債務超過を解消するにはどうすれば良い?負債を時価評価する事で早期解消が可能

  • 資産を時価評価したら大幅な債務超過になってしまった。このままだと倒産するしかないのかな?
  • 資産価値が減少して債務超過になったのに、資産を取得した時の借入は全額返済しなければならないのかな?
  • 債務超過で銀行融資が厳しくなるなか、債務超過状態から脱するのに何十年もかかるよ。何か方法はないのかな?

この記事では、こういった疑問にお答えします。

債務超過が原因で倒産する事は無い

債務超過状態にある方からご相談を受けると、「ウチは債務超過だから倒産するしかないですよね。」という質問をされますが、債務超過が原因で倒産する事はありません。

毎月の営業収支が赤字で、事業を続ければ続ける程キャッシュが流出してしまうような状態であれば、間違いなく倒産しますが、毎月の収支がトントン、若しくは黒字であれば、債務超過だからといって倒産するような事はあり得えません。

債務超過でも、資金繰りが回っている間は倒産する事は無いのです。

 

債務超過によるデメリット

ただし、いくら倒産しないとはいえ、債務超過状態を放置しておくと以下のような悪影響を及ぼしてしまうので、債務超過状態を解消するに越したことはありません。

  • 銀行や政府系金融機関からの融資が難しくなる
  • 取引先からの与信が悪化する。

銀行や政府系金融機関からの融資が難しくなる

債務超過状態に陥ると、銀行や政府系金融機関からの借入が難しくなります。

銀行との付き合いの度合いや今後の仕事の受注度合いなどによって、必ずしも断られる訳ではありませんが、銀行や政府系金融機関は基本的に債務超過状態の企業に対して、積極的に融資をしようとしません。

例えば、営業収支がトントンぐらいで着地した状態で、金融機関に新規融資の依頼をしたとします。その時、債務超過状態だと断られる確率が高くなります。

  • 資産超過→融資を応諾してもらいやすい
  • 債務超過→謝絶の可能性が高まる

ですので、債務超過になってしまったらできるだけ早く、債務超過状態を解消する努力をする必要があります。

取引先からの与信が悪化する

掛による取引をする際に、取引先から決算書の提出を求められ、決算書の内容で与信枠が決められたりする場合が少なくありませんが、この時、債務超過状態だと与信が悪化するのは間違いありません。

掛による取引を断られるか、あるいは保証金を積まない限り掛による取引は不可能になる可能性が高いです。それだけならまだしも、「キャッシュオンデリバリー以外NG」という悪条件になるか、最悪、「取引自体がNG」となる可能性もゼロではありません。

ですので、なるべくなら、債務超過を解消したいところではあります。

 

債務超過を解消する一般的な方法

債務超過を解消するには、どのような方法が考えられるでしょうか。一般的には、以下2通りの方法が考えられます。

  • 遊休資産を売却し、売却代金を負債に充当
  • 事業を立て直し、利益を出して自己資本を増やす

遊休資産を売却し、売却代金を負債に充当

事業で使っていない遊休資産を売却し、売却代金を負債の返済に充てる事により、少しでも負債を減らし、債務超過状態を回復させるという方法です。遊休資産なら事業とは無関係なので、資産があっても無くても経営に影響はありません。

ただし、インパクトが薄い場合が殆ど

遊休資産を売却する場合の多くは、時価評価が下落した時に売却されることが多いため、資産売却のインパクトが少ないケースが殆どです。

含み益があるという事であれば債務超過解消に寄与しますが、そうしたケースは稀で、ほとんどの場合で大幅な下落をした時に売却するのが通常です。

つまり、遊休資産を売却しても債務超過が解消されるケースは多くないのです。

事業を立て直し、利益を出して自己資本を増やす

事業利益を増やすことにより自己資本を増やし、債務超過状態を解消する方法です。

利益を出すという事は事業を継続していくうえで当然ではありますが、利益を積み上げて自己資本を増やすというのは、言うは易く行うは難しだと思います。

そもそも論として、利益を積み上げて自己資本を増やす事ができているのであれば、債務超過になる可能性は低いです。もちろん、利益を増やすという事は常に念頭に置かなければならない事ではあるのですが、実現可能性で言えば低いと言わざるを得ません。

 

負簿を簿価ではなく時価に修正することで債務超過解消を早期に実現

それではどうすれば、債務超過の解消を早める事ができるのでしょうか。見出しにも記載しているとおり、負債を簿価ではなく時価に修正する事により、債務超過の解消を早める事が出来るのです。

負債の時価評価の具体例

例えば、負債総額を100とし、年間で2の返済しかできない場合、負債を全額返済するには50年かかる計算になります。

50年後の将来なんて想像つきますか?
恐らくつかないと思います。そもそも、先の事なんて誰にも分りません。

この時、債権者と交渉して「10年間、2の返済を続ける」という交渉をします。
2の返済を10年続ければ、20の返済ができる計算になります。
100ある負債総額のうち、20の返済をすれば、残りは80になります。

この80の部分に関しては、債権者側で処理してもらうのです。

つまり、負債を時価評価する事により、100を全額返済しなくても、債務超過を解消する事ができるのです。

あまり表に出ないだけで普通に行われている

「このようなケースは特殊なケースだから、どうせうちには当てはまらない」と思うかもしれませんが、このような例は珍しい事でも何でもなく、普通に行われている事です。

ですので、負債を額面どおり受け取って、「債務超過解消に○十年かかる」等と考えてもあまり意味がありませんので、「資産価値が下落して債務超過になったのであれば、負債も現在の時価に修正すれば債務超過を解消できるのでは?」という思考に切り替えた方が得策だと言えます。

 

まとめ

以上、債務超過を早期に解消する事ができる、負債の時価評価というケースについて解説しました。

利益を出して自己資本を増やすという考えも間違っていませんが、債務超過の度合いによっては、債務超過解消に何十年もかかるケースがあり、そうなると現実的ではなくなるので、負債を時価評価し、圧縮した方が債務超過解消も早期に実現できるようになります。

もちろん、簡単ではありませんが、こうした解決方法があるという事を覚えておきましょう。

負債を時価評価する他に、以下のように第二会社方式を使うという方法もあります。

第二会社方式による事業再生とは?概要から成功のポイント、失敗例などについて解説

2017.11.21

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている