負債が多いと事業再生は難しい?負債の多寡と再生の難易度は無関係

  • ウチの会社は負債が多く、負債総額は売上と同じぐらいあるから再生するのは難しいよね。
  • 営業利益は出ているけど、金利負担が重くて結局赤字になってしまう。
  • 負債を減らす事ができれば再生できると思うのだけど、何か方法があるなら知りたいよ。

この記事では、こういった疑問にお答えします。

負債が多いから再生が難しくなるという事は無い

結論から言うと、負債が多いから再生が難しくなるという事はありません。負債に関して、以下のようなイメージを抱いている方が少なく無いですが、

  • 〇負債が少ない→再生しやすい
  • ×負債が多い→再生が難しい

負債の多寡によって、再生が難しくなるというのはあまり関係ありません。
逆説的に感じると思いますが、負債が多ければ多いほど、再生はやりやすいのです。

負債が多い方が債権カットをしやすいので再生しやすい

なぜ、負債が多い方が再生しやすいのか、それは、負債が多い方が債権カットをしやすく、負債が少ないと債権カットが難しいからです。

この事については、以下の記事で解説していますので参考にして下さい。

負債の金額が少ないと、債権カットの交渉が難しいという「債権放棄のパラドックス」

2013.07.17

再生しやすいかどうかの判断は、負債の多寡よりも利益が出ているかどうかが重要

事業再生を考える上で、負債の多寡で再生可能かどうかを判断するのは難しく、再生できるかどうかの判断は、事業で利益が出ているかどうか。という部分が非常に重要なのです。

例えば、「営業利益が出ているが、負債が多く、年間の利払い負担が大きいため、結局、毎年の経常損益が赤字になってしまう」というケースであれば、負債をカットする事ができれば経常利益は黒字になります。

しかし、いくら負債が少なくても営業利益を出せなければ、再生するのは非常に難しいです。

ですので、再生できるかどうかの判断は、あくまで「事業自体に利益獲得力があるかどうか」という事にかかっているのです。

これは事業再生の本質といえます。負債がいくらあっても、事業自体が黒字であれば、その会社が倒産する事はあり得ません。

 

簡単に答えが出るケースと再生が難しいケース

難しいようで、簡単に答えが出るケース

それでは、ご相談事例を交えながら解説していきます。例えば、年商と負債総額がほぼ同額になってしまったという以下のようなケースがあるとします。

  • 年商20億近くあったが、外部環境の悪化により年商10億前後に半減した。
  • 最盛期には5億の売上があったがリーマンショック後、売上は下降の一途を辿り、今では1億前後まで下がってしまった。

このような状況の方からご相談を受けると、「負債が多くてとにかく大変」というお話をよく聞きます。

現況を詳しくヒアリングすると、概ね以下のような回答が返ってくる場合が殆どです。

  • 営業利益はなんとかギリギリ出ていますが、金利負担が多過ぎて、金利の分は個人の金で補填してます。
  • 売上は半減しましたが、事業規模に合わせてリストラしたので、営業利益はなんとか黒字です。

こういうケースでしたら、負債を適正な額までカットする事ができれば、事業再生に向けて進む事が可能。という結論を出しやすいです。

本当に再生が難しいケース。

しかし、営業利益がマイナスの場合、再生は難しくなります。

コストカットや、原価の見直し、営業の見直し等に着手する事により、営業利益が黒字転換すればよいですが、限界ギリギリまでコストカットに着手し、従業員全員が普段よりもめちゃくちゃ営業を頑張ってくれても、営業利益を出す事ができない。といったケースは再生は非常に難しいものとなります。

このようなケースは事業自体が赤字なのですから、負債の多寡は殆ど影響を及ぼしません。

いくら負債をカットしたところで、赤字補填のための借入を起こさないと資金繰りが回らないですから、事業を継続するために資金調達が必要となります。資金調達すればするほど赤字補填の借入が膨れ上がりますので、このようなケースは再生が難しいです。

また、こういったケースはスポンサーの協力を得難いので、スポンサーによる再生や、M&Aによる再生も難しいです。

赤字部門の売却は実現可能性が非常に低い

2013.06.06

 

まとめ

以上、負債が多いと再生は難しい?負債総額と売上が同じぐらいあっても再生は可能という事について解説しました。

どんなに負債が多くても、事業自体に利益獲得力があれば再生は容易です。でも、肝心の事情自体に利益を獲得する能力が無ければ、再生する事はできません。

ですので、「うちの会社は負債が多いからもうダメだ」という考えは意味が無く、見るべきポイントは、事業自体の利益獲得能力の有無となるのです。

再生の難易度については、負債の多寡よりも事業規模が大きなウエイトを占めています。以下の記事でも解説していますが、事業規模が小さいと売上減少によるダメージが大きいため、再生は難しいです。

事業規模が小さいと事業再生は簡単?【結論:個人・零細企業の方が難易度は高い】

2013.07.12

 

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