできません」と言われた方や、「○○○万円までなら融資できますが、それ以上となると・・・」と言われた方が多いです。

そしてそのような方々の多くは、「銀行融資以外の資金調達」を模索する事が多いです。

会社にお金が無くなってしまえば、企業としての活動ができなくなってしまいますから、「なんとか資金調達しなければ」と考えるのは当然ですよね。あなたが新たな資金調達を模索するのは、経営者であれば当然の事だと思います。

でも、私はこのような話を聞く度に、いつも違和感を感じてしまいます。資金繰りが苦しいから、資金調達をしようと考える方に対しての違和感、いったい、何だと思いますか?

 

それは、「資金調達ができれば、会社は立ち直る」と思い込んでいる方が非常に多いという事です。

「とりあえず資金さえあればなんとかなる」
「今をしのげばなんとかなるから、少しぐらい金利が高くても仕方がない」

このように考えている経営者の方が、意外と多いのです。

気持ちは分からなくもありません。

誰だって、ギリギリの資金繰り状況に追い込まれてしまえば「お金さえあれば」と考えるのは当たり前ですよね。考えないほうがおかしいです。あなたがそのように考えるのはすごく分かります。

確かにお金さえあれば今の状況を打破する事はできると思います。その事に関しては、異論はありません。

でも、でもですよ。

資金調達ができれば、瞬間的に資金繰りは改善されるでしょうが、それはあくまで一時的なものです。今月はなんとかなったとしても、数ヶ月経ってしまえば、また、すぐに苦しくなります。しかも、今よりもさらに苦しくなるという状況を招いてしまう事になるのです。

なぜなら、資金調達をする前から苦しいわけですから、調達してしまえば、その調達したお金の支払い分がのしかかってきますから、その分苦しくなってしまいます。

瀬間さんはようするに、借りるなって言いたいのですか?

 

いえ、私は別に借りるなと言っているわけではありません。

カツカツで資金繰りを回しても、苦しいだけですから、資金調達ができるなら、調達した方が良いと私は思います。

何が言いたいのかといいますと、私が言いたいのは、借り入れよりも先に考えなければいけない大事な事がある!と言いたいのです。

そもそも、資金繰りが苦しいというのは、何かしら原因があって苦しくなっているわけですよね?業績が好調であれば「資金繰りが苦しい」なんて口にすることは無いのですから。(黒字倒産する会社もありますけど、その事はいったん忘れて下さいね)

 

資金繰りが苦しくなる原因、それは、

  • 債務超過 (過大な債務負担)
  • 業績不振 (事業が赤字で資金を垂れ流す)
  • 高利の借入(金利払いが大きく、経常利益を食いつぶす)

といった原因が主なものです。

この問題を改善しようとも考えずに「とりあえず資金調達しよう」と資金調達を行っても、抜本的な解決にはなりません。借りてもまたすぐに苦しくなるのは目に見えています。

資金調達に頼りきってしまう経営者の多くは、資金管理が結構ずさんで、財務活動をおろそかにしている場合がほとんどです。「とりあえず資金調達をしよう」と考える前に少しだけ意識を変え、問題解決に向けて早急に着手しなければならないのです。

 

「とりあえず資金調達をしよう」と考えてしまう経営者の多くは「とにかく、借りてしまえばなんとかなる」という考え方が頭の中を支配しているため、私がいくら、経営改善の取り組みを切に訴えても、なかなか聞き入れてもらえない事があります。

今抱えている問題を解決しないうちに資金調達しても、業務改革を断行して、経営改善を図らなければ、無駄なお金を垂れ流してしまうだけです。

資金繰りに窮してしまうと、経営改善という、最も大事なことから目を背け、安易に資金調達に走ってしまう経営者がとても多いのです。

 

そもそも、経営者の考えなければならない事って、お金を借りることでしょうか?
「これから会社をよくしていくにはどうしたらよいのか?」という事を考える事が経営者の仕事なのではないでしょうか?

もちろんお金を借りる事は、経営者の仕事のひとつではある事は、否定しません。

でも、経営者の仕事が「資金調達」に走ってしまうと、手っ取り早く調達できる方法ばかりに目が行ってしまい、あまり良い結果を生み出す事はとても少ないです。

とりあえず、商工ローンから引っ張ってみたり、「少しぐらいなら・・」と粉飾に手を染めてみたり、「昔あいつを助けてやったから、保証人になってもらおう」と、大仰な芝居をして、連帯保証させ、お金をかりてみたり・・・

まあ、あまり良い結果にならない事が多いです。

ただ、最近は、このような微妙な調達方法から
ファンドで資金調達できないか?
少人数私募債で資金調達はできないか?
などと言う方も増えてきました。

でも、これらの資金調達を考える場合は、まず、業務改革を断行し、問題解決を図った上での資金調達になります。現状のままで、資金調達を図ろうとしても、投資家や、関係者の協力を得る事はできません。

ましてや、少人数私募債など、縁故者の方に限られる訳ですから、これらの方からお金を集めて返せなくなった場合、金融機関に借りたお金を返せなくなった時よりもやっかいです。

金融機関から借り入れたお金は、ビジネスで借りたお金ですから、最悪、返す事ができなくなったとしても、あなたの今後の人生に影響を及ぼす事は少ないと思いますが、少人数私募債で集めたお金で下手を打ってしまえば、一生、縁故者の恨みを買ってしまう事になります。

ですから、このような資金調達を考える前に、まずは、現状の問題を解決する事が先決なのです。

資金調達をするのも大事な事ですが、本質的な優先順位を見誤らないように、十分気をつけて下さいね。

 

経営改善と資金調達を同時進行で行う事が理想ですが、まずは、「どうしたらうまく資金調達できるのか?」という事を考える前に、

どうしたら支払い負担が減るのか?
どうしたら落ち込んだ売上を回復する事ができるのか?
どうしたら黒字化する事ができるのか?
どうしたら組織を活性化できるのか?
どうしたら、今の会社を立て直すことができるのか・・

という事を考えて下さい。

資金調達を考える前に、経営改善の着手!とても大事な事ですから、覚えておいて下さいね。

記事の中に少人数私募債というものが出てきましたが、少人数私募債が、どのようなものか詳しい事を知りたい方は、下記ボタンをクリックして下さい。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている