中小企業金融円滑化法 – リスケ中に融資を受ける事はできるのか?

前回、中小企業金融円滑化法に触れてみました。

本制度が可決・施行されてからというもの、弊社に、かなりご質問が寄せられました。

そのなかでも、特に

  • リスケジュール中に、融資を受ける事ができるのか?
  • 金利減免は可能なのか?

という上記2点のご質問が数多く寄せられました。 

今回のお話は、上記2点のお話と、新らしい保証制度「条件変更対応保証」についてお話していきますね。

 

リスケジュール中に、融資を受ける事ができるのか?

中小企業金融円滑化法の成立を受け、「リスケジュールをしても、不良債権にならないのだから、融資を受ける事ができるのではないか?」と思っている方がいらっしゃるのではないかと思います。確かに、本制度の概要を読む限りでは、「融資を受ける可能性がある」と受け取る事ができます。

不良債権基準の緩和に「経営再建の可能性があれば、不良債権に分類しなくてよい。」と、明言されているぐらいですからね。

不良債権に分類しないという事は、「正常債権扱い」という事になります。

正常債権という事は、『融資を受ける事ができる』という事になります。

この文言を読めば、リスケしても融資を受ける事ができる!と解釈されるのではないかと思います。でも、本当に、リスケ中に融資を受ける事が可能なのでしょうか?

 

率直に言って、これは、かなり難しいと言えるでしょう。

実は、この件に関して金融機関の方々に意見を直接聞いてみました。餅は餅屋と言いますしね。

  • 銀行出身のコンサルタント
  • 支店長・融資担当者(クライアントの方と、客の立場で聞いてみた)
  • 銀行に勤務している知人

という、3つの視点から意見を聞いてみました。

さて、どのような回答を得られたのか?

三者一様に、考える間もなく、「いや~、ありえないでしょう(笑)。」と、一笑されてしまいました。「金融庁の方針があったとしても、保証協会の保証がつかなければ融資などありえないし検討する余地もない。」との回答でした。

リスケジュールしても融資を受ける事ができると期待していた方には、ちょと酷かと思いますが、このような回答が返ってきました。リスケジュール中の融資は、期待しないほうが良いでしょうね。

 

金利減免は可能なのか?

ついでに、金利減免についても、意見を聞いてみました(業界の方に聞くのが実情を把握しやすいですからね)。

金利減免については、金融庁の指導もあるので、建前上、ある程度はやらざるを得ないが前向きに取り組む事はないとの事。ある程度というのが、実際どの程度になるのかは未知数なので、今後、どうなっていくのかは、事例を注視しないと分からないです。

自信をもって言えるのが、「最近のリスケジュールのように、前向きに取り組む事は考えられない。」という意見を頂きました。金利減免に関してもあまり期待するなという事ですね。

 

条件変更対応保証制度

中小企業金融円滑化法の成立を受け、「条件変更対応保証制度」が新設され、12月15日に開始されます。同制度の概要は以下のとおりです。

対  象

原則として、公的金融(日本公庫、商工中金、信用保証協会)を現在利用していない中小企業者

保証割合

40%

保証期間

延長含め、最長3年

保 証 料

2.20%

保証限度額

2億8,000万円(8,000万円超の無担保保証も相談可)

そ の 他

利用に際しては金融機関とともに経営改善計画・返済計画をたてることになる。

「出所:中小企業庁」

条件変更対応保証制度についての問合せ先は、経済産業局、中小企業庁・金融課、最寄りの信用保証協会へお問い合わせ下さい

 

条件変更対応保証という名称だけ見てしまえば、リスケジュールをしやすくしてくれる保証なんだ!という印象を受けてしまいがちですが、中身をよく読んでみると、あまり使い物にならない事がわかるかと思います。(全く使えないかもしれませんね。)

対象をよく読んで下さい。公的金融機関を現在利用していない中小企業者と書いてありますよね?

あなたの会社では、公的金融機関に一切お世話になっていないと言えますか?

多分、言えないのではないかと思います。多くの中小企業は、日本政策金融公庫(旧国金)や、保証協会の保証付き融資、商工中金から融資を受けているのが実情です。条件変更対応保証を活用できる債権は、上記の政府系金融機関からの借入を受けていない債務者に限られるのです。

政府系金融機関からの借入れや、信用保証協会の保証付き融資を受けていない中小企業が、いったいどれほど存在するのでしょうか?

金融機関の借入が、銀行のプロパー融資だけの企業。正直、あまり多くはないですよね。限りなく少ないのではないでしょうか。

中小企業円滑化法、本法案が可決・施行されるまで、必死になって頑張って、返済を続けてきた経営者の方もいらっしゃいましたが、今までとあまり変わりない対応となりそうな予感がします。

ただ、この場ですぐに結論を出すのも早計ですから、しばらくは、本制度の事例を確認するしかありませんね。今後、様々な事例がでてくると思いますが、事例が報告されましたら(直接、現場で感じた事なども含めて)このブログでお伝えしていきますね。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている