中小融資の保証縮小 政府検討、全額から原則8割に【日経新聞】

昨日の日経新聞に下記記事が掲載されていました。


中小融資の保証縮小 政府検討、全額から原則8割に

政府は中小企業の融資が焦げ付いた場合に国などが肩代わりする公的信用保証を、段階的に縮小する検討に入った。

2008年秋のリーマン・ショック後に特例として認めた全額保証を縮小するのが柱で、約100業種を対象に保証率を危機前の原則だった8割に戻すことを議論する。

一部業種は保証率を8割からさらに下げる案もある。

信用保証は財政収支が悪化しており、国と民間の負担割合を見直す。

参考リンク2014/5/20 日本経済新聞[電子版]
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保証割合の80%への引き下げ。

一見すると大した数字ではないように感じると思いますが、この20%はかなり大きいです。

というのも、100%保証の場合、金融機関の貸倒リスクは全くありません。全くというのも、若干語弊がありますが、金融機関にリスクがあるとしたら、代位弁済の件数・額が多ければ、保証枠を減らされてしまう。という問題は出てくると思います。

ただ、そんな話は借り手である企業からしたら、ほとんど関係無い話です。

担当者の方に「ウチの支店、代位弁済の件数が多くて保証枠を〇億円減らされたんですよ」とか言われても、ピンと来ないですよね。

話がちょっと逸れましたが、とにかく、保証割合80%になるという事は、100%保証の時と比べたら、融資審査は慎重にならざるを得ないでしょう。

なぜ、そこまで慎重になるのか、具体的な数字を出しながらお話ししますね。

 

仮に、1000万円の融資案件があるとします。

100%保証であれば、融資が焦げ付いても代位弁済してしまえば1000万円まるまる元本が返ってきます。毎月、融資先から金利が入ってきますから、融資を実行した銀行は丸儲けです。元本保証で毎月金利の売上が入りますから、非常においしい訳です。

 

しかし、80%保証となると状況が一変します。

最悪、融資が焦げ付いたら、200万円の損失を蒙る事になります。

1000万円を年利2.5%で貸付けた場合、年間25万円の金利が入る訳ですが、融資を実行して3年目ぐらいに焦げ付いたら、
200万円(元本)-75万円(金利収入)=135万円(損失)
という事になります。

このように、20%でも自己責任で貸す部分があると、融資審査も慎重にならざるを得ません。

100%保証であれば、融資が焦げ付いた際のリスクを、そこまで考える必要はありませんが、20%でもリスクを背負うとなると、「当行はいくらの損害を蒙るのか」という目線で考えますから、融資審査は100%保証と比べると、かなり厳しめに見られる事になります。

80%保証割合の引き下げ。何でもないニュースに思えたもしれませんが、こうして具体的な数字を出してみると、融資審査が厳しくなるというのがお分かりになったと思います。

80%の保証割合からさらに下げる業種があるとの記載がありますが、これは、融資審査がさらに厳しくなるという事を意味しています。保証割合を引き下げられる業種がいったいどの業種なのか気になるところです。

 

いずれにせよ、今後、借入に依存しない経営をより一層迫られる事になりそうです。
金融行政は少しずつ確実に変化してきていますね。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている