【取引データに着目したオンラインレンディング】トランザクションレンディングの仕組みの解説とサービス比較

今回は、AI(人工知能)を活用した融資の一つである、「トランザクションレンディング」について、解説していきます。

トランザクション・レンディングとは

トランザクションレンディング(Transaction Lending) とは、プラットフォームを運営する事業者(ECモール、ネット決済代行、クラウド会計ソフト等)が持っている取引データ(売上実績)を元にAI(人工知能)が審査を行い、融資をする仕組みのことをいいます。

取引データ(売上実績)という客観的なデータを元にして「利率」と「貸出限度額」を判断するため、決算書の提出を必要としない場合が殆どです(決算書の提出を求めてくる事業者もあります)。そのため、融資審査期間が非常に短いのが特徴です。

トランザクションレンディングとは、
トランザクション(Transaction)=処理、売買、
レンディング(Lending)=貸し出し、融資、
という意味です。

プラットフォーム運営事業者がサービス提供している

トランザクションレンディングはプラットフォーム運営事業者がプラットフォームを利用する企業・個人事業主に対して行なう融資です。代表的なプラットフォームは下記のとおりです。

  • ECモール(楽天、Amazon、MakeShop)
  • ネット決済代行システム(Paypal、Coiney、Square、GMOイプシロン 、ゼウス)
  • クラウド会計ソフト(freee、MFクラウド、弥生会計)

また、銀行と提携してサービスを提供している事業者もあります。

 

トランザクションレンディングと一般的な融資の違い

一般的な法人向け融資は、決算書の提出や来店による面談が必要となり、審査にも時間がかかります。

トランザクションレンディングは、プラットフォーム利用時に蓄積された取引データを元に、どれぐらい売上があるのか、売上の伸び率はどうか、顧客の評価はどうかというデータをもとに、AIが審査を行います。

下記記事でAI融資について説明していますが、トランザクションレンディングの大枠はAI融資という事になります。

【ネットで完結するオンラインレンディング】AI(人工知能)による審査はスピーディで利便性が高い

2018.02.21

 

トランザクションレンディングのメリット

審査が早い

トランザクション・レンディングは一般的な銀行融資と比べると審査が非常に速いです。最短で申し込み当日に審査結果が出る場合が殆どなので、急な資金ニーズに対応できます。

決算書などの書類が不要

トランザクションレンディングは、取引データという客観的なデータをすでに保有・把握しているため、融資の申込時に決算書の提出を必要としていない事が殆どです。そのため、資料を作成・揃える必要はありません。

銀行に融資を申し込む際、決算書や試算表、資金繰り表等の提出を求められたりしますが、トランザクションレンディングはこれらの資料を必要としません。そのため、書類関係の手間は大幅に削減されます。

無担保・無保証

トランザクションレンディングは無担保・無保証です。日々蓄積されていく取引データは信頼性が高いため、対象企業の正当な評価が実現できます。そのため、担保や保証人に頼らない融資を実現できるのです。

融資を行う貸し手側にも有利なトランザクションレンディング

トランザクションレンディングは融資を行う貸し手側にもメリットがあります。それは、日々蓄積されていく取引データが実質的な担保となり、日々の売上から融資額の返済が行われるからです。

貸し手は常に融資先の売上をモニタリングできるため、返済遅延が発生した場合、売上から回収する事ができるので、回収不能になる恐れが非常に低いです。仕組み的に、売掛金担保融資に近いですね。

 

トランザクションレンディングのデメリット

プラットフォームを利用していないと申し込めない

トランザクショレンディングのデメリットは殆どないのですが、唯一あるとしたら、プラットフォームを利用していないと申し込めない。という点です。

そのため、プラットフォームを利用せず、集客からシステム構築まで全て自社で行なっている会社はプラットフォームへの参加・利用を検討する必要があります。若しくは、会計ソフトをクラウドに切り替えるか。という事になります。

 

トランザクションレンディングのサービス比較

サービス名 限度額 借入利率  審査期間 担保・保証人 決算書
amazonレンディング 5,000万円 8.9% ~ 13.9% 最短5営業日 不要 不要
楽天スーパービジネスローン 3,000万円 3.0% ~ 15.0% 最短翌日 ※1 原則不要 必要(2期分)
レンディング・ワン 1,000円 1.0%~18.0% 最短当日 不要 不要
GMOイプシロン トランザクションレンディング 300万円 4.5%~13.5% 最短翌日 不要 不要(例外有)
GMO-PG トランザクションレンディング 2億円 2.0%~12.0% 最短3営業日 不要 不要
Partnersローン 3,000万円 2.0%~14.9% 最短当日 不要 不要
ファストパス 1,000円 5.0%~12.5% 最短当日 不要 必要
CAMPFIREレンディング 100万円 8.0%〜15.0% 不要 必要

※1 法人の場合は代表者の連帯保証が必要な場合があります。
※2 CAMPFIREレンディングは、クラウドファンディングの実行者が申し込めるサービスです。

 

まとめ

AIを活用した融資は少額融資が殆どですが、トランザクションレンディングはAI融資と比べると金額が大きいものがあります。GMO-PG(ペイメントゲートウェイ)トランザクションレンディングは最大2億円です。

サービス提供事業者も増加傾向にあり、また、地方銀行もプラットフォーム事業者と提携し、トランザクショレンディングに参入してきています。

今のところ、少額融資はAI審査、大型融資は人の審査という棲み分けができていますが、近い将来、大型融資もAIによる審査にとって代わる時代が来るかもしれませんね。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている