業績が悪化して資金繰りが厳しくなると、利害関係者の方々に対し、支払い遅延を起こしてしまう場面が出てきます。
銀行はとりあえず電話一本入れておけば何とかなりますが(後日直接訪問して、詳しい説明をしなければならないのは言うまでもありません)、取引先に支払いができない場合は、支払いのジャンプや延払いのお願いに行かなければならないケースが出てきます(数万・数十万であれば、電話やFAX、メールで済んだりしますが…)。
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取引先によっては厳しい条件を突き付けてくるケースも
お願いに行って話がうまく纏まれば良いのですが、取引先によっては厳しい条件を突き付けてくるケースがあります。
よくあるケースで言えば、
- 不動産を担保に入れさせて欲しい
- 動産を担保に入れさせて欲しい
- 連帯保証人を用意して欲しい
といった感じです。
内容的に極力断りたいところではあると思いますが、「支払いができず、迷惑かけてしまった。」という負い目から、断らないで引き受けてしまうケースが散見されます。
不利な条件を提示されても負い目から呑んでしまいがち
一応、当事者同士の付き合いもあるので、どうこう言うのは気が引けるのですが、こうしたご相談をしてくる方の多くが、債権者のペースで事が進み、「不利な条件」と分かっていても、負い目から、最終的に呑んでしまうのです。
債権者の立場から考えたら、少しでも回収の保全を図るため「担保提供して欲しい」というのも理解できます。しかし、言われる側である債務者も、あまり安請け合いしてはいけないと思います。
連帯保証人は断った方が良いです
先日のことです。小売店を営む方から、「支払遅延を起こしてしまった問屋さんから、「息子を連帯保証に入れろ」と言われました。どうしたら良いですか?」というご相談がありました。
お話を聞くと、問屋さんとこんなやり取りがあったようです。

100回払いを承諾したのだから、連帯保証人を用意して欲しい。
オタクの息子で良いから、連帯保証人としてハンコを押して欲しい。

長期分割にしていただいて非常に感謝していますが、息子を連帯保証人というのは…。

遅れずに払えば済むことだろう誠意を見せて欲しい。

もちろん、遅れずに支払いをしていくつもりではいますが、息子は勘弁して下さい。

遅れずに払えば…。
(以下、「遅れずに払えば済むことだろう」というところからお話がループ)
このまま話を続けても、平行線の一途を辿るだけだと判断したご相談者様は「家に帰って家族と相談します。」と言って、ひとまずその場から離れたようです。
断り難くても、連帯保証人の要求は粘り強く断るべき
支払遅延の額も大きく、問屋さんとの付き合いも長いので、「断り難い」という気持ちも痛いほど理解できるのですが、連帯保証は何が何でも断らないとダメです。
ご相談者様や息子さんが自ら望んで連帯保証を入れるなら、構わないと思いますが、望んでいないのであれば話は別です。断固として断るべきだと思います。
上手く断ろう等と考えず、ひたすら言い続ける
断る理由とか、うまく断る言葉なんて見つからなくても関係ないです。「連帯保証だけは勘弁してほしい」これだけ言い続ければ良いのです(あくまでやんわりと)。何回言われてもその都度「連帯保証は難しいです」と断っていれば、そのうち言わなくなってきます。
連帯保証の要請なんて、たいていの場合でそんなもんですから、言われている間は我慢して、「申し訳ないです。できません」と断るようにしましょう。