再生はスピードが命!決断が早ければ選択肢は多いが、決断が遅いと選択肢は少ない

「スピード」というと、かつてのIT企業がよく使っていた言葉のような響きがありますが、事業再生においても「スピード」が命です。

  • 素早く経営危機を察知し
  • 素早く対処する

この2つが備わっていると、最小限のダメージで立て直すことが可能となります。

念のため言っておきますが、「早めの対応」と煽って、相談料を取ろうなどと考えている訳ではありませんからね。

基本的にどこの事業再生コンサルタントに相談しても、「早めに対応して下さい」と言われるとは思いますが、なぜ、そこまで「早めに」拘るのかこれから解説していきますね。

 

なぜ、早期対応が必要なのか

経営危機を早期にキャッチする事が出来ると、対応策はたくさんありますが、傷んでから対応すると、打てる手立ては少なくなってしまいます。

苦しいレベル 対応策の数
なんとなく資金繰りが苦しい気がする 10
若干資金繰りが苦しくなってきた 5
銀行に融資を断られた 4
資金繰りのめどがまったく立たない 2
明日にも資金ショートする 1

ある程度の資金を保有している段階で問題に気づけば、様々な施策を打つ事が出来ますが、問題を先延ばしにしてしまい、苦しくなってから着手すると、打てる手立てがどんどん限定されていってしまいます。ですから、事業再生はスピードが命なのです。

そもそも、事業再生は金がかかる

事業再生はどうしてもお金がかかります。これは再生のコンサルタントに依頼せず、自分で何とかしよう動いたとしても、お金は必ずかかるのです。

例えば、第二会社方式(会社分割・事業譲渡)で負債の圧縮・カットを考えた場合、これを実行するには手続きのお金が必ず必要になります。弁護士や司法書士に払う手続き費用、新会社設立費用(主に印紙代)等、身内を使って第二会社方式を検討するときは、必ずと言っていい程、設立費用が必要になります。

設立費用の他、第二会社の運転資金も必要になりますので、やはりお金があるに越した事はありません。

また、法的再建の道を選択した場合、民事再生による事業再生を進める事になりますが、民事再生もタダではできません。裁判所への予納金、弁護士への手続き費用など数百万円の費用がかかってしまいます。資金があればこうした手続きの可能ですが、資金が無ければ絵に描いた餅で終わります。

ですから、会社から現金が消えてなくなってしまう前に 早めに対処したほうがよいのです。

資金が無くなった状態であれこれ考えても絵に描いた餅

まれにですが、かなりの窮地に陥ってから「民事再生を検討している」「第二会社方式を検討している」などと相談される事がありますが、なけなしの状態でこのような事を考えても机上の空論で終わる場合が殆どです。

とはいえ、最悪、お金がスッカラカンになったとしても生き残る方法はゼロではありませんから、 諦めないで下さい。

 

再生に着手する判断基準

経営危機を察知するといっても、どうやって判断したらよいか分からない。という意見があると思います。

それはそうです、いくら「早めに対処」と言ったところで、その「早めの基準」が分からなければ抽象的過ぎて、何を言っているのか分かりにくいと思います。そこで、あなたの会社の経営危険度を測定するために以下の指標を求めます。

債務償還年数

この「債務償還年数」とは、企業が有利子負債(借入金)を全額返済できるまでに、何年かかるのか?という指標です。簡潔に言えば、返済能力を示す指標となります。

有利子負債(借入金)÷(営業利益+減価償却費)

という計算式で求めることができます。

判断基準としては、10年が目安です。10年を超えたら、いろいろと今後の対応策を考えなければなりません。今すぐどうこうなるような数字ではありませんが、債務償還年数が10年を超えると、金融機関は融資の申し込みに対してかなり消極的になります。

消極的になるという事は、融資が出ない可能性がありますので、早めに対処したほうが良いのです。

実務上、中小企業の多くは10年を超えている場合がかなり多く見られますから、10年を超えていても融資を受ける事はできますが、20~30年という数字が出てきてしまったら、早急に今後の身の振り方を考えるべきです。

いろんな選択肢を選べるうちに対応したほうが後々楽だと思いますから、そのために素早く対応したほうが良いのです。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている