ファクタリングが払えない!【分割払いはできないけど対処法あり】

ファクタリングが払えない!【分割払いはできないけど対処法あり】

ファクタリング会社への支払日が近づいてきたけど、払えそうにないです。

取引先に連絡されたら困ります。

分割払いとか、何か対処法があれば教えて欲しいです。

本記事では、こういった疑問・要望にお答えします。

本記事の内容
  • ファクタリングが分割払いできない理由2つ
  • ファクタリングが払えないと起こること3つ
  • ファクタリングが払えない時の対処法4つ

なお、本記事の筆者は、2009年から現在まで中小企業の資金繰り改善コンサルタントとして活動しており、年商数百万の個人事業主から年商10億円以上の企業まで、幅広く対応してきました。

こういった経験をもとに、本記事では、ファクタリングが払えない時の対処法をまとめました。

商取引で発生した売掛金をすぐに現金化できる「ファクタリング」は、銀行融資が難しい企業には使い勝手の良い資金調達方法です。

とはいえ、万が一払えなくなると取引先に債権譲渡通知を送られてしまい、最悪、取引停止になってしまう危険性があります。

取引停止を回避するため、ファクタリングが払えないことが分かると、分割払いを考える方が多いですが、基本的にファクタリングは分割払いできません。

目次

ファクタリングが分割払いできない理由2つ

ファクタリングが分割払いできない理由は下記2つです。

  • 分割払いを認めると貸金業法に抵触するため
  • 前受金となるファクタリングは分割払いできない

分割払いを認めると貸金業法に抵触するため

ファクタリング会社が分割払いを認めると、分割払いという行為が「融資行為」とみなされ、出資法や貸金業法に抵触します。

ファクタリングはあくまで売掛債権の売買なので、融資とは別物です。

ファクタリング会社の多くは貸金業登録を受けていませんので、融資行為を行うと無登録で顧客に貸付けを行ったとして違法となります。

分割払いを認めるのはファクタリング会社からすると非常にリスクが高い行為なので、分割払いは拒否され、一括払いを求められます。

前受金となるファクタリングは分割払いできない

ファクタリングは会計上「前受金」の扱いになります。

前受金とは、将来、売上高となるべきお金を事前に受領した時に使用する勘定科目です。つまり、顧客への商品・サービスの提供が終わっていないことを意味します。

商品・サービスの提供ができなくなった時は返金義務が発生

前受金を受取るということは、商品・サービスの提供義務を負うことになりますので、何らかのトラブルが発生し、商品・サービスの提供ができなくなった場合、前受金の返金義務が生じます。

このように、返金リスクのある「売掛金」をファクタリング会社は買取っているため、分割返済に応じてもらうことは基本的に不可能です。

以上がファクタリングの分割払いができなり理由です。続いて、ファクタリングが払えないと起こることを解説していきます。

ファクタリングが払えないと起こること3つ

ファクタリングが払えないと起こることは下記3つです。

  • 取引先に債権譲渡通知が送付される
  • 損害賠償請求をされる可能性がある
  • 詐欺罪や横領罪に問われる可能性あり

上記のとおり。

取引先に債権譲渡通知が送付される

ファクタリングが払えないと取引先に債権譲渡通知が内容証明郵便で送付されます。

「3社間ファクタリング」を利用しているのであれば、あらかじめ債権譲渡の同意を得ているので問題ありませんが、2社間ファクタリングを利用していれば事情は異なります。

返済できなければ内容証明郵便で取引先に債権譲渡通知が送付され、取引先にファクタリングを利用していることが判明します。

ファクタリングを利用していることが取引先に判明すると、与信の悪化はもちろん、取引停止の可能性があります。

債権譲渡通知を受け取った会社は売掛金をファクタリング会社に払うことに

内容証明郵便で債権譲渡通知を受けとった会社(取引先)は、売掛金の支払いをファクタリング会社に変更する必要があります。

事前に取引先へ根回しやフォローをしていれば、トラブルに発展するようなことはありませんが、根回しやフォローが十分でないとトラブルに発展する可能性がありますので、ご注意ください。

損害賠償請求をされる可能性がある

ファクタリングが払えないとファクタリング会社から契約違反を根拠に、損害賠償請求される可能性があります。

もし、損害賠償請求された場合、ファクタリング会社から受け取った金額に加えて、訴訟費用や遅延損害金を支払うことになります。

ファクタリング契約時に取引先の情報や銀行口座の情報を渡しているので、当然、差し押さえリスクも発生します。
メインバンクを差し押さえられると、期限の利益を喪失し、一括返済を求められます(銀行取引約定書第5条)。十分ご注意ください。

詐欺罪や横領罪に問われる可能性あり

ファクタリングが払えない場合、横領罪や詐欺罪に問われる可能性があります。

理由は、売掛債権をファクタリング会社に売却したということは、売掛金は自社のものではなく他社のお金です。他社のお金に手を付けるということは、横領罪に問われる可能性があります。

また、売掛債権を売却してお金を手にしているのに、期日に払わない場合、相手(ファクタリング会社)をだましてお金を支払わせたということで詐欺罪に問われる可能性があります。

もちろん、利用する時はそのようなつもりは一切ないと思いますが、実際に払ってもらえない側(ファクタリング会社)の立場からすると、お金を詐取されたも同然なので致し方ないと思います。

逆の立場で考えれば、理解しやすいと思います。

以上がファクタリングが払えないと起こることです。続いて、ファクタリングが払えない時の対処法を解説していきます。

ファクタリングが払えない時の対処法4つ

ファクタリングが払えない時の対処法は下記4つです。

  • 支払い延期の相談
  • 緊急時の資金繰りの実行
  • 交渉で準消費貸借契約に変更してもらう
  • 弁護士に依頼する

上記のとおり。

支払い延期の相談

まずは正直に期日どおり払えないことを伝えたうえで、支払期限を延期できないか相談してみてください。ファクタリング会社によっては支払いを待ってもらえる可能性があります。

支払い延期に対応してもらえる場合、新たな契約書を交わすことになるのか、もしくは延滞損害金を払うのか、特例で待ってもらえるのかはファクタリング会社次第ですが、可能性はゼロではありませんので、支払期日が到来する前に相談するのも一つの方法です。

緊急時の資金繰りを実行する

ファクタリングが払えないことが分かったら、緊急時の資金繰りを実行して資金を都合しましょう。

緊急時の資金繰りとは、支払いに優先順位をつけて優先順位の高い順から支払いを済ませる施策です。

優先順位の低い支払いは、支払いの減額、あるいは一時的にストップするなどして対応します。具体的な支払いの優先順位は下記のとおりです。

  1. ファクタリングの支払い
  2. 従業員の給料
  3. 取引先の支払い
  4. 事務所維持費(必要最低限)
  5. 税金・社会保険料
  6. 銀行返済

詳しくは別記事の「銀行融資を断られたら一刻も早くやるべき6つの事!」をどうぞ。

通常の資金繰り、つまり、支払日が到来した順番で資金繰りを回していると、ファクタリングの支払いができなくなります。

ファクタリングの支払い資金を捻出するため、緊急時の資金繰りを実行してファクタリングを期日通り支払いましょう。

既存のファクタリング取引を見直しましょう

買取手数料が15%~20%を超えるようなファクタリングを毎月利用している場合、ファクタリングを利用すればするほど、資金繰りは苦しくなります。

将来的に使わないようにするのがベストですが、いきなりファクタリングを止めることは難しいので、すぐにできる改善策として、買取手数料の低いファクタリング会社に乗り換えることをおすすめします。

買取手数料が15%~20%を超えるようなファクタリングを毎月利用していると資金繰りは苦しいままです。早急に買取手数料の低いファクタリングに乗り換えましょう。

手数料が1~2%低くなるだけでも資金繰りは楽になります。

ちなみに、下記ファクタリング会社は手数料が低めに設定されていて、なかには乗り換え優遇もあるので、今現在、手数料の高いファクタリング会社を使っていれば乗り換えた方が資金繰りは楽になります。

詳しくは別記事の「他社から乗り換えOKなファクタリング会社5選【手数料が安くなる】」をどうぞ。

交渉して準消費貸借契約に変更してもらう

分割払いを認めると貸金業法に抵触するため」という項目でも解説したとおり、ファクタリングの分割払いを認めると融資行為とみなされ、出資法や貸金業法に抵触します。

ただ、例外が1点だけあり、「準消費貸借契約」への切り替えが可能であれば、分割払いができるようになります。

(準消費貸借)
第五百八十八条 消費貸借によらないで金銭その他の物を給付する義務を負う者がある場合において、当事者がその物を消費貸借の目的とすることを約したときは、消費貸借は、これによって成立したものとみなす。

出典:民法 第588条 | e-Gov法令検索

準消費貸借契約とは、「実際にお金の貸し借りをした訳ではないが、何らかの原因でお金が払えなくなった時に、お金の貸し借りをしたようにして、お金を返済していくための契約」です。

ファクタリング会社と交渉して、ファクタリング契約を準消費貸借契約に切り替えることで、分割払いが可能になります。

弁護士に依頼する

支払い延期の相談、緊急時の資金繰り、準消費貸借契約への切り替え交渉がうまくいかず、どうしてもファクタリングが払えない時の最終手段は「弁護士に依頼する」しかありません。

対応相手が銀行や政府系金融機関、付き合いの長い取引先(中小企業)などであれば、返済できなくなった時はご自身で対応すべきですが、ファクタリング会社は一般的な交渉と異なる対応を求められます。

ご自身で対応するのは困難を極めますので、弁護士に依頼した方が確実です。

弁護士に依頼することで、

  • 分割返済の交渉
  • 債権譲渡通知の差止
  • 和解交渉

などの方法で解決できる可能性があります。

こういった交渉は弁護士の専門領域ですので、ファクタリングが払えないことが判明したら、ご自身で対応できない時は、迷わず弁護士に依頼しましょう。

まとめ

以上、ファクタリングが払えない時の対処法を解説しました。

ファクタリングは分割払いを認めると出資法や貸金業法に抵触するため、分割払いは認めて貰えませんが、

  • 支払い延期の相談
  • 緊急時の資金繰りの実行
  • 準消費貸借契約への変更
  • 弁護士への依頼

など、対応策がありますので諦めずに対応しましょう。

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