「自力でなんとか」は、なんともならないケースが少なくない。

「コンサルフィーを払う余裕が無いので、今回は見送らせてください。」

数ヶ月前、予備調査の依頼を頂き、事業再生コンサルティングのご提案をさせていただいた方から言われた言葉です。

リスケしても尚、毎月数百万円の資金流出があったので、「一刻も早く着手しなければならない」と思ったのですが、経営者の方からそのように言われてしまえばそれで終わりです。

私の出る幕はありません。

このように言われると、毎回思う事があるのですが、毎月赤字を補填する余力があるにも関わらず、その十分の一程度のフィーを払う事がもの凄く難しいというのがイマイチ理解に苦しむところです。

そして、そのような現状を甘んじて受け入れている経営者の方がいう台詞は決まって「自力でなんとかします。」というテンプレのような文言です。

 

自力でなんとかなるなら、資金流出はとうの昔に止まっており、事業再生に向けて、様々なアクションを取っているはずであり、赤字補填のために、親戚・知人・友人などからカネを引っ張る必要がありません。

しかし、何の策も無いまま「自力でなんとか」という方は、あらゆるところからカネを引っ張り、破滅の道へとひたすら突っ走ってしまうケースが少なくありません。

このような経営者の方のご家族の顔をよく観察すると、表情はすでに憔悴しきっており、奥さん・息子・娘さんは不安一杯の表情。社内の雰囲気も悪く、有能な社員は水面下で就職活動し、売上を上げる社員が一人、また一人と徐々にいなくなっていく。

日々、考える事は「経営改善」や「営業効率をいかに上げるか」という事よりも、「如何にカネを引っ張れるか」という事に執心してしまい、その他の事には興味を示さないのです。

 

毎月、10件程度の新規面談がありますが、2ヶ月に一人ぐらいはこのようなケースを目にしますが、「自力でなんとか」がうまく行くことは非常に稀です。

1年経ったぐらいに社名を検索すると官報公告で「破産開始決定」と掲載されたりするのはザラです。官報を見るたびに「あの時決断していれば、うまくやる方法なんてあったのに。」といつも思ってしまうのです。

自力で頑張るのも悪いことではありませんし、良いことだと思います。ただ、無策で突っ走るのは悪だと思います。被害を被るのが経営者だけでしたら、良いのですが、大抵の場合で、取引先、社員、経営者家族に皺寄せが行く事になりますから、何の策も無いまま突っ走るのは悪だと思うのです。

誰にも迷惑をかけない方法というのは存在しないと思いますが、被害を最小限に抑える方法というのは存在します。自分で撒いた種なのですから、極力、第三者に迷惑をかけないよう、常に意識して頂きたいと、個人的に思う次第です。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている