悩んでいる間に売り時を逃し、売却のチャンスを逃してしまうケース

「このまま続けても、赤字が縮小しないので、会社を手放そうかと考えています。」

 

業歴が長く、月商5000万円以上の企業から事業再生の相談を受けると、M&Aの話題になるケースが少なくありません。業歴が長いため、経営者の方は50代後半、60代の方がほとんどです。

事業再生の事案なので、業績が悪化し、資金繰りが厳しくなった状態でのご相談ですから、基本的には経営者の方が主体的に会社を建て直す事になります。

赤字幅を少しでも縮小するために、地道な経営改善をコツコツ続けていく事になるのですが、年齢的に、「このまま事業を続けていても、体力・気力が続かないかもしれない。」という考えが脳裏を過ぎり、「いっその事、会社を手放そうか」と考えるケースが少なくありません。

 

後継者がいれば良いのですが、親族や役員・社員に後継者候補が全くいなければ、他社へ売却する事になるのですが、事業再生から派生する事案は、なかなか話が進まないケースが多いです。

 

赤字が常態化している会社を売却するのは非常に困難です。

ここ1~2年の間、テンプレート化されているやりとりがあります。
※大抵の場合、こんなやり取りになります。

 

社長
いっその事、事業を売却しようと思うんですよ。
えっ、今ですか?この財務内容では難しい気がしますけど。テコ入れした後ならともかく、今ですか。
社長
取引先は優良企業が多いですし、このまま赤字を垂れ流すような状態ですから、いっその事、売ってしまって楽になった方が
それは難しいと思いますよ
社長
そうですかね~。以前、当社を買いたいという打診があったのですが、そこに買ってもらうというのも方法かと思ってます
それは何時の話ですか?
社長
昨年です
昨年と今では状況は違いますし、それに、今の財務内容では難しいと思います。
社長
あの時売っておけば良かったのかな
その当時でも売れるとは限りませんよ。デューデリして、買い手にとって具合の悪い情報が出てきたら、手を引かれてしまいますし
社長
そんなもんですかね~。
そんなものですよ。ウチもデューデリでダメになったケースが何件もありますし、それに今のキャッシュフローではやはり難しいですよ。

 

以前、「赤字部門の売却は実現可能性が非常に低い」という記事を書きましたが、利益があまり出ていない状態で売却しようと考えたところで、そう簡単に話が進むものではありません。

赤字部門の売却は実現可能性が非常に低い

2013.06.06

 

利益が出ているうちに早急な決断が必要

私より一回りも二周りも年齢が上のパートナーの方々が口を揃えて言う事があります。

それは、

  • 利益が出ているうちに売却しないと買い手が付かない
  • 迅速な意思決定

という2点です。

 

赤字が常態化している企業はなかなか買い手が付きません。仮に付いたとしても、買い手からもの凄く上から目線で来られ、買い叩かれるのが関の山です。

また、意思決定が遅いと、タイミングが合わず、チャンスを逃してしまうケースが散見されます。

実際、同業他社から買収の提案を受けたという経営者の方を見かけますが、

「売っても良いかな」「もう少し、自分で事業を続けようかな」と悩んでいる間に、話が無くなってしまい、何の決断もしないまま、時間の経過と共に事業が陳腐化してしまい、その頃になって「このまま続けても厳しいから、買収提案に乗ろうかな」と考え出した頃に、買い手が離れてしまったという事がよくあるのです。

 

経営者の方も事業に対する思い入れ等がありますから、なかなか踏ん切りが付かないという気持ちも痛いほど理解できますが、M&Aのチャンスはなかなか少ないので、なんらかの決断をしなければならないのです。

もうちょっとじっくり考えようかな。なんて考えているようでは、次は無いと考えた方が良いかもしれませんね。半年も1年も経った後に、「売却しよう」と決断したところで、買い手の興味はほぼゼロになっているケースがほとんどですからね…。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている