資金繰りが厳しくなってくると、いろんな焦りが出てくると思います。気持ちは痛いほど理解できるのですが、たまに、冷静さを欠いてしまうあまり、スケジュールばかり気にされる方がいます。
どのような事かと言いますと、
- 「今月中に具体的な再生計画を作らないと、 債権者に強行回収されてしまう」
- 「今から3ヵ月後には会社分割を実現したい。会社分割に関する本を読んだが、スケジュール的に間に合いますよね?」
- 「再生計画ってすぐにできませんか?」
というような感じで、現実的に不可能なスケジュールを押し付けようとしてくる事がたまにあるのです。まあ、気持ちは分るんですけどね。
でも、非常に申し訳ないのですが、魔法のように瞬間で問題が解決するような事なんてありません。
ネットでいろいろ検索すると、魔法のように問題が解決するとか、すぐに解決策をご提案できると、耳障りのよいキャッチコピーが目に入ると思いますが、基本的にはあり得ません。
ただ、これには例外があり、十分な予算がある場合に限り、すぐに問題が解決する事があります。これはいったいどういう事なのか、これからご説明していきます。
問題が複雑では無ければ早期解決は可能
まず、あまり複雑ではないケースに限り、すぐに問題が解決する事はあります。
例えば、リスケジュールで済むケースや、代位弁済する事により、当面の資金繰りが確保できるといったケースです(手形ジャンプ等もそうですね)。小難しい事をしなくても済むようなケースであれば、すぐに問題解決をする事ができると思います。
このような複雑ではないケースであれば、比較的短時間で(たいていはその場で解決策が出ます)、問題解決を図る事ができると思います。
このあたりは他の専門家の方々も同じだと思います。
スキームが複雑な場合、どうしても時間が必要
しかし、複雑な再生計画の策定となると話は別です。特に組織再編行為を行うようなケースだと、すぐに計画ができあがるようなものではないのです。
もちろん、ある程度のヒアリングを実施すれば、大体の方向性は提示する事ができますが、その提示した内容を実現するために、計画を策定しようとなると、現実的にはかなりの時間がかかるのです。
財務資料の精査、会社資産の把握、利害関係者との契約関係の把握、根回しなどなど、実現可能な再生計画を策定するために、これらの因果関係をきちんと把握しようとすると、かなりの時間がかかるのです。正直、1ヶ月とかだとめちゃくちゃ厳しいスケジュールです。
同業や士業の方々に応援を頼めば、なんとかする事ができるとは思いますが、たいていの場合で予算オーバーとなるため、現実的にはかなり厳しい事が多いです。
組織再編行為を少しでも検討している方は、このあたりの実情を踏まえつつ、情報収集しなければならないのです。