資金繰り悪化が原因による経営者の「自殺問題」の根底にあるものは?

昨日、朝9時ちょうどぐらいに、事務所へ電話がかかってきました。

こんな朝早くに誰だろう?と思いつつ、電話に出てみたら、以前、名刺交換させていただいた臨床心理士の先生からでした。この先生と知り合ったきっかけは、義父のおかげ?でもあるのですが、先生の方から連絡を頂けるとは思っていなかったのでちょっと驚きました。

名刺交換させて頂いた際、先生から「鬱病の治療や、自殺回避に取り組んでます」というお話をお伺いした際に、「自殺回避ですか。私も経営者の方限定ではありますが、借金が原因による「自殺回避」の問題に超微力ながら5年ぐらい取り組んでいます。」と言った事を覚えて頂き、私に連絡してくれたようです。

先生から、「今日、時間があれば是非お会いしたい」との申し出があり、ご挨拶と情報交換を兼ね、早速、先生のところへ顔を出してきました。

ちなみにこの先生は佐藤矢市先生という方で、臨床心理学の博士号を取得されています。
参考リンク ジョイフル心理相談室

博士号を取られている方って、学者然として、肩っ苦しいイメージがあったりするのですが、佐藤先生はそんな事は無く、非常に気さくな方でした。

自殺回避の取り組みについて、簡単に説明させて頂いた後、自殺回避について、情報交換させて頂きましたが、なぜ、自殺してしまうのか?というお話を突き詰めていくと、
【重度の鬱病になる → 自殺する】
という流れになっている事が殆どでした。

 

借金が原因による鬱病発症の統計データがほとんどない!?

借金が原因による経営者の方の鬱病について、意見交換させて頂きましたが、佐藤先生から、意外な事実を聞かされました。

「経営者の方の借金が原因で鬱になってしまうという症例はあまり聞きません。研究者で集めた統計データもありますが、微々たるものです。」との事でした。

佐藤先生にこの話を聞いた時、私はビックリしました。というのも、資金繰りの悪化が原因で鬱になったという方を、私はたくさん知っているからです。

なので、佐藤先生に「私のところにご相談に来られる方は、10人いたら、1~2名の方は、「実は、鬱になりかけた」とか「鬱なんです」と言いますよ。」と伝えると、今度は先生の方がビックリしてました。

なぜ、先生のもとに経営者の方のうつ病が少なく、私のところへ相談に来られる方に多いのか、原因をお話ししたら納得していました。

 

資金繰り悪化による鬱病発症のメカニズム

経営者の方の鬱というのは、資金繰りの悪化が原因ですから、そこで直ちに、佐藤先生のような「カウンセラーに相談しよう」とか「セラピーを受けよう」というのはほとんど考えられません。

通常、「資金繰りの改善策を顧問税理士、弁護士、コンサルタントに相談しよう」というのが一般的です。そこで「破産するしかない」等と言われてしまうと、解決策が見いだせず、将来の心配が始まります。

心配事の代表的なものとして、下記があげられます。

  • 会社が無くなれば食い扶持が無くなる。
  • 長年付き合ってきた取引先や社員に対する申し訳なさ
  • 我が子のように育ててきた会社が無くなるという喪失感
  • 家族を養えなくなるという恐れ、子供が進学できないという不安
  • 自宅を担保に入れていたら、競売に掛けられてしまうという不安
  • 友人・知人・親戚から「絶対返す」といって借りたお金を返せなくなる申し訳なさと、その後の対応の不安

これらの不安が一気に押し寄せ、解決策が見いだせないまま負のスパイラルに陥ってしまい、やがて鬱になってしまうのです。

治す方法としては、資金調達であったり、業績改善が一番の特効薬なのですが、たいていの場合で、資金調達不可能の状態だったり、業績も悪化の一途を辿っており、今後の見通しが厳しかったりするので、快方に向かう事はほとんど無く、精神状態が常に不安定な状態で日々過ごす事になってしまうケースが少なくありません。

今月入金があった!
とりあえず今月は凌いだけど、来月末はどうなるか分からない。。

このような不安定な資金繰り状態が続くと、精神的にも不安定になってしまうのです。

軽く受け流せる方であれば「とりあえずなんとかなる」と楽観的に考えますから、鬱にはなりませんが、受け流せない方や、真面目な方は、問題を全て正面から受け止めてしまい、鬱から抜け出せなくなってしまいます。

 

ここまでのお話しで、「セラピーを受けよう」というお話はほとんど聞きません。

極稀に、「実は、セラピーを受けているのです」という方とお会いしますが、今まで400名以上のご相談者様とお会いしているなかで、セラピーを受けているのは2~3人いたかどうかの話です。

また、プライドが邪魔して、第三者に弱みを見せる事が恥だと考える方もいます。誰かに「辛い」と吐き出せば心が楽になるのに、他人に「辛い」と言えない経営者の方は少なくありません。そのため、先生のようなお仕事をされている方々に、「実は、経営が悪化して、資金繰り苦しんでいるのです」と打ち明ける経営者の方が極端に少ないのです。

私は「事業再生」「倒産回避」という看板を掲げていますから、資金繰りが原因で鬱になってしまった経営者の方から相談を受ける事もありますから、沢山知っていますし、同業の方から「経営者の方が鬱になっている」という話はよく聞きます。

先生の方には症例が非常に少ないと思いますが、私のような仕事をしていると、症例は少なくありません。恐らく、これが実情なのではないかと思います。経営者の方の、資金繰り悪化が原因による鬱病について、実情をお話しさせて頂いたら、先生は妙に納得していました。

 

経営者の方の鬱病問題。

いろいろと根が深い問題ですが、心のケアもしていかないと、経営者の方が元気になりません。

経営者の方に元気が無ければ、会社も元気になりません。でも、経営者の方が元気を取り戻せば、たいていの場合でなんとかなるケースがほとんどです。

事業再生は経営者の方の心のケアも必要だったりしますが、重度の鬱とかになると、私も手におえません。なので、今後はこういった心のケアを専門とする方と協力していくのも必要だなと、考えさせられました。

経営者の方が元気になれば、どんなに資金繰りが苦しくても、大抵の場合でなんとかなるものです。元気を取り戻し、事業を建て直して、ガッツリ稼いでいきたいものですね!

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。
平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている