交渉の場面では常にアンカリングに気をつける

「債権者との交渉に交渉術なんて別に無いですよ。」交渉術を教えて欲しいと言う方に、私はいつもこのように回答してます。

※直接、私から聞いた方もいると思います。

 

個人的に、支払い減額交渉に交渉術なんて無いと思ってますから、いつもありのままに答えてます。

だって、無い袖は振れないのですから、そんなにいろいろ策を練っても仕方ないです。

ですから、このように聞かれたら、「う~ん。別に無いですよ」という回答になってしまうのです。

 

ただ、これだけは抑えておいて欲しいポイントが1点あります。

これだけ気をつけていれば大丈夫だと思いますので、今日は、そのポイントについてお話したいと思います。

 

交渉の場面では常にアンカリングに気をつける

交渉ごとの際に、私はいつもアンカリングに気をつけてます。

 

これから返済減額交渉にされる方に対しても、アンカリングに気をつけて欲しいため、「交渉相手の言う金額は右から左に聞き流して下さい。」と伝えてます。

 


アンカリングとは
認知バイアスの一種であり、判断する際に特定の特徴や情報の断片をあまりにも重視する傾向を意味する。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 

相手のいう事を聞き流すなんて、交渉相手に対して失礼じゃないか

と思うかもしれませんが、アンカリングの罠に嵌る恐れがあるため、とりあえず聞き流して欲しいのです。

なぜ、聞き流して欲しいのかと言いますと、アンカリングの罠に嵌ると、中途半端なリスケジュールをしてしまう恐れがあるからです。

 

どういう事かと言いますと、例えば、毎月100万円の約定弁済していたと仮定します。資金繰りが厳しくなってきたので、元本返済を猶予してもらうため、交渉しに行きました。

担当者の方と面談し、資金繰りが厳しいからリスケジュールして欲しいと相談したら、担当者から「月額50万円ぐらいなら大丈夫だと思いますが、それ以上となると、難しいかもしれませんね。」と言われてしまいました。

ここで、アンカリングの罠に嵌ると「50万円か。もう少しなんとかならないかな」と、相手が最初に提示した数字を基準に交渉してしまうことになるのです。

 

このような心理状態に陥ってしまうと、50万円から1万円でも返済額を下げるよう交渉を頑張ろう。と、刷り込まれてしまうことになり、結果として、中途半端なリスケジュールをしてしまう事になったりするのです。

 

実際、これで中途半端なリスケジュールをしてしまう方を、たまに見かけます。

本来、1万円の元金返済でも大丈夫なところ、
「交渉して35万円に減らしてもらいました」とか
「25万円に減らしてもらいました」
という方をよく見かけました。

こういう方々にリスケジュール交渉の経緯を聞いてみると、ほとんどの場合で、金融機関に先に金額を言われ、その辺りの金額じゃないと、折り合いがつかない。と、心理的に刷り込まれていたりするのです。

交渉の際はアンカリングの罠に嵌らないよう、気をつけないといけませんね。

 

取引先との価格交渉時におけるアンカリングの罠

リスケジュール交渉の例をあげましたが、取引先との価格交渉でもアンカリングの罠に気をつける必要があります。

どのような罠かといいますと、価格交渉などで、相手が最初に提示した数字を基準に交渉しまうことです。

そのような場合、かなり消極的な交渉となってしまい、不利な契約を結んでしまうことが多いです。

 

具体的な例をご紹介しますね。
(5年ぐらい前に違うブログで書いた記事の転載です)

本来、1キロ800円の価値しかない肉なのに、業者に1キロ2000円と提示され、その価格を基準に価格交渉をしてしまうことです。

そして「2000円からいくら値引くか?」という事ばかりに気を取られてしまう心理状況をいいます。

 

そして1キロ2000円の肉を価格交渉して1キロ1000円まで下げてもらっても、交渉した本人は「50%も安く買った!」と思っても、相手(業者)からすれば元は800円の価値しかないのだから「25%も高く売った!」ということになってしまうのです。

 

アンカリングの罠に嵌らないようにするには

交渉相手が自分を「アンカリング」の罠に嵌めようとしていないかを観察するのはもちろん、何事も偏見なくゼロベースで考えるよう常に心がけていれば、アンカリングの罠に嵌る確率はグッと下がると思います。

 

取引先、金融機関との関係は常に対等です。

遠慮せずに言いたい事はどんどん言って、主張するべき事は堂々と主張した方が良いのです。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている