債権者と交渉するのに交渉術や精神力は必要?【結論:両方いらないですよ】

このままだと資金ショートするから、金融機関や取引先と交渉して支払いを待ってもらおうと思っているけど、この手の交渉は苦手だよ。

上手いこと交渉したいけど、交渉術が無いから難しいだろうな…。

交渉が苦手だし、精神力も無いから、弁護士とかに依頼して任せた方が良いのかな?解決策があれば教えて欲しい!

この記事では、こういった疑問にお答えします。

目次

債権者との交渉に交渉術や精神力は必要ないです【結論】

取引先の支払いや、金融機関の返済、あるいは親戚や知人・友人から借りたお金を約束通り返済できないような場合、支払いを待って頂くよう交渉する場面が出てきますが、交渉が苦手な方から以下のようなご意見を頂く事があります。

  • 交渉術を持ち合わていなからどうしたら良いのか?
  • 債権者と交渉するのはハードなやり取りが出てくるので、交渉に耐えるために精神力が必要なのでは?

交渉に対して苦手意識を持っている方がこのように考えるのも分かりますが、結論から言うと、債権者との交渉に交渉術に精神力など、全くと言っていい程必要としません。

上手く伝えられなくても自分で交渉した方が上手く行く

当初約束していた支払いができなくなり、債権者と交渉して支払いを待ってもらったり、分割による支払いの交渉を行う場面が出てきます。

この時、「交渉が苦手」だからといって、債権者との交渉を第三者(弁護士)に任せようとする方がいますが、正直おすすめしません。

極力、自分で交渉するようにしましょう。

第三者が介入すると金銭的な問題を解決てきても感情は拗れて終わる

第三者が介入すると、先方との交渉は全て代理人である弁護士が交渉してくれますので、債債権者と直接やり取りしなくても代理人弁護士が支払い方法や支払いスケジュールを伝えてくれますので、精神的なプレッシャーからは解放されます。

とはいえ、金銭的な問題は解決できても、第三者が介入すると付き合いが終わってしまうケースが殆どなので、今後も付き合いを続けていくなら、自分で交渉するようにしましょう。

交渉術や精神力がなくて債権者との交渉を進めるコツ1つ

交渉術や精神力に自信が無い方が、債権者と交渉する時のコツは下記1つです。

  • 直接会ったり電話で会話せず、文章で交渉する

上記のとおりです。

直接会ったり電話で会話せず、文章で交渉する

直接電話で話したり、直接会って交渉しようとするからこそ、緊張したり、伝えたい言葉うまく出てこなかったりする訳です。

そうであれば最初から極力会わないよう、文章にしてこちらの考えを伝えた方が良いです。

交渉は必ずしも電話で話をしたり、直接会って話をしなければならないという事は一切無く、文章で交渉すれば良いのです。

債権者との交渉でよくある思い込み3つ

債権者との交渉でよくある思い込みは下記3つです。

  • 「借りた者の弱み」が常にあるから言いにくい
  • 会話のみが交渉だと思っている
  • 色々正直に話さない方が得策だと思っている

上記のとおりです。

「借りた者の弱み」が常にあるから先方に言い難い

一言で「借りる」と言っても、下記2とおりのパターンがあります。

  • 無利息で借りた
  • 利息を払って借りた

無利息で貸してくれた方に対して、「借りた者の弱み」というのは分かります。親戚や知人・友人、取引先の支払いなど、こういった支払いを待ってもらう時というのは、利息が発生しない事が殆どです。

取引先が大企業の場合、支払い遅延を起こすと遅延損害金をチャージされる事が殆どですが、中小企業は取引契約書に書いてあるものの、あまりチャージされない場合が殆どです(問屋さん等の例外はあります)。

でも、金融機関の借入のように、利息を払って借りている金というのは、ビジネス上のやりとりで借りている金です。

利息というのは、債務不履行に陥るリスクも含まれた上での利率が決定している訳です。

金融機関は無利息のボランティアで金を貸してくれている訳では無く、債務者から金利を受け取とる事によって儲ける事を生業にしています。

無利息のボランティアで貸してくれたのであれば、借りた者の弱みもあるかと思いますが、利息を払っているのですから、弱みも何もありません。対等な立場で話をしても全然OKです。

会話のみが交渉だと思っている

直接会ったり電話で会話せず、文章で交渉する」という項目でも解説しているとおり、電話や直接会うだけが交渉ではありません。

交渉は会話だけでなく、以下の手段を使って交渉することはできます。

  • メール
  • FAX
  • 書面(郵送)

流石にLINEやショートメール等で交渉するのはおすすめできませんが、メールやFAX、書面であれば、そこまで失礼にはあたらないと言えます。

親しき中にも礼儀あり

何年か前にお客様から「LINEでお願いした事がある」という話を聞いて、実際に見せて貰った事があります。

そこには下記のように記載されていました。

債務者側

〇月〇日の支払いの件ですが、待ってもらえないでしょうか…。
翌月の〇日に〇十万、同月〇日に残金全額という形でしたら、確実にお支払いできます。

債権者側

支払いの件は承知しました。ウチも資金的にゆとりがある訳ではないので、翌月の○日と○日の支払いをお待ちしてます。

という返信があって、あっさりOKもらってました。

10年以上取引しており、たまに食事に行ったり一緒に飲みに行く仲とは聞いていましたが、いくら仲が良いとはいえ、親しき中にも礼儀ありだと思います。

伝える内容はLINEと同じとはいえ、メールや書面など、証拠能力の高いもので依頼するようにしましょう。

色々正直に話さない方が得策だと思っている

聞かれていない事をこちらから積極的に情報開示する必要は無いですが、聞かれたことに対しては極力情報を開示した方が後々協力を得られやすいです。

情報開示したら、「資金繰りが厳しいなんて噂が流れたら困る」と思うかもしれませんが、変に隠そうとしてもすぐにバレますし、バレた時にシコリが残ることもありますから、包み隠さずに情報開示したほうが良いのです。

筆者個人的に、債務者は債権者に対する説明責任はあると思ってますので、聞かれた事に対しては正直に答えるようにしましょう。

まとめ

以上、債権者と交渉するのに交渉術や精神力は必要?という事について解説しました。

交渉術や精神力が無くても交渉はできますので、第三者に任せず、自分で交渉するようにしましょう。

会話するのが苦手な方は、メールやFAX、書面など、文章で交渉すれば精神的なプレッシャーを受けないで済みますので、会話だと交渉が難しい・できないという方は文章で交渉しましょう。

ちなみに、以下の記事で、交渉しても折り合いがつかず、債権者から「大変な事になる」と言われた時の対処法について詳しく解説していますので、参考にして下さい。

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