事業再生の成功確率が​100%でないと、再​生に踏み切れないです​か?

たまに、ですが、ご相談者様に今後の方向性を提案する際、
「当社が再生する確率は何%ですか?」
「本当にこの方法で間違いは無いのですか?」
といった類の質問をされる事があります。

 

私のところにご相談に来られる方は、8割以上経営者様です。

資金繰りがピンチの状況で判断ミスを犯すと、挽回するまでに多大な労力や時間を必要とするという事を感覚的に理解されている方ばかりです。

 

ちょっとした判断ミスで倒産する可能性すら出てくる訳ですから、このような質問をしてくる気持ちも痛いほど理解できます。

恐らく、私も逆の立場だったら同じ質問をすると思います。

こうした質問をしてくる方のほとんどが、私の口から
「100%間違いありません!」
「この方法で絶対大丈夫です!」

という言葉が出てくるのを期待していると思うのですが、残念ながら、仕事の性質上100%という事は言えません。

ですから、私はいつも、
「100%大丈夫という事は言えませんが・・」
「絶対ではありません。でも、この最も方法がベストです。」
というように答えています。

 

絶対の方法など存在しない。

そもそも、事業再生が必要な企業というのは、どういう状態の企業でしょうか。

経常利益が黒字、資産超過状態、金融機関が頻繁に「借りて下さい!」と、営業に来るような会社は事業再生は必要ないと思います。

でも、経常利益が赤字、実質的な債務超過状態、売上が下がってきている、金融機関に相談したら「これ以上の追加融資は無理です」と言われてしまう企業は、間違いなく、事業再生が必要な企業だと思います。

前者と後者を見比べたら一目瞭然ですね。

 

特に注視して欲しい部分は「金融機関から借入ができない。」というところです。

金融機関からの支援が無くなるという状況で、今後の経営の舵取りをしなければならないのが、今後の資金繰り計画にどれほど影響を及ぼすか想像に難くないと思います。

この時点ですでに「100%再生する」という事がすでに難しいと言えます。

 

もちろん、借りれないからと言って、必ず倒産するという事は無いのですが、事業再生のハードルはこの時点で上がってしまったことは間違いないと思います。

このような状況下において、「100%大丈夫」とか「絶対大丈夫!」というのはやはり言えませんし、言いようが無いのです。

貴重な時間を割いて、相談料を払っているご相談者様からしたら、絶対大丈夫という安心が欲しいというキモチがあると思いますが、事業再生は様々なリスクが隠れていますから、気軽に「100%大丈夫ですよ!」という事は言えないのです。

 

スキーム通りうまく行く事は殆どない。でも、常に対応策はあるのです。

今まで色々な再生スキームを策定・実行してきましたが、当初の予定通り100%うまく行った事は恐らく、1度も無いと思います。

事業再生の準備中に

  • いきなり差押えされた
  • 従業員に反旗を翻された
  • 取引先から第二会社とは取引できないと言われた
  • 大口の取引先が倒産した
    (めちゃくちゃあてにしてた売掛の未回収)
  • 売上が激減した

なんて事はよくあるケースです。

再生スキームを策定する際、様々なリスクを洗い出し予め対応策を考えておくのですが、まあ、起こって欲しくない問題ばかり勃発します。

 

早く事業を別会社に移したくても、こうした問題の対応に追われ、予定より〇ヶ月遅れてしまった。なんて事はザラで、売上の下降スピードが想定より早すぎて、事業再生を断念した。というケースもあります。

上げだしたらキリがないですが、こうした事を考えると、100%という事などあり得ないのです。

 

ただ、いくら100%は不可能だと言っても、そこで最初から諦めてしまってはいけないと思います。予め考えうる限りのリスクを想定し、全ての対応策を検討しておけば、100%に近づける事は可能だと思います。

今までの経験上、どんなに数多くの問題が発生したとしても、またそれが、想定外の出来事だったとしても、対応策が全く無いという事は考えられません。

たいていの場合で対応策があるものです。

ですから、絶対大丈夫と言われないと、事業再生に踏み切れないと考えるのは、あまり意味の無い考え方だと思っています。何かしら、問題が起こりますからね。

まあ、私が100%言えるのは「事業再生は楽では無い」という事だと思いますね。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている