取引先に支払いができない!どうすれば良い?注意点や対応方法を解説

資金繰りが厳しくて取引先に支払いができない!

手元資金は多少残ってはいるものの、全ての取引先に支払うことはできないから、金額が小さいところは待ってもらい、大きいところから払っていった方が良いですよね?

どのように対処すればよいのか教えて欲しい。

この記事では、こういった疑問にお答えします。

目次

取引先に支払いができない時は小口債権から払う

事業を継続していると、当てにしていた売掛の入金が無くなってしまったり、当てにしていた融資が謝絶になったりすると、資金繰りの予定が大幅にズレてしまうことがあると思います。

資金の都合が付けば良いですが、どうやっても都合がつかない場合、資金ショートを起こし、取引先への支払いができなくなってしまいます。

買掛金のある取引先が1社しかなければ、話合いでなんとかなると思いますが、取引先がいくつもあり、買掛残も数万円から数百万円、1,000万円を超えるようなものまである場合、「どこから払っていけば良いのか?」という疑問が出てくると思いますが、

結論から言うと、債権者がたくさんいるような場合は小口債権から払っていった方が良いです。

理由は、債権者の中でも小口債権者が最も怖いからです。

小口債権者は怒りのボルテージが高い事が多い

例えば、次のような買掛残がある取引先が2社あるとします。

  • A社:1,000万円の買掛残
  • B社:10万円の買掛残

金額だけ見れば、1,000万円の買掛残のあるA社がもの凄く怒り、10万円の買掛残しかないB社は「10万ぐらいだから別に良いよ」とでも言ってくれると思うでしょうが、現実は逆です。

10万円の債権者が「金払えこの野郎!」と激昂し、1,000万円の債権者が「とりあえず起こった事は仕方ないので、今後のことはご相談に応じます。」と穏やかな話し合いになるケースが多いのです。

負債の金額と怒りのレベルは反比例の関係にある

負債前述の説明のとおり、負債が多い方が債権者の怒りのレペルは低い事が多く、負債が少ないほど、債権者の怒りのレベルは大きい傾向があります。

  • 負債が多い → 怒りのレベルは小さい
  • 負債が少ない → 怒りのレベルは大きい

つまり、負債額の大きさと怒りのレベルは正比例するのではなく、反比例の関係にあることが分かると思います。

取引先に支払いができない時の対応方法を債権額別に解説

取引先に支払いができなくなった時の対応方法を金額の大きい順に解説します。

  • 1,000万円を超える大口債権者
  • 数百万円の中堅クラスの債権者
  • 数万円~数十万円の小口債権者

上記のとおりです。

1,000万円を超える大口債権者

1,000万を超えるような大口債権者は「回収不能」という事実が判明した際、あまり怒らない傾向があります。

感情的になるような事は少なく、

  • なぜ、払えなくなってしまったのですか(どのような原因なのか)?
  • 何時ぐらいに、払えそうですか?

というような感じで、冷静に状況を聞こうとするケースが多いです。

1,000万を超える大口債権ともなると、債務者を無闇に追い込んでしまうと、1円も回収できなくなる恐れが出てきます。

そうなると、被る被害も甚大ですから、比較的穏やかな話し合いで落ち着くケースが殆どです。

数百万円の中堅クラスの債権者

数百万単位の中堅クラスの債権者の取扱いは、気をつけなければなりません。

取引先の規模や平均月商にもよりますが、例えば、150万~200万ぐらいの債権となると、頑張れば払えそうな金額だけに、ちょっとボタンを掛け違うと怒りのトリガーを誘発する事にもなりかねません。

そのため、このクラスの債権者の取扱いは、常に神経を張り巡らす事になります。

数万円~数十万円の小口債権者

実務上、最も警戒しなければならないのが小口債権者です。

大口債権者よりも、買掛残が数万円程度の小口債権者のほうが回収も荒っぽく、怒りのボルテージがもの凄く高い事が多いです。

支払いが順調だった時は「〇〇社長」と呼んでくれていた方も、支払い不能となった際に「お前」に変わったりする事もあります。

お前ぐらいなら可愛いもので、人によっては「ふざけんなこの野郎」という荒っぽい言葉になるのも、たいていが小口債権者です。

執拗においかけてくるのも大抵は小口債権者

言葉が荒っぽくなるだけならまだしも、小口債権者は、かなり執拗に追いかけてきます。「払えない」という事実が判明してから、毎日のように訪問してくる債権者もいます。

とにかく、小口債権者の回収努力は半端ないので、手元資金が残って入れば、真っ先に払っておいた方が良いです。

筆者の体験談

2009年に筆者の義父の会社が倒産したとき、債権者が頻繁に回収にやってきました。

筆者は義父の会社の事務所によくいたため、いろいろな債権者を見ました。

事務所に置いてあった筆者のパソコンや、筆者の妻のパソコンを持っていこうとした方もいました(少しでも換金したいと言ってました)。

また、筆者と仲良くしていた某取引先の担当の方は、連帯保証もしていない筆者に「瀬間さん、今、財布にいくら入ってますか?立て替えてくれないと、会社に帰れないんです」などと言ってきました。

この方とは少し仲が良かっただけに、軽くショックを受けました。

他にも、一週間近く、家の近くのコンビニの駐車場で張り込んでいた方もいました(さすがにこれは社員の方が気の毒だと思いました)。

この会社の買掛残は25万前後だったと記憶してますが、朝8時半ぐらいから夕方4時ぐらいまでビッチリ張り付いてました。

筆者が妻と2人でコンビニに買い物に行くと、行動を監視されたりしてました。

基本、我々は無関係なのですが、相手はそうは思ってくれないようで、「コンビニでのんきに買い物しやがって!」、「倒産したくせに、新車(妻の車)を乗り回しやがって!」ぐらいの勢いで、私達を見ていました。

これは筆者と妻の思い込みではなく、やんわりとですが、この方から似たような事を直接言われたりもしました。

たった一週間で、人間の顔つきはあそこまで変わるのかと、当時、妻と関心したものでした。ビックリするぐらい、顔が荒んでました。

取引先に支払いができない時にやってはいけないこと

取引先に支払いができなくなった時にやってはいけないことは下記1つです。

  • 説明責任を果たさずに逃げる(バックれる)

上記のとおりです。

説明責任を果たさずに逃げる(バックれる)

支払いができないというバツの悪さから、積極的に連絡しようとせず、当日になって「支払いができない」という連絡をしたり、支払日の翌日に連絡するというケースを目にしますが、支払いが遅れそうな時は、数日前に連絡するのは最低限のマナーだと思います。

支払いができないという連絡を取引先にするのは、「とてつもなく言い難い」気持ちも理解できますが、先方様も資金繰りの予定というものがあります。

逆の立場で考えれば分かると思いますが、予定していた入金が遅れてしまうと、気分の良い事ではないことはもちろん、先方様の資金繰りを調整するための時間を奪う事になります。

そうなると、怒りの感情を高めるだけですので、必ず、数日前には連絡するようにしましょう。

もし、「支払いが遅れるという事を電話で伝えるのが気が重い」という事であれば、文書にして今後の支払予定や、支払いの見通しなどを記載し、FAXやメールで連絡する等して、必ず数日前には連絡するようにしましょう。

まとめ

以上、取引先に支払いができない時の注意点や対処法にについて解説しました。

債権の総額と怒りのレベルは反比例の関係にあるため、買掛残が多いところを優先するのではなく、買掛残が少ない取引先から先に支払ってから大口債権者に事情説明をしたり、今後の支払いについて相談するようにしましょう。

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