取引先が倒産して売掛金が回収不能!連鎖倒産を回避する資金繰りと制度融資を紹介

取引先が倒産して売掛金が回収不能に!入金をあてに資金繰りを組んでたのに、このままだと資金ショートを起こしてウチまで連鎖倒産するよ…。

今月はなんとか回ると思うけど、来月以降は正直資金繰りがもつかどうか分からない。

今後、どうやって運転資金を確保すれば良いのか教えて欲しい。

この記事では、こういった疑問にお答えします。

目次

取引先が倒産したら運転資金の確保が最優先課題

取引先が倒産して、予定していた売掛金の入金が回収不能になったら、真っ先に考えるべき事は運転資金の確保です。

運転資金を確保できないと資金ショートを起こし、連鎖倒産しますので、まずは「いかに運転資金を確保するか?」ということを最優先に考えて行動を起こす事が重要です。

取引先が倒産した時に運転資金を確保する4ステップ

売掛金が回収不能という事実が分かった時の対策を4ステップで解説します。上から順に行動すると良いです。

  • 資金繰りを精査する
  • メインバンクに運転資金の相談をする
  • 連鎖倒産を防止する制度融資(セーフティネット)を申込む
  • 緊急時の資金繰りを実行する

上記のとおりです。

資金繰りを精査する

予定していた売掛金の入金がなくなって、すぐにでも運転資金を確保するために銀行に相談したいと思うかもしれませんが、まずは資金繰りの精査を行うことが重要です。

  • 月内、翌月、再来月以降の入出金の洗い出し
  • 今後の入出金がどのように変化するのか
  • このままの状態が続くと何時ぐらいに資金ショートしそうなのか

現状の資金繰り実態を把握するためにも、資金繰りの精査は必要です。

資金繰り表は銀行に提出を求められることになる

資金繰りを精査しない状態で銀行に相談に行っても、「資金繰り予定を教えて下さい(売掛金が未回収となった実態を反映した資金繰り表を提出して欲しい)」と言われるだけなので、焦って駆け込んでも無駄足を運ぶだけです。

そればかりか、「資金管理すらロクにできない企業」というマイナスイメージしか与えませんので、焦って相談してもプラスになる事はありません。

焦りたくなる気持ちは痛い程理解できますが、まずは資金繰りを精査する事が重要です。

メインバンクに運転資金の相談をする

資金繰りを精査したら、予定していた売掛金の入金が未回収となった事実をメインバンクに伝え、今後必要となる運転資金の融資を依頼しましょう。

取引先の倒産というネガティブな情報は、本来あまり伝えたくないと思うかもしれませんが、取引先が倒産したという事実はいずれ銀行にバレます。

どうせバレるのですから、早めに「回収を予定していた売掛金が回収不能となったので、その穴埋めをするために運転資金が必要になった」ということをメインバンクに相談しましょう。

銀行に相談する際、精査した資金繰り表を元に、次のような流れで相談すると良いです。

  1. 取引先の倒産で回収不能となった金額
  2. 取引先の倒産で今後の資金繰りはどのように変化するか
  3. 取引先の倒産で今後の業績はどのように変化するのか(売上・利益)
  4. 克服するためにどのような対策を行っていくのか

言うまでもありませんが、これらの情報はすべて書面に記載して提出するようにしましょう。

「取引先が倒産した。資金が足りないから融資して欲しい」といった相談の仕方だと、銀行にネガティブな印象を与えるだけになってしまいますが、

今後どのように資金繰りや業績が変化するのか、どのような対策を行うのかを銀行に明示する事で、ネガティブな印象をやわらげることができます。

連鎖倒産を防止するための融資(セーフティネット)を申込む

取引先の倒産が原因で急きょ運転資金が必要になった時に対応した融資制度が2つあります。

信用保証協会と日本政策金融公庫のセーフティネットは、利用可能な事業者に下記2つの共通点があります。

  • 倒産した取引先に対して50万円以上売掛金債権等を有している中小企業者
  • 倒産した取引先に対する取引規模が20%以上である中小企業者

しかし、信用保証協会のセーフティネット保証制度を利用するには、本店所在地の市町村でセーフティネットの認定を受ける必要があります。

制度の詳しい内容はリンク先のサイトをご確認下さい。

緊急時の資金繰りを実行する

手元資金がどうしても足らず、しかも銀行や政府系金融機関からの融資が間に合わないような場合、通常の資金繰りで支払いを行うと資金ショートを起こします。

このような時は緊急時の資金繰りを実行して、資金ショートを回避します。

緊急時の資金繰りは「銀行融資を断られたら一刻も早くやるべき6つの事!現状把握から資金繰りの見直しについて解説」でも解説しているとおり、

支払いに優先順位をつけて優先順位の高い順から支払いを済ませ、優先順位の低い支払いは支払いの減額、あるいは一時的にストップするなどして対応することをいいます。

具体的な支払いの優先順位は次のとおりです。

  1. 手形支払い
  2. 従業員の給料
  3. 取引先の支払い
  4. 事務所維持費(必要最低限)
  5. 税金・社会保険料
  6. 銀行返済

運転資金の確保がどうしても間に合わない場合、緊急時の資金繰りを実行して資金繰りを回すようにしましょう。

取引先が倒産して資金不足に陥らないようにするための予防策2つ

起こってしまった事は仕方がないとはいえ、またいつ取引先が倒産して、資金不足に陥ってしまうかわかりません。

完璧に回避することは難しいので、将来、取引先の倒産による資金不足に陥る事がないよう、予め予防策を講じておきましょう。

予防策は2つあります。

  • 経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)に入っておく
  • 取引先の与信管理を強化する

上記のとおりです。

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)に入っておく

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)は、毎月5千円~20万円の範囲(5千円単位)で掛金を支払う事で、万が一、取引先が倒産した時にすぐに借入ができる制度です。

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)は、取引先事業者が倒産した際に、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度です。
無担保・無保証人で掛金の最高10倍(上限8,000万円)まで借入れでき、掛金は損金または必要経費に算入できる税制優遇も受けられます。

出典:制度の概要|経営セーフティ共済(中小機構)

ちなみに、取引先が倒産しなくても当面の事業資金を必要とする場合は「一時貸付金の借入れ」を行う事ができます。

もし、解約するような場合も、掛金を12か月以上払っていれば掛金総額の8割以上が戻り、40か月以上払っていれば掛金の全額が戻ってきます(12か月未満は掛け捨てとなります)。

メリットは大きく、デメリットは少ないので万が一に備え、経営セーフティ共済に入っておくのも一つの方法です。

取引先の与信管理を強化する

取引先企業の信用度を定期的に調べて、取引限度額をどれぐらいまで設定すれば良いか、管理するようにしましょう。

取引先企業の信用度をチェックする方法は、以下3つの定量的な情報をもとに判断するのが一般的です。

  • 決算書
  • 調査会社の信用調査レポート
  • 過去の取引状況

定量的なデータの他にも、つぎのような定性的な情報も積極的に取得しておくと事が重要です。

  • 取引先に出入りしている営業の方からの情報
  • 他社の営業マンからの情報
  • 直接、取引先企業に訪問した際の社内の雰囲気(社長、経理、社員の態度など)

こうした情報は定期的に取得するようにして、常に情報をアップデートするようにしましょう。

自社で与信管理を行うのは難しい場合、与信管理をアウトソーシングしてしまうという方法もあります。

詳しくは「取引先の与信管理・請求・回収を「掛払い.com」で一括管理【未回収リスク回避】」をどうぞ。

まとめ

以上、取引先が倒産して売掛金が回収不能になった時の連鎖倒産を回避する資金繰り方法と、連鎖倒産を防止する制度融資を2つ紹介しました。

おわり。

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