破産・倒産の際に、取り込み詐欺で被害届けを出される事もある

今日の昼過ぎの事。

私の携帯に見知らぬ番号から一本の電話がかかってきました。誰だろうと思いながら、電話に出てみると、意外な人物からの電話でした。

 

「もしもし、ダヴィンチパートナーズ合同会社、代表の瀬間さんのお電話でしょうか。」

 

「はい、私ですが。」

 

「お休みのところ、申し訳ございません。私、I警察刑事課の武田(仮名)と申します。早速ですが、瀬間さんはS社はご存じでしょうか。」

 

電話の相手は、刑事さんからでした。

久しぶりにS社という名前を聞いたと思ったのも束の間、S社の社長に何かあったのかと思い、その旨聞いてみたところ、意外な返答が返ってきました。

「S社は確か、2010年の夏頃から半年間、顧問契約を締結していましたが、それが何か?もしかして、S社の社長が何かの事件に巻き込まれたのですか?」

 

「いえいえ、そうではありません。そのS社ですが、実はですね、S社の取引先から取り込み詐欺の被害届が出ておりまして、それで捜査の協力をお願いしたいと思い、ご連絡させて頂きました。」

 

「はい?取り込み詐欺ですか?あの社長がですか?」

あの社長に限って、そんな事する訳が無いと思いましたが、この刑事さんもいたずらで電話してきている訳ではないと思ったので、状況を聞いてみる事にしました。

「取り込み詐欺って、最近の事ですか?」

 

「いえ、2011年の頭ですね。」

 

「2011年だと確か、、、でしたよね?」

 

「そうなんですよね。まっ、我々も被害届が出ている以上、捜査しなければならないので、当時の状況を覚えている範囲でけっこうですので、教えて頂けないでしょうか。」

 

「大体は覚えてます。あれは確か。。」

と、ここから15分ぐらい、時系列に沿って、説明したと思います。

 

私が全ての説明を終えた後、刑事さんは十分納得した感じで

「お休みのなかご協力いただき、ありがとうございました。恐らく、この内容では立件できないので、事件にはならないと思います。もし、万が一、事件になったら、またその際はご協力をお願いします。」

 

「分かりました。その際は、できるだけ当時の資料を用意しておきます。」

という感じで、刑事さんとの電話のやりとりが終わりました。

 

取り込み詐欺で被害届けが出される事もある。

以前、小売業を営んでいたS社。

店舗数は10店舗以上あり、業歴も長く、地元でも有名な会社でしたが、大手小売りチェーンが近隣地域に出店してきてから、業績が悪化しました。

売上は下降の一途を辿り、窮境状態に追い込まれてしまったのです。

経営を立て直したいという事で、依頼を受け、顧問契約を締結したのですが、2011年の1月上旬に突然、「もう年だし、これ以上気力も続かないので破産する」という事で、支援を打ち切りました。

 

ここまでの流れで、取り込み詐欺うんぬんという事はないのですが、問題はここからです。

私との契約を解除した2ヵ月後、仕入れ先から仕入れた商品を閉店セールで売っ払らったみたいなのです。

そして、閉店セールの直後、破産手続きをしたみたいなのですが、この一連の行為が取り込み詐欺という事で、元取引先が被害届を出してきたというのです。

 

被害届を出した方の言い分は、

  1. 払えないと分かったうえで仕入れ、商品を閉店セールで売っ払った。
  2. 卸した商品代金は1円も貰ってない。
  3. 破産状態にあると分った上で行ったため、確信犯である。

という事です。

 

まあ、刑事さんと話をしていて分ったのですが、この取引先も逆恨みのような感情で、被害届けを出したのです。

 

刑事さんと話した後、早速、社長に電話してみたら、やはり、そんな感じの内容でした。

「なんか、財産を隠してるんじゃないかって、あちこちに言いふらしてるみたいなんですよ。年金で暮らしているのに。」

 

「そうなんですか、何であのK社が今になって被害届けを出すんでしょうね。」

 

「恐らく、私が何か隠していると思ってるんですよ。実は、今、娘夫婦の会社の手伝いをしているのですが、そこの会社名義の車を私が使ってるんですよね。」

 

「なるほど。別に普通の事ですよね。」

 

「それが、破産して年金暮らしのハズなのに、ドイツ車に乗ってるなんておかしい。絶対あの時に財産を隠したハズとか言うんですよね」

 

「あ~、そういう事ですか。」

 

「先日、たまたまM駅のロータリーで車に乗ってるところを見られちゃって、それでこんな事になっちゃったんですよね」

 

「なんとも言えませんね。」

 

「私は別に悪い事なんて何もしてないですし、車だって娘夫婦の会社の借り物ですから、全く関係無い訳です。狭い街だから目立つんでしょうね」

 

「破産したと知っている人が見たら、十分怪しいですから、それは仕方ないですね。」

と、後は軽い雑談をして、電話を切りました。

 

過去、似たようなケースで問い合わせがあった事がありましたが、その際は、事件性が無いという事で、そのまま終わってしまいました。

まあ、この社長も大丈夫だと思うのですが、(刑事さんも事件性が無いと言ってたし。)今回の件は、破産すると決めた時に資材・原料、商品を仕入れる時は、気をつけなければならない好例ですね。

 

会社が無くなった後、取り込み詐欺だのと言いがかりをつけられたら、たまったもんじゃないですからね。

もし仮に、事業を諦める際は、仕入れたものを返してしまえば大丈夫です。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている