開札日の数日前に「自宅を守りたい」と相談されても、対応できない件

ごく稀に、「なぜ、この段階で相談してくるのだろう?」と感じるお問い合わせを頂くことがあります。お問い合わせの内容は、この記事のタイトル通りなのですが、1年に1度ぐらいの割合で、開札日直前に「自宅を守りたい」というお問い合わせを頂く事があります。

例えば、次のようなケースがありました。
※日付は分かりやすいように今日の時点で設定しました。

締め切り2日前に連絡頂いても対応できない

ご自宅が競売にかかっている最中で、3月20日に締め切りで、3月24日開札、4月の頭に売却決定。というスケジュールの方からご相談を頂きました。

私に連絡してきたのが今日。
※私のブログは一年ぐらい前から読んで下さっているとの事。

私なら何かとっておきの秘策があるのでは?と思い、意を決して連絡してきた、という訳なのです。

競売直前でも、私に相談すればきっと何か秘策があり、魔法のように問題が解決するのだろうと思われたのかもしれませんが、正直申し上げて、そんなミラクルは基本的には起こりません。

もちろん、「絶対起こらない」とまでは言い切れませんが(置かれている状況に左右されますので)、何の事前準備も無い場合は対応が後手後手になりますので、基本的にそのようなミラクルは起こらないです。

1~2カ月時間があれば状況が変わる可能性がある

これがせめて1ヶ月前とか、2ヶ月前であれば多少は状況が変わるかもしれません。

予め競売になると分かっていれば、競売を申し立てられるまでの時間稼ぎもできますし、仮に競売開始決定の通知が来ても、ある程度の時間が残されていますから、締め切り日までの間に

  • 身内で買い受けてくれるスポンサーを探す
  • 付け替え融資をしてくれる金融機関を探す
  • リースバック業者を探す
  • とにかく、リースバックしてくれる協力者を探す

等といった動きができます。

こうした時間があれば、「競売から自宅を守れた!」というミラクルが起きる可能性は出てきます。

実際、私が関与したなかで類似の成功事例はあります。

  • 恥を忍んで親戚に相談したら、二つ返事で競落を承諾してくれた。
  • 息子さんが買い受けてくれた。
  • 「〇百万円払えば、店舗の競売を取り下げる」と銀行から言われ、開札直前に親戚から金を借りれ、競売から店舗を守った飲食店経営者様

など、様々な成功事例はあります。(他にも事例がありますが、この辺で)

スケジュールがタイト過ぎると対応できない

でも、こうした事例も保全の準備期間があったからこそ成功した訳で、これが、2週間とか、1週間しか残されていない。というようなケースはまず不可能だと思います。1週間でも「時間が無い」と感じてしまう訳ですから、3日なんて私が聞いても、「もう無理だと思います」という判断しか出てこないです。

ミラクルが起こった事例はあるにはありますが…

2011年に関与した案件で、旅館が競売にかかっており、ダメ元でスポンサーを探していたところ、買い手が締め切りの4日前に見つかり、その2日後に関係者全員でミーティングし(私も同席しました)無事に旅館の保全を図る事ができた。

というミラクルが起こった事はありますが、それも極めて稀で、(かなりラッキーだったと思います。)通常はそんなにうまく行かないです。

 

まとめ《余裕をもったスケジュールであれば成功確率は上がる》

競売の手続きに入ってしまった事は仕方ないとして、その後の動き次第で保全の確率を引き上げる事はできます。もっと早く相談してくれれば、何か方法があったのかもしれませんが、締め切りが3日後というのは正直無理です。

今回は競売を例に出しましたが、似たようなお問い合わせは少なくありません。(「3日後の手形が決済できない」とか。)事前に分かっていたのであれば、早めの対処が必要だと思います。

ギリギリになればなるほど、成功確率はどんどん下がりますからね。。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている