債権者と対峙する時に、覚えておくべき大切な事。

資金繰りが極度に悪化してくると、様々な支払いが滞るようになってしまいます。金融機関、租税公課、リース料、取引先、給料などなど、あらゆる支払いが滞ってしまう事になります。

そして、延滞が常態化してくると、「早く支払ってください」と、矢のような催促をあらゆるところから受けるようになっています。

でも、いくら「しつこく催促された」と言っても、たいていの場合は、電話やハガキ・手紙などの催促がほとんどですから、精神的なプレッシャーは比較的軽い場合が多いです(担保処分の要請がきたらちょっとビビると思いますが)。

 

しかし、取引先の場合、電話や請求書だけで終わる事はほとんどありません。

支払いが遅れて数日経つと、さすがに電話ぐらいはしてくるでしょうが、それでも払わないと、直接訪問してくる会社も少なくありません。

ただ、訪問された時に、とても大人しい口調で、「払える時で良いですから、連絡だけはして下さいね。」と易しく言ってくれる会社もありますが、そんな会社が全てではありません。

なかには、強い口調で「社長、何時ぐらいに金払ってくれるんですか?いい加減にして下さいよ。うちも楽じゃないんですよ!」とか、「いい加減払ってくれないと、法的に回収せざるを得ないですよ」「債権回収業者に債権譲渡しますよ」と、怒声混じりに請求してくる会社もたまにあります。

債権者の扱いに慣れている方や、神経の図太い方ならまったく気にならないでしょうが、そうでない方は、ちょっと腰が引けてしまったり、「どうしよう・・・」と、ビビッてしまう方もいらっしゃいます。

また、普段イケイケドンドンの社長が、債権者が訪問してきたとたん、借りてきた猫のように大人しくなってしまう。というケースも少なくありません。

 

借りたお金を約定どおり返す事ができないというバツの悪さ
大見栄きって、「借りた金は絶対返す」と言ったのに、どうする事もできないバツの悪さ

いろんな感情が湧いて出てくる事だと思います。あなたが責任を感じ、うつむいてしまう気持ちはよく分かります。

実際、私は何度かそのような光景を目の当りにした事もありますし、債権者が押しかけてきて、社長が逃げてしまった事も見た事があります。ですから、バツの悪さから、うつむいてしまう気持ちはとても良く分かります。

でも、でもですよ。

あなたが上記のようにちょっぴり気が弱い性格だったら、社員や家族の前で、そのような姿を絶対に見せてはいけません。
どんなに心細くても、絶対に駄目です。
どんなに不安に思っても、絶対に駄目です

もし、あなたが、債権者と交渉するのは苦手であったり、催促の電話の受け答えをする時に、普段より声が小さくなって、まともにしゃべる事ができなくなってしまうような場合は、誰にも見られないように社長室に篭って電話するか、外に出て、誰にも見られないところで電話して下さい。

仮に、実際に債権者が押しかけてきたら、社長室や応接室など、とにかく社員の目に触れないような部屋にお連れして、ドアしっかり閉めて声が漏れないようにして下さい。そのような部屋がなければ、外の喫茶店かどこかへ行って、とにかく関係者に見られないようにして下さい。

何故、こんな事をするのか分かりますか?
正直、あまり答えたくないですが、あなたのために、あえて言わせてもらいます。

これを言ってしまったら、あなたに、「なんだと、このクソコンサルタントが!」と思われてしまうかもしれません。もう2度とこのブログに訪問してくれなくなるかもしれません。私の事務所に無言電話がジャンジャンかかってくるかもしれません、でも、それらの事を覚悟して言っておきます。

あなたのためですから。

 

なぜ、社長のそんな姿を絶対に見せてはいけないかと言いますと、それは、社員から見たあなたの姿が、情けなく、滑稽に思われてしまうからです。

組織のトップである社長が、債権者から逃げ回っていたり、普段誰にも見せたことが無いぐらい、動揺してしまったらとても情けなく思われてしまうからです。

そもそも、なぜ、私がこんなお話をするか分かりますか?それは、社長が求心力を失った会社は、必ず崩壊するからです。

とっても大事な事ですから、もう一度言っておきますね、
社長が求心力を失った会社は、必ず崩壊します。崩壊するという事は、倒産するという事です。

なぜ、崩壊するのか分かりますか?

それは、社員の社長を敬うという心が無くなってしまい、今後、一生、蔑んだ目で見られてしまうからです。

わかりやすいように具体例を出しますね。

例えば、このピンチを一時、切り抜けたとします。「もう、しばらくは債権者が来ないな~、資金調達もできたし、当面の資金繰りは安泰だ。 これからは安心して仕事に取り組もう」とあなたが前向きに頑張ろうとしても、あの、債権者から逃げ惑う経営者の姿を見てしまった社員の心は、完全に冷え切ってしまいます。

社員の心が冷え切ってしまうと、このように思われてしまいます。

「こんなショボイやつの元で働くのがカッタルイな~」
「どうせこんなヤツの会社なんてすぐ潰れるから、どうでもいいや」
「営業行くふりして、適当に昼寝して、とりあえず給料だけもらえればいいや、どうせもう辞めるし」と思われてしまう事になるのです。

注:これは全て事実に基づいた話ですし、直接耳にしたこともあります。

社長であるあなたが、社員に何かしら指示を出しても、「普段偉そうな事言ってるけど、何あの無様な姿。超ダサいんですけど。ダサすぎて笑える。」などと思われてしまい、いくらあなたが良い事言ってみたり、ためになる事を言ってみたりしても、今後、社員の耳に届く事は一切ありません。

一切です。そもそも頭から馬鹿にされてしまっている訳ですから、何を言っても無駄です。一度このように思われてしまっては、回復するのは非常に難しいです。恐らく不可能だと思います。

いくらあなたが、「これから会社を良くしていくために頑張ろう」と、社員のモチベーションを高めようとしても、

電話から逃げてる情けない姿
債権者に言い寄られて半べそかいている情けない姿
足がガタガタ震えた情けない姿
動揺を隠せず、満足にしゃべることもできない情けない姿

これが頭に焼き付いているのですから、モチベーションも何もありません。このような状態に陥ってしまった社員を、以前のようにモチベーションを高めるなど、並大抵の努力では不可能です。

いえ、事実上不可能だと思います。

最悪、あなたの会社がこのような状況に陥ってしまったら、社員を入れ替えれば済みますから、なんとか経営危機を乗り越える事は可能だと思われます。(社員の入れ替えは、そう簡単ではありませんけど・・・)

しかし、これが家族経営の場合、そう簡単にはいきません。
中小企業は家族で経営している企業が少なくありません。

家族、親戚、自分の息子・娘と一緒に仕事している会社は、けっこうあります。このような場合、 社員の替えがきかないですから、(家族だから)モチベーションを回復するのに、難しい場合があります。

 

家族経営の場合、もう一つ問題点があります。

それは、父親の威厳が完全になくなってしまう事です。完全にですよ。

息子・娘さん、自分の妻が、心の底から心配してくれているなら、話は別ですが、たいていの場合、なんて情けない姿なんだ・・・・と思われてしまう事になってしまいます。

ですから、もし債権者が押し寄せて来たとしても、裁判をほのめかされても債権譲渡がどうたらとか、あなたをビビらせる事を言ってきても
絶対に逃げないで下さい。
絶対に怯えないで下さい。

債権者から電話がかかってきて、ビビった姿を見せてしまうぐらいなら、「後ほど折り返すと伝えて欲しい」と伝え、社員に怯えた姿を見せないで下さい。社員は社長の行動をしっかり見ているのですから。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている