銀行の言いなりになって、家を売りまくった件

以前お会いしたご相談者様で、金融機関の言いなりになって、家を売りまくり、売却資金を全て返済に充当していた方がいます。

担保提供している物件を任意で売却したという事であれば、私もたいして記憶に残らなかったと思うのですが、そうではなく、この方は、無担保の家を売ってしまったのです。しかも複数。

銀行の言いなりになって家を売った

事の起こりは、メインバンクに「この状態で新規の融資は不可能なので、個人資産を売却して、返済に充当して欲しい。」と言われた事がきっかけです。

  • 借り入れができないと仕入れ資金が無くなるため、事業を継続する事ができない。
  • このままだと倒産は確実。社員の生活もあるし、自分たちも雇われに戻るという選択肢が想像できない。

という恐れが出てきて、結局、「何が何でも事業を継続しなければならない!」という結論に行きつき、止むを得ず、家を売る事を決めました。

本来、メインバンクにこのような事を言われたら、やんわりと断わりつつ、違う方法で資金調達ができないか?と考えれば良かったと思うのですが、この方は、「借りれないと確実に倒産する」という思い込みが非常に強かったので、家を売却する事に決めたのです。ここまではよくある話だと思いますが、問題はここからです。

事業と無関係な祖父の家を売却!?

通常、このようになると、担保物件を売る事になると思うのですが、この方は担保提供していない、祖父の家を売却して返済に充当したのです。なぜ、そのような事をしたのか聞いてみたところ、

「祖父母は高齢なので、生活の面倒をみなければならない。でも、両親の家に引っ越せば、生活が楽になる。両親が祖父母の家に通うのは大変だから、これを機会に売却してしまい、4人で住んでもらう。4人で住めば面倒を見るのも楽だし、 通う手間も省ける。部屋も余ってるし、一件落着だ。バラバラに住んでも仕方ないから、これを機会に売却する。」と答えてくれました。

自宅の売却については、家族会議で話し合い、家族全員が納得したので、穏便に事が済んだようです。

さらなる売却要請

しかし、金融機関は納得してくれませんでした。「あの家を売っても大した金額にならないので、返済に充当したところで焼け石に水だ。担保に入れている家を売却せよ」と強く要請してきたのです。

祖父母の家を売ったばかりなのに、担保提供している家を売るのか。担保提供している家は、ご相談者様の父が所有しています。そうです、祖父母と経営者様のご両親が4人で住んでいる家を売却せよと言われてしまったのです。

これには祖父母とご相談者様のお母様が強く反対してきたのですが、「正常な金融取引ができれば、生活を立て直す事が出来る。」と、経営者様とお父様が信じ込み、担保に入れている家を売却してしまったのです。

まさかの3つ目の売却要請

家を2軒手放し、これで終わりと思いきや、「まだ、過剰債務が解消されていないので、このままだと融資ができない。経営責任を果たす意味合いを含めて、経営者であるあなたの家を売却して欲しい。」と言われてしまったのです。さすがにこんな事をしていたら、親族一同、路頭に迷ってしまいかねませんが、この方は、なんとOKしてしまったのです。

私が相談を受けた時は、まだ実際には売却されていなかったので、「それだけは考え直した方が良い」と何度も説得したのですが、
「自分の家は先日、不動産業者と専任契約を締結したから、もう売却の手筈が済んでいる。引き合いもあるみたいなので、比較的早く売れると不動産業者が言ってました。」と、あまり意に介さない様子。

「契約は話し合いで何とかなるから、成約する前に今すぐキャンセルした方が良い」と私も強く説得したのですが、ダメでした。結局、私とお会いした2か月後ぐらいに成約してしまい、家を手放す事になってしまったのです。

 

結局のところ、何が残ったのか

「祖父母の家」「両親の家」「自分達の家」この3つを売却して返済に充当した後に、いったい何が残ったのか?

結局、ここまでやったのにもかかわらず、金融機関の融資を受ける事ができず、何も得るものがありませんでした。金融機関の口車に乗せられてしまい、ただ回収されてしまっただけで終わってしまったのです。

唯一残ったものと言えば、家族からの恨みだけでしょうか。それ以外のものは何も残りませんでした。

一応、事業は続いているようですが、運転資金がほとんど無いので、仕入れを必要としない粗利の少ない仕事しかできません。こうなると、事業がさらに縮小してしまい、競争力も無くなってしまいます。

実際のところ、「粗利の低い手間仕事しかできなくなった」とおっしゃってました。

私もいろんなケースを扱ってきましたが、この話を聞いた時ほど「知らないというのは恐ろしい」と感じた事はありません。祖父母はこの件でショックを受けて、体調がかなり悪化してしまったようです。こういった間違った行動を取る方が一人でも少なくなることを願ってやみません。

後日談なのですが、実は、4軒目の売却を検討していたみたいです。奥さんの親族の家を売却という話が持ち上がったみたいなのですが、「そんな事するぐらいなら離婚する」という一言で考え直したようです。奥さんも最初から「家を売るぐらいなら離婚する」とでも言えばよかったのですが…。まあ、後の祭りですね。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。
平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている