経営革新計画の承認を受けたら融資審査は有利に働くか?

以前、ご相談依頼を受けた方から、「経営革新計画の承認を受けたんだけど、金融機関から借りる事ができなくて困っている」という連絡がありました。

 

この方は、知人から紹介された経営コンサルタントの方に、

「経営革新計画の承認を受ける事が出来れば、信用保証協会の特別枠を得る事ができるから資金調達しやすくなる。現状、借りれなくて困っているのであれば、経営革新を取得してから融資の相談をした方が良い」

という話を聞き、

「現状、保証枠を目一杯使ってるからこれ以上借りる事ができない。しかし、今温めてる計画を実現させるには、資金調達がどうしても必要だ。経営革新計画の承認を受けて、特別枠の資金調達にチャレンジしよう!」

と思ったようです。

 

資金調達のために、経営革新の承認をどうしても受けなければならないという事で、早速、様々な資料を集め、今まで温めていた事業計画を書類に落とし込み、計画を何度も何度も練り直しました。

数ヶ月かけてようやく経営計画を作成する事ができたので、出来上がった書類を元に、経営革新の申請をし、なんとか承認を得る事が出来ました。

 

「これで資金調達できる!」と喜び勇んで金融機関の扉を叩いたのも束の間、 「この内容(財務内容)で融資は厳しいですよ。」と、バッサリ。

当人は借りれるものだと思い込んでいたので、「あの書類を作った時間は何だったのか」と、めちゃくちゃガッカリしたようです。

 

経営革新計画の承認と、融資審査は別問題

結構、勘違いされている方が多いのですが、経営革新の承認はあくまで制度上の物ですから、銀行融資の審査はまた別の話です。

経営革新計画が承認されれば、信用保証協会の特別枠(無担保8,000万円)を得る事はできます。

しかし、融資の審査はまた別の話なのです。

 

資金調達できないのであれば、他にメリットはあるのか?と思うでしょうが、一応、経営革新計画の承認を受ければ、公的融資の金利優遇や、税制優遇、公的支援を受ける事ができるというメリットはあります。

でも、繰り返しになってしまいますが、「融資審査を保証するものではない」のです。

 

ですから、借りるために経営革新を取ろうと考えてもあまり意味が無いかもしれません。

そうそう、一応、経営革新計画の承認を受けたという定性面においてプラスの評価はあります。まあ、微々たる評価かもしれませんが。

 

融資審査にあまり関係が無いのであれば、経営革新の承認を得る意味が無いじゃないか?と思われてしまうかもしれませんが、そんな事はありません。

「経営革新計画を取得するんだ!」という目標設定はすごく良いことですし、計画を取得するにあたって、自社の現状や課題を見極め、将来の計画等を見つめ直し、業績をアップさせ、経営の向上を図る事を念頭において計画をつくるわけですから、その過程を踏むことに、すごく意味がある事だと思います。

普段、ここまで細かく考える機会はあまり無いと思いますから、全く無駄に終わるという事は無いです。

 

ただ、「経営革新計画の承認を受ければ、資金調達できる」という思い込みは排除した方が良いかと思います。目的を資金調達だけにフォーカスしていたら、徒労に終わる可能性も十分ありますので。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている