第二会社方式を検討する際、利害関係者の調整は最重要事項です

第二会社方式による再生を検討する際、利害関係者との付き合いを見極める必要があります。社長に対して協力的なのか、それとも、非協力的なのか、見極める必要があります。

協力的であれば、第二会社を作っても、継続して取引を続けてくれたり、応援してくれたりしますが、あまり協力的で無い場合、腹を割って話し合い、協力してもらえるよう、根回ししておかなければなりません。

幸いなことに、今はネットで検索したら様々な情報が検索結果に出てきますから、「会社分割」や「事業譲渡」と検索すれば、ある程度のことは調べられると思います。

しかし、ネットで調べられるのは「ある程度」でしかないという側面がある事に気をつけなければなりません。第二会社方式の概要、ちょっとした成功事例、契約手続きの流れ等といった、第二会社方式による再生手法の氷山の一角にしか過ぎない情報がネット上で乱立しています。

この、氷山の一角に過ぎない情報を鵜呑みにして、やれ、「会社分割」とか「事業譲渡」という事を考える方が散見されますが、スキーム(手法)ありきで考えたところで、利害関係者の調整がきちんとされていないと、第二会社方式による再生はうまくいきません。

 

第二会社の設立、新設法人の設立は簡単にできます。

弁護士や司法書士等といった先生方に依頼すれば、新設法人を設立してくれますから、その部分においては簡単です。ただ、第二会社で事業継続可能か?という最も重要な部分においては、非常に疑問符がつきます。

利害関係者の協力を取り付けずに、債務逃れのために新しい会社を作っても、うまく行く訳が無いからです。

 

利害関係者の感情を見極める必要がある!

利害関係者の方々が協力してくれるという意思を確認しないまま、第二会社を作っても、意味がありません。というのも、協力してくれるかどうか分からないのに設立したところで事業継続などできないからです。

第二会社がきっかけで、利害関係者の感情が拗れてしまい、取引を打ち切られる事もあります。それだけならまだしも、最悪、訴えられてしまう事もあります。

せっかく会社を新たに設立しても、取引をストップされたり、訴えられてしまっては意味がありません。このような事態を招いてしまわないよう、利害関係者の感情を見極める必要があるのです。

 

利害関係者に対し、個別に意見を聞いてみる

具体的な見極め方は下記の通りです。

 

顧客

社名、本社所在地、代表者が代わっても、サービスや商品を使い続けてくれるか?
売上に直接関係するだけに、ここの確認は重要なポイントです。

 

従業員

第二会社を作る際、継続して働いてくれるか、これをきっかけに辞めてしまうのか?というのを見定める必要があります。

従業員に水面下で再就職の準備をされている事に気付かないまま、新しい会社を作っても、辞められてしまったら意味がありません。

従業員の意思はキチンと確認した方が良いです。

 

取引先

第二会社と取引してくれるのか、取引先に確認しなければなりません。

仮に、別会社を設立したとしても、買掛金、未払い金は継続して当然払っていくというお話を告げた際に、今までどおり、取引を続けてくれるのか、そのような会社と取引できないと言われてしまうか、見定める必要があります。

一度、腹を割ってキチンと話し合う必要はあります。

 

金融機関

借入金の返済の取扱について、きちんと話し合う必要があります。

事故扱いになっていなければ、融資してくれるのかどうか、旧会社の債務はどのように取り扱うのか、キチンと話し合っておかなければなりません。

 

株主

中小企業の多くは、創業者が株式を100%持っているケースがほとんどですが、なかには、親族、友人同士、ファンドによる出資などで株を持ち合っていたりしますので、株主間の調整は必要です。

 

 

第二会社は数字のシミュレーションももちろん大事ですが、数字以上に、利害関係者の調整が重要です。いくら綿密に数字をシミュレーションしても、利害関係者の理解や協力が得られなければ、そのシミューレーション自体が破綻します。

取引先や、顧客が「そんな会社と取引できない」と話が拗れてしまったら、絵に描いた餅で終わるからです。

第二会社方式を検討する際、利害関係者の調整は最重要事項と言っても、過言ではないのです。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている