親の心子知らずとはよくいうが、この仕事をしていると「子の心親知らず」という事が少なくない件

  • お前が心配する事じゃね~!
  • 余計な心配すんじゃね~!
  • お前に心配されるほど衰えてない!

経営者のお子さんや、後継者候補の方からご相談を頂くと、現経営者の方からこのように言われる事があります。と言いましても、私が言わる訳ではありませんが、現経営者を心配した、お子さんや後継者候補の方が親御さんから言われてしまった言葉です。

なぜ、このような罵声を浴びる事になったのか、詳しい経緯をお話したいと思います。

親を心配して子供が策を講じようとすると揉めるケースがある

面談相談の際に、ご相談者様から「私の相談が終わったら、ちょっと同席させたい人がいる」という希望があったので、私は「別に構いません」と快諾しました。面談のご相談はいつも経営者様との1対1が多いのですが、たまに、ご相談者様のご家族の方や、経理の方が同席されるケースがあります。

多店舗展開している飲食・小売業を営んでいる会社に呼ばれた時は、各店舗の店長と、経営者親族に囲まれた時もあります(あちこちから質問が飛んでくるので、尋問されているような気分になりますが…)。ただ、このようなケースはかなり稀なので、基本的には1対1の面談となるケースが殆どです。

話を戻しますね。

ご相談者様から財務資料を拝見し、今抱えている問題点をヒアリングし、今後の方向性をご提案するのですが、お話の最後で、

  • 「実は、私の親が事業をやってまして。」
  • 「妻の両親が事業をやってまして・・」

等と相談されるケースが良くあります。

こうしたご相談の多くは、資金繰りうんぬんという相談ではなく「担保に入っている家を守ってあげたい」というケースが殆どです。というのも、この手のご相談は親御さんが70代~80代の方が多いため、資金繰りがどうこうというより、何時、事業を辞めるか?という事がクローズアップされます。

ご家族のお話をすんなり聞いてくれれば良いですが、たいていの場合で聞く耳もたずで、周りがどんなに心配しようが、当の本人は全くお構いなしです。

「今なら家を守ることができる。でも、その代わり事業を辞めて欲しい」等と言おうものなら、

  • 「お前が心配する事じゃね~!」
  • 「余計な心配すんじゃねー!」
  • 「お前に心配されるほど衰えてない!」

といった感じで大騒ぎになってしまいます。大変ですよね…。

子供がいくら心配しても親は聞き入れない

ご相談者様は良かれと思って心配しても、親御さんにその思いはなかなか届かないものです。

かくいう私も似たような経験があり、義父の会社がいよいよ厳しいと言う時に、「今ならこういう方法がありますよ」と、現実的な提案をしたのですが、「心配しなくても良い」とか「自分が撒いた種だから自分でなんとかする」と言って、聞く耳を持ってくれませんでした。

倒産回避の資金繰りノウハウを読んだら分かると思いますが、結局、自分で何もできませんでした…。

こうした方を守るには、本人に話をする前に、事前に外堀を埋めてしまい、ある程度強硬に話を進めないと、全く話が進まないと思います。

外堀を埋めてから話を切り出すと事を進めやすい

例えば、任意売却をするような際は、ご自宅の実勢価格を事前に調査し、調査した実勢価格をもとに担保権者に事前に根回しして、ある程度外堀を埋めた上で「実は…」と話を切り出した方が、話を進めやすいです。

もちろん、土壇場で断られるケースもありますが、ある程度外堀を固めてしまうと、「渋々」と合意を得る事ができます。殆どの場合で「渋々」ですけどね…。

如何に妥協させるか?がポイントになります。

 

家を守るためには時間が必要

こうして文章だけを読んでいると簡単に見えるかもしれませんが、一口に「家を守る」と言っても、実際は半年近く動いたりする必要があります。

  1. 実勢価格の調査
  2. 購入資金の用意(調達含む)
  3. 担保権者への根回しなど、

いろいろと時間がかかるものです。

これだけ動いて家の保全を図ったとしても、その場ではあまり感謝されません。親の心子知らずとは言ったものですが、この場合、子の心親知らず、ですね。

 

まとめ《結局家族なのだから、時間が経てば感謝される》

ただ、安心して頂きたいのは、その場では感謝されなくても、1年、2年と月日が経てば、「あの時はあんな事言ったけど、本当に助かった、ありがとう。」となるケースが多いです。

ですから、このブログを読んでいるあなたが同じようなケースで悩んでいたとしても、おそらく大丈夫です。今は憎まれ口を叩かれたとしても、時間が経てば必ず感謝されると思います。

ですから、「余計なお世話だ!」等と言われてもあまり気にせず、「親のの自宅を守ってあげたい」と思ったら、その思いに従って勝手に自宅保全の策を進めてしまえば良いと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている