資産の保全は詐害行為を恐れず、慎重かつ大胆に実行する。

事業再生に関するご相談を受けていると、

  • 自宅をなんとしても競売から回避したい
  • 本社屋、工場を競売から回避したい
  • 連帯保証人の資産を守ってあげたい

等といった「資産の保全」に関するご相談が非常に多いです。

 

これが遊休資産などでしたら、
「維持費も掛かりますし、使っていないなら、いっその事、売却してしまい、借入金の返済に充当した方が身軽になりますよ」
というように、オフバランスするように促すのですが、事業継続に必要な資産であれば話は別です。

どんなに厳しい状況に陥ったとしても、「事業は絶対に諦めない!」という事であれば、事業継続に必要な資産を最低限、保全を図らなければなりません。

 

資産の保全については、難しそうなイメージを持っている方が少なくありませんが、そんなに難しい事はありません。難しくはないのですが、事前準備にものすごく気を使います。綿密に調査しなければならない事もありますし、関係者への根回しも必要です。

スキームを考える事は難しくありませんが、実行となると、労力が要るため、その事前準備がけっこう大変なのです。事前準備をきちんとできれば、後は、慎重かつ大胆に実行あるのみです。

 

資産の保全は詐害行為を恐れては何もできない

資産保全のご提案をすると、「そんなことして本当に大丈夫なのですか?」と驚かれる方がいますが、大丈夫です。誤解を恐れずに言いますが、ご相談に来られる方のほとんどが、経営状態が悪くなってから相談に来られるワケですから、このまま何も手を打たないと、競売にかけられてしまい、資産を処分されてしまう事になります。

という事は、すでに最悪の事態に直面しているのですから、これ以上悪くなる訳がありません。

この問題を放置しておけば、債権者が淡々と競売の手続きを進める訳ですから、こちらも何かしらアクションを起こさないと、資産が無くなるという事になります。このような状況下において、目的達成のために、大胆な行動を起こしたところで、問題になるようなことなどありはしないのです。

資産保全の行動が後々問題になり、「詐害行為だ!」と法的に追求されたとしても、無視するほかありません。そのような事を気にしていたら、前に進むことなどできないのです。

ここで、躊躇してしまえば、今までの準備が全て徒労に終わってしまいます。それだけならまだしも、事業継続に必要な資産が保全できなければ、最悪の結果になってしまいます。ですから、「なんとしても事業を守る!」と腹を括ったのであれば、突き進んでいくしかないのです。

 

詐害行為のよくある誤解

詐害行為に関して、よくある誤解が、
「詐害行為になったら裁判を起こされて、債権者に訴えられてしまう」
という事なのですが、このような認識は正しくありません。

詐害行為は、行為自体が違法という事ではなく、債権者が 「一連の行為が詐害行為だから取り消してほしい」と裁判所に訴え、裁判所が詐害行為という判決を出し、詐害行為と判定されます。「詐害行為」という判決が出たら、その後、資産保全の行為をする以前の状況に戻されてしまう事になります。

以前の状況に戻された後、それ以上の追求は何もありません。

原状に戻されてしまえば、その後、保全を図ろうとしていた資産を債権者から強制執行される可能性はありますが、それ以上の追及はありません。ただ単に、現状に戻されてしまうだけなのです。

 

詐害行為に躊躇していたら、何も行動を起こせません!

こんな事言ったら、法律家の方に「バカな事言うな」と怒られるかもしれませんが、個人的には、詐害行為に躊躇する必要はないと思っています。なぜなら、経営危機という局面において、利害関係者全員が100%納得できるスキームなど、ありはしないからです。

ですから、どうしても事業を守りたい!という事であれば、腹を括って、実行するほか無いのです。何もしなければ何も残らなくなるのですから、事業や生活を守るために、詐害行為を恐れずに、実行した方が良いのです。

 

事業が守れれば、失った信用も取り戻せます

資産を保全し、事業を継続できれば、お金を回す事ができます。お金が回れば、生活も確保できますし、何より、業績回復のチャンスもでてきます。業績が回復すれば、一時的に迷惑をかけてしまった方々にもお返しする事もできます。そうなれば、いくらでも恩返しができますし、失った信用も取り戻す事ができます。

でも、何もしなければ、事業に必要な資産を失ってしまい、事業を継続する事ができなくなってしまいます。経営が破綻してしまえば、何もできずに終わってしまい、ただ、信用を失ってしまうだけです。

失うものばかりで得るものはありません。

しかし、詐害行為を恐れずに、資産の保全を実行すれば、事業を継続できる可能性がでてきます。今以上に悪くなることなど無いのですから、詐害行為を恐れず、資産を保全した方がよいのです。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている