金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)の改訂

2009年12月4日、中小企業金融円滑化法が施行されましたが、同日、金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)(以下、「マニュアル別冊」)が改訂され、公表された日でもあるのです(即日適用)。

「中小企業金融円滑化法が施行」というニュースが目立ってしまい、マニュアル別冊が改訂された事が目立たなくなってしまいましたが、実はこの日にマニュアル別冊が改訂されていたのです。

約1年前にも(2008年11月)、マニュアル別冊は改訂されていますが、今回、金融円滑化法を受け、さらなる内容の緩和に踏み切りました。いったいどのような内容になったのか、解説していきます。

金融検査マニュアルとは、金融庁が金融検査のためにマニュアルとして整備・公表したものです。分かり易くいえば、「銀行等が融資をする際に守らなければならないルールブック」と説明したほうが分かり易いと思います。

「不良債権」該当基準のさらなる緩和

前回(2008年11月)、不良債権該当基準が大幅に緩和されたのが記憶に新しいですが、今回のマニュアル別冊改訂で、さらなる緩和に踏み切りました。

いったいどれぐらい緩和されたのでしょうか?

主な改訂は以下のとおりです。

  1. 実抜計画の作成に1年間の猶予
  2. 会社が作成した計画ではなく、金融機関が作成した資料であっても実抜計画とみなす
  3. 中小企業が今後、資産売却予定や、諸経費削減の予定等がなくても技術力や販売力等があり、経営改善が見込める場合
実抜計画とは、「実現性の高い抜本的な経営改善計画」、略して「実抜計画」。ジッパケイカクと発音します。マニュアル別冊の改訂によって、新しく使われるようになった言葉です。

上記だけではちょっとピンとこないかもしれませんので、改訂の内容について、個別に解説していきますね。

実抜計画の作成に1年間の猶予

借り手である中小企業が、実現可能性の高い抜本的な経営改善計画を策定していない場合でも、貸出条件変更を行った日から最長1年以内に経営改善計画を策定する見込みがある時は、貸出し条件変更を行った日から最長1年間は不良債権に該当しないものと判断して差し支えない。と、記載されています。

今まで、リスケジュールの交渉の際に、経営改善計画書の提出を求められていましたが、今後、即時提出する必要がないという事になります。(1年以内に計画を提出すればよい)

という事は、金融機関の方が貸出先の中小企業に「経営改善計画はそのうち作成します」と言われてしまったら、不良債権に該当しないという事になります。

会社が作成した計画ではなく、金融機関が作成した資料であっても実抜計画とみなす

中小企業が経営改善計画を策定していない場合、借り手である中小企業の実態に即して、金融機関が作成した資料が策定されていれば、実現可能性の高い抜本的な計画とみなして差し支えない。と記載されています。

要するに、金融機関が策定した経営改善計画があれば策定する必要がないという事になります。

中小企業が今後、資産売却予定や、諸経費削減の予定等がなくても技術力や販売力等があり、経営改善が見込める場合

これに関しては、具体的な基準が記載されていないため、コメントを控えさせていただきますが、不良債権緩和基準がここまで緩和されるようですね。

技術力や販売力をどこまで評価してくれるのか、全く分からないですが、少しは中小企業の助けになるのでしょうか・・・

 

以上、今回はマニュアル別冊の改訂について3点だけお話させていただきましたが、ほかにも改訂された事がたくさんあります。

全てをお話しするとキリがないため、3つに絞ってご紹介させていただきました(関心が多いであろう点を考えてお話してみました)。

もし、「改訂の内容を全て把握したい」とお考えの方や、お時間に多少の余裕がある方は、金融庁が公表している金融検査マニュアル別冊を読んでみてはいかがでしょうか?

73ページあるので、読むのが大変かと思いますが、きっとあなたの役に立つはずです。パソコンでは読みにくいと思いますので、印刷して読む事をお勧めします。
金融庁金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)

事例なども記載されているのでお勧めです。

もし、金融機関交渉が難航しそうな時は、マニュアルを読んで知識を吸収してから交渉に挑みましょうね。きっと、「読んでおいてよかった」としみじみ思う時がくるはずです

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている