利害関係者の感情をキチンと把握しないと「骨折損のくたびれもうけ」になりかねない。

事業再生に向けて準備を進めていく際、会社の実態調査から入る事になります。

  • 資金繰り状況の洗い出し
  • 収益(P/L)の実態調査
  • 資産(B/S)の実態調査

など、
全ての項目を上げるとキリが無いですが、調べる項目は多岐に渡ります。

この実態調査は窮境原因を把握するために、非常に重要な作業となります。実態が分からないと今後の事業再生計画や弁済計画など作れませんから、キチンと調べます。

ここで大事なのが、財務諸表に現れない事も調査する必要があるという事です。

それが、タイトルにも書いてある利害関係者の感情の把握なのです。

 

利害関係者の感情を把握し、今後の計画を策定する。

この利害関係者の感情は無視できない非常に重要な要因です。

ご相談者様や会員様、クライアント様に銀行取引状況を伺う際、
「銀行は何か言ってきてますか?」
「銀行に相談に行った時、どんな対応をされましたか?」
と必ず聞きます。

これは銀行だけではなく、取引先も同様にヒアリングします。

「最近、何か言われましたか?」
「取引先とはどのような付き合いがあるのか?」
(取引先の社長と仲が良いか、担当者レベルの付き合いなのか)
など、細かく聞くようにしています。

 

あと、大事なのは社内の状況です。

例えば、第二会社に社員を移転しようと考えた場合、どれぐらい賛同を得られそうか。また、減給となっても会社を良くするために頑張ってくれるかどうかなど、非常に細かくヒアリングします。

これらの情報は財務書類を見ただけでは判別不可能です。

ですから、社長は普段からどのように利害関係者と付き合っているのか、ヒアリングで細かく調べる事にしてます。

なぜ、細かく調べる必要があるのかというと、いくら素晴らしい再生計画を考えても、利害関係者の協力が得られなければ、絵に描いた餅で終わってしまう事になるからです。

 

予め把握しておかないと、時間の無駄にもなりかねない。

銀行、取引先、社員等の利害関係者が社長の事をどのように思っているのか、キチンと把握しておかないと、計画策定に費やした時間が無駄になってしまう事がよくあります。

 

よくあるケースが、銀行折衝の現場での事です。

銀行は資料や今までの過去の実績をベースとした、理論・理屈のみで判断していると思われがちですが、実はそうでもありません。

感情で判断しているケースがあるのです。

 

一つ例を上げますね。

今後の経営再建案を銀行に提出した際、何度説明に伺っても、全く同意を得られない事があります。

同意を得られないにはそれなりに理由がありますから、「なぜ、この計画ではダメなんですか?参考までにご意見を伺いたいのですが。」と聞いてみると、

「今まで不誠実な対応をしておきながら、自分が困った時だけ協力しろなんて虫が良すぎる。」と、
計画の中身よりも、感情だけで判断されてしまう事があるのです。

協力を得れれないのであれば、それはそれで違う方法を考えればよい事ではあるのですが、経営再建案策定、折衝に費やした時間が完全に無駄骨となってしまいます。

 

予め、「金融機関は協力してくれない」という情報を聞いていれば、はじめからそれに沿った案を考えれば良いだけですから、その分、比較的早い段階で事業再生に着手できます。

しかし、そんな大事な情報を知らず、いくら綿密な計画を策定しても、利害関係者の協力を得られず、実行できなければ絵に描いた餅で終わります。ですから、実態調査の際は、財務資料の数字だけではなく、利害関係者の感情を調査するのは非常に重要な項目なのです。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている