全く決断できず、じり貧になってしまい、何もできなくなってしまうケース

事業再生でご相談を頂く際、全く決断できず、じり貧になっていくケースが少なくありません。

例えば、資金繰りが苦しいとご相談を頂き、解決策をご提案し、お話の最後に 「事業再生に取り組まないと、早晩破たんしますよ。」とお伝えし、予備調査のご案内をさせて頂くケースがあります。

 

財務資料の簡易的な分析、経営者様からのヒアリングを基に、何通りか今後の方向性をご提案させて頂いています。

その後、ご自身で対応していただくか、顧問契約を締結し、委託を受けて事業再生のお手伝いをしていく。というのが一般的な流れなのですが、ここで、何か月も決断できず、ストップしてしまうケースがあるのです。

悩む気持ちは理解できるのですが、何日も、何カ月も決断できない方を見ると、いつもビュリダンのロバという寓話を思い出してしまいます。

 

ビュリダンのロバという有名な寓話があります。

分かれ道でお腹を空かせたロバが迷っていました。
右に行けば、水がたくさんあるかもしれないし、左に行けば、干草があるかもしれない。
ロバは干草か水かを選ぼうと、左右を何度も見ていました。結局、どちらの道も選ぶことができず、空腹と水分不足で死んでしまった。

というお話です。

 

リスケジュール程度の事であれば、大抵の方はその場で決断して、すぐに行動を起こすのですが、抜本的に改善しようとなると、急に腰が重たくなり、全く決断しないケースが少なくないのです。

決断ができず、時が経つにつれ、どんどん傷口が広がってしまい、選択肢がどんどん無くなっていく事になるのです。

 

9か月ほど、同じやりとりをしている方がいます。

毎月15日前後に私のところに連絡があり、

社長
毎月、200万円近い赤字が止まらない。これ以上、こんな状態を続けていたら持たない
そうですか。赤字の原因を究明して、同時並行的に事業と資産の保全を図らないと全部がダメになりますよ。
社長
それは頭では理解しているのですが、どうも決められないんですよね。それに、もうじき大きな商談がまとまりそうなので、それがまとまれば一息つきます。今の当社の体力では、顧問契約を締結しても、お支払が遅れてしまうのは目に見えているので、迷惑をかけてしまう恐れがあります。
なるほど、分かりました。事業再生に取り組む決意ができたら、連絡下さい。

かれこれ、こんなやりとりを9か月続けている方がいます。この9カ月に出て行った金は、およそ2000万円です。未だに、決断できずにいます。

事業再生の最初の一歩として、リストラを断行すると言ってはいましたが、半年前からリストラすると言って実行されていないので、あと半年は何もしないような気がします。

悩んでいる間に、赤字はどんどん累積されていくのです。

 

ちなみに、全く同じやりとりをしている経営者の方が、この方の他に4名いらっしゃいます。内容は若干異なりますが、大まかに同じような感じです。さすがに、9か月までいきませんが、、今月で3ヶ月の方や、5か月経った方もいます。

 

これだけ同じ事が繰り返されると、電話していて、次に何を話すのか、大抵想像つきます。3ヶ月目になると、「今、リストラの話しているから、次は家の話だろうな。」という予想が立ち、予想通りの会話の内容になります。

決められないと、状況は何も変わりません。決めないと行動を起こせないわけですから、変わりようがありません。

声を大にして「やりましょう!」と言いたいところなのですが、私の立場としては、ひたすら待つ他無いのです。私の会社では無いですし、経営者が決断する事なのですから、私が背中を押す理由はありません。

ジリ貧になっていくのを傍目で見ている事しかできないのは、何とも歯がゆいばかりです。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。
平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている