リスケジュールという選択が必ずしも最良の​選択とは限らない

ここ半年ぐらい、「リスケジュールしようと思ってます。」という方からのご相談をよく受けます。

昨年ぐらいまでは、すでにリスケジュール済みの方からご相談をいただくことが殆どだったので、なんとなく新鮮な感じがします。

半年、若しくは1年ぐらいの期間、元本返済を猶予してもらえれば約定弁済に戻せる見込みが高い場合、リスケジュールする事は良い選択だと思います。しかし、そうでない場合、リスケジュールしても良い結果にならない事が少なくありません。

リスケジュールの落とし穴

リスケジュールすれば元本弁済が猶予され(約定弁済の〇割~ゼロ円)、減額された元本と金利の返済だけになりますから、元本が減額された分、資金繰りは楽になります。

リスケジュールは資金繰りが改善されるというメリットはありますが、格付けが下がる事により新規融資が難しくなるというデメリットも出てきます。とはいえ、返済が難しくなった企業は金融事故扱を回避する事ができるため、信用を維持する事ができますから、メリットは大きいように見えます。

これらのことから、一見するとリスケジュールという選択肢が合理的な判断に見えるかもしれませんが、経営改善が思うように進まず、売上が徐々に逓減してくると、金利を払い続ける事が重荷になってきます

リスケジュールは更新する度に苦しくなっていく

もちろん、半年、1年程度のリスケジュールでしたら、そこまで気にしない方が殆どですが、2年、3年とリスケジュールを更新していくうちに、

  • 元本は全く減らない
  • リスケジュールの手続き費用が無駄
  • 借りれないのに保証料の支払いが毎年発生する

という事に気づくようになり、だんだんと嫌気がさしてくるようになります。

実際、3年、4年とリスケジュールしている方からお話を聞いていると、殆どの方が「金利だけ払い続けても元本が全く減らない。このままリスケジュールを続けても 資金繰りが苦しくなる一方」と答えます。

こうしたお話が出る度に、私は必ず「返済を止めて、代位弁済させた方が楽ですよ。」とお伝えするのですが、そこで直ちに返済を止める方は非常に少ないです。

金利ストップの選択をする人は極めて少ない

実際どれぐらい少ないのかといいますと、資金繰りの状態にもよりますが、だいたい100人に1~2人ぐらいしかいないのでは?と推察されます。残りの99~98名の方は、再度リスケジュールという選択をします。

 

よくあるやり取り

数年前にご相談を頂いた方から久しぶりにご相談を受けると、殆どの場合で、次のようなお話を聞くことになります。

「初めてお会いした時に、支払い止めた方が早いですよ。って言ってましたが、あの言葉が今になってすごく腑に落ちます。
結局、利息を払い続けても、苦労しただけで何も変わりませんでした。変わったことがあるとしたら、余計に苦しくなっただけです。あの時、思い切って決断しておけば、金利で払った分が手元に残っていたはず・・。」

「なるほど。まあ、そうですよね・・。でも、すぐに決断する人なんて殆どいませんよ。」

金利を払い続けても根本的な解決にはならない

実際、今月の上旬ぐらいに、2名のご相談者様と前述のようなやり取りがありました。

この2名のご相談者様。仮に、Aさん、Bさんとします。

Aさんは、毎月80万円の金利を3年半近く支払い続けてます。
リスケジュール期間、払い続けてきた金利は80万×42ヵ月=3,360万円です。

Bさんは、毎月120万円の金利を4年間払い続けてます。
リスケジュール期間、払い続けた金利は120万×48ヵ月=5,760万円です。

私は、AさんとBさんから定期的に、「500万・1,000万で良いから貸してくれるところは無いか」というご相談を受けていましたが、返済を止めていれば借りる必要も全くなく、普通にキャッシュフローで回っていた。という事が容易に想像つきます。

返済を早く止めてしまえば、その分資金繰りが楽になるにもかかわらず、止めることができない理由があり、AさんとBさんは長年金利を払い続けてきたのです。

支払いを止めれない3つの理由

返済を止め、金融事故扱いになると、

  • クレジットカードが使えなくなる
  • 手形を振り出すことができなくなる
  • 銀行融資が絶望的になる

という問題が発生します。

前述のお2人は、この3つの問題が発生するため、止めたくても止めることができない。と私に言いました。

まあ、言いたい事はわかるのですが、私の感覚から言わせてもらえば、クレジットカードが使えなくなる」という問題も、必ずしもカードが止まるという事もありませんし、(カードの銘柄次第)

「手形を振り出すことができなくなる」というのも、

  • 掛けによる取引に切り替えてもらうよう交渉する
  • ↑を断られたら、前金、保証金を差し入れると持ち掛ける(金利の分があまるので、そのお金を保証金として差し入れる)

といった交渉で切り抜けられます。

また、「銀行融資が絶望的になる」というのは、すでに借りれない状態が続いている訳ですから、今更心配しても全く意味が無いです。

こうした説明をご相談を受ける度に何度も何度も繰り返し説明したのですが、「これだけは困る」と言われ、 今でも高い金利を払い続けているのです。(120万払っていたBさん、最近、止める決断をしました)

これからリスケジュールをしようとしている方や、リスケジュールの更新をしようとしている方、こうしたお話が少しでも参考になれば幸いです。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている