返さなくて良いですよと債権者に言わせるのが事業再生のキモ

私は、2009年から事業再生に関する様々なお話をブログに掲載しています。最近、ブログをリニューアルしたのですが、その際に、システムアップデートがうまくいかなかったので、記事の大部分はコピペで移動しました。

そのため、過去に書いた記事のほぼ全てが「2013年」という日付が記載されてます。でも、実際の作成日は2009年や2010年が殆どです。時間がある時に修正しようと思います。初めて見る方が混乱するかもしれないので

たまにですが、私のブログを読んで、極端な解釈をされる方がいるので、一応、私のスタンスをお伝えしておきます。

私の負債に関する基本的な考え方として、「借りた金を返さなくて良い」という考えはありません。ブログの過去記事を読んでいれば、そのように解釈されそうな表現をしている部分もあるかもしれませんが、基本的な考え方としては、「借りた金は返す」というスタンスです。

面談でお会いした方に、「これは放置しておいても大丈夫ですよ」と言う事がありますが、これは、捕らえ方によっては「借りた金は返さない」というように解釈されてしまう事もありますが、実はそうではなく、「借りた金は返す」のです。

 

事業再生は借りた金は返すのが基本です。

それでは、負債を全額返すのか?と思われるかもしれませんが、そうではありません。「今の経営状態で返せる範囲内で返す」という事なのです。

えっ、結局同じことなのでは?と思う方もいるかもしれませんが、厳密には全く異なります。なんとなく似たような感じがするかもしれませんが、実は、全然違うのです。

払える範囲内で払えばよい

具体的には、資金繰りが苦しくなって、借りた金が返せなくなったとします。「これ以上返せないから、ほったらかしにしよう。」という事ではダメなのです。「今はこれしか払えないので、できる範囲内で返していきます。」というスタンスが正しいのです。

似たり寄ったりじゃないか!と思われるかも知れませんが、全然違います。

前者はただのバックレであり、債権者を完全に無視しているわけです。ですから「借りた金は返さない」というスタンスです。でも、後者は、できる範囲内で「借りた金は返す」というスタンスです。ですから、債権者へのアプローチが全く異なるのです。

返さなくて良いですよと債権者に言わせるのがキモ

具体的な例を出しましょう。1億円の負債があると仮定します。

1億円の残債に対して、会社が生み出す利益は毎月10万円だとします。という事は、年間、120万円の返済原資があるという事になります。では、1億円返すのに、いったい、どれぐらいの月日を要するでしょうか。

電卓で計算したら、約83年でした。

83年。正直なところ、債権者もそんなに待ってくれません。せいぜい待ったところで、10年、15年というところでしょうか。80年も待つ債権者などいる訳ありません。

たいていの場合で「80年も待つ事はできない。」と債権者に言われる事になるのですが、ここからが非常に重要なポイントとなります。このような状況になると、「返せる範囲内で返してくれれば良い」と債権者の方から歩み寄ってきます。この、返せる範囲内とは、10年・15年といった、債権者が待つ事ができる範囲になるのですが、この部分については、待ってくれると歩み寄ってくるのです。

では、返せない範囲についての取り扱いはどうなるのでしょうか?

当然、回収が不可能となるのですから、諦めてもらうほかありません。でも、これらはこちらから切り出すのではなく、債権者に「債権放棄します」と言わせるのです。

債務者である企業や経営者のスタンスは常に「借りた金は返します」というスタンスなのですが、金を貸した側である債権者に働きかける事によって、「返さなくていいですよ」と言わせるように働きかけるのが、あるべきスタンスだと私は考えています。

こんなやりとりをイメージしてもらえれば、分りやすいかと思います。

債務者:
「何年かけても、借りたお金は頑張って返していきます。ですから、暫くの間は月々○○円の支払いでお願いします。」

債権者:
この会社からは○百万円の回収が限界だな。そんなに手間かけたくないし。

「社長、○○万円を払ってくれれば、後はもう良いですよ。残りの部分に関しては、債権放棄しますから。」

と、あくまでも相手に言わせるのがキモなのです。

 

まとめ

私のブログ等を読んで、耳触りの良い文章だけを採択して行動を起こす方もいらっしゃいますが、言葉尻だけを解釈しても、うまくいくのは難しいです。債権者に「返せなくても良いですよ」というように働きかけるのが事業再生のキモとなるのです。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている