【銀行融資】決算が黒字なのに融資を断られた!断られる理由と対処法を解説

今期決算は黒字なのに、銀行に融資を依頼したら断られた。

赤字決算を出して断られるのは理解できるけど、決算が黒字なのに融資を断られるなんて意味が分からない。

決算が黒字なのに銀行が融資を断る理由を知りたい。

この記事では、こういった疑問にお答えします。

目次

決算が黒字でも銀行に融資を断られる事がある

銀行融資の審査において「決算内容が8割」と言われるぐらい、銀行は決算内容を重視しています。

そのため、決算が赤字であれば融資を受ける事は非常に難しくなりますが、黒字であれば融資を断られらようなことは基本的に殆どないのですが、たまに例外があります。

決算が黒字なのに融資を断られる事があるのです。

ちなみに、「銀行融資を断られた!謝絶理由を教えてくれない理由と融資を断る原因を解説」という記事でも解説しているとおり、銀行は融資を断る理由を教えてくれません。

担当者によっては遠回しに教えてくれることもありますが、基本的に融資を断る理由は教えてくれませんので、次に解説する理由の中から、「ウチはどれに当てはまるのかな?」と推察するほかありません。

決算が黒字なのに銀行に融資を断られる理由5つ

決算が黒字なのに銀行に融資を断られる理由は下記5つです。

  • 黒字の幅が小さい(ギリギリ黒字)
  • 決算書の数字と実態が異なっている
  • 粉飾決算を疑われている
  • 資金使途を疑われている(資金使途違反)
  • 決算書には記載されていない問題がある

上記のとおりです。

黒字の幅が小さい(ギリギリ黒字)

一口に「黒字」と言っても状況はいろいろあります。

例えば、年商10億円の企業の税引後利益が以下のような金額であっても、すべて「黒字」に該当します。

  • 20万円(売上高当期利益率/0.02%)
  • 200万円(売上高当期利益率/0.2%)
  • 2,000万円(売上高当期利益率/2%)

売上高当期利益率が2%あるような企業が「黒字だから融資をして欲しい」というのは、比較的通りやすい話だといえますが、利益率が一桁下がってしまえば状況は異なります。

「黒字」ということに嘘は無いですが、「年間の返済財源はどれぐらいあるのか?」という観点で見られてしまうと、当期利益率が0.2%しか無い企業に融資を実行するのは、貸し手の立場からしたら非常にリスクの高い行為と言えます。

そこまで大きなリスクを背負ってまで銀行は融資しませんので、黒字の幅が小さければ断られます。

決算書の数字と実態が異なっている

企業の決算書は「企業会計原則(会社法431条)」に基いて作成するため、基本的には会社の実態を表してはいるのですが、決算書の数字と実態が異なるケースというのはよくあります。

一例を上げると次のようなケースです。

  • 回収見込が低い売掛金・受取手形が長期にわたって計上されたままになっている → 貸倒損失を計上していない
  • 長期間売れない在庫がそのまま計上されている → 在庫評価損をしていない
  • 何年も前に取得した土地・建物が取得時の簿価のまま計上されている → 減価償却未計上、あるいは評価損をしていない
  • 何年も前に購入した投資有価証券、会員権などが取得時の簿価のまま計上されている → 評価損を計上していない

このように、

  • もしかしたら回収できるかも
  • もしかしたら在庫が掃けるかも
  • 取得した固定資産を今すぐ時価評価しなくても別にいいかも

などといった感じで、なんとなくそのまま記載されている決算書の数字がどこの企業にもあると思います。

こうした決算書に記載されている数字と実態と異なる数字について、銀行は独自に実態修正を行っており、修正後の数字を元に融資の可否を判断しています。

そのため、決算が黒字でも「貸借対照表を実態修正すると実質債務超過状態だから融資できない」と判断する事はよくあります。

実質債務超過の詳しい解説は別記事の「実質債務超過とは?債務超過との違いを具体例を元に解説」をどうぞ。

ちなみに、銀行が債務超過の企業の融資に消極的になる理由を知りたい方は別記事の「債務超過でも新規融資を受けることはできる?【状況次第】」をどうぞ。

粉飾決算を疑われている

銀行融資を受けやすくするために、本来は決算があまり良く無いないのだけど、少しでも良く見せるために数字を少し調整するというケースは比較的よく見かけます。

貸し手である銀行もこのことを十分理解していますので(というより常に警戒している)、どのように数字を調整すれば黒字に見せかける事ができるのか?という、粉飾を見抜くためのノウハウがあります。

そのため、いくら決算書が黒字でも、過去の決算と照らし合わせて辻褄が合わない部分が出てきたり、不自然な部分が出てくると、「この企業は決算を粉飾している可能性が高い」と確信を持たれ、融資を渋られてしまいます。

ですので、もし「ウチは粉飾決算なんて絶対していないけど、この部分を粉飾と疑われているのでは?」といった自覚が少しでもあるようでしたら、不信感を払しょくするためにも、銀行に対してきちんと説明するようにしましょう。

資金使途を疑われている(資金使途違反)

以前受けた融資について資金使途を疑われていると、決算が黒字でも銀行は新規融資に消極的になります。

よくあるケースは次のとおりです。

  • 運転資金が必要だから融資して欲しい → 貸付金が増加し、迂回融資を疑われている(関係会社・経営者個人に対する貸付がある)
  • 設備投資を行うから融資して欲しい → 運転資金として使ってしまった
  • 受注が見込めそうだから運転資金を融資をして欲しい → 実は赤字の穴埋めだった

こうしたことが後で発覚すると、黒字でも融資を受けれません。

保証付融資で資金使途違反が発覚すると今後の保証は絶望的に

信用保証協会の保証付融資で融資を受けている場合、問題はさらに大きくなります。

融資の審査を行っている銀行は、融資先企業の資金使途違反を断定したら、その情報は信用保証協会に通知されます。

信用保証協会に通知されると、資金使途違反を犯した企業は「資金使途違反を犯した企業」という情報が記録されてしまい、今後、保証を受けれなくなりますので、資金使途違反だけは気を付けましょう。

決算書には記載されていない問題がある

決算が黒字でも、審査の段階で次の事が発覚すると融資を断られることがあります。

  • 税金・社会保険料が未納・滞納している
  • 融資を受けて(過去現在、及び他行含む)遅延・延滞した履歴がある

税金・社会保険料については、「税金・社会保険料を滞納したら借入できない?【プロパー以外なら可能】」でも解説しているとおり、滞納の度合いによって、必ずしも断られる訳ではありませんが、審査にマイナスなのは間違いありません。

また、過去現在含め、借入金の返済状況がよくないと審査にマイナスです。

決算が黒字なのに銀行に融資を断られた時の対処法1つ

最後に、決算が黒字なのに銀行に融資を断られた時の対処法を1つ紹介します。下記のとおりです。

  • 事業計画を提出して再び申し込む

上記のとおりです。

事業計画を提出して再び申し込む

「決算が黒字にもかかわらず融資を断られているのに、事業計画を提出したところで銀行は融資してくれることなんてあるの?すでに断られているのに無駄なのでは?」と思われるかもしれません。

でも、銀行融資は一度断られても再び依頼する事ができますし、しかも再審査で融資が通ることが少なくありません。

明確な資金使途違反を犯している場合、今後の融資は絶望的ですが、そうでない場合、例えば、次のようなケースで断られたのであれば、事業計画を作成する事で融資が通る事があります。

  • 黒字の幅が小さい → 経営改善計画、実施計画を記載する。
  • 決算書の数字と実態が異なっている → 実態に修正する。
  • 粉飾を疑われている → 疑われそうな部分を書面できちんと説明する。
  • 決算書には記載されていない問題がある(税金・社会保険料の滞納、返済の遅延・延滞履歴がある)→ 分納の応諾を頂いている。返済計画を作成する。

決算が黒字で融資を断られるということは、銀行に何らかの懸念を持たれているからこそ融資を断られる訳です。

銀行に懸念を持たれないよう、事業計画を作成し、懸念をもたれそうな部分をきちんと状況説明して、わずかな懸念でも払しょくするように努めましょう。

まとめ

以上、【銀行融資】決算が黒字なのに融資を断られた!断られる理由と対処法について解説しました。

おわり。

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