取捨選択の決断が早ければ早いほど、取り戻すのは早かったりする

昨日、出張から家に戻っている途中、ご相談者様から連絡がありました。

社長

瀬間さん、ご無沙汰してます!
 
どうでも良い話かもしれませんが、ワシもようやくドイツ車の新車を買えそうですわ。

筆者

えっ、ホントですか?
それは良かったですね!

社長

なんだかんだで3年以上辛抱しましたわ。

筆者

そうですね。あれから3年半近く経ちましたね。
ほんとうに良かったですね!

この方と初めてお会いしたのは2010年の秋頃だったと記憶しています。

大口取引先の倒産、取引量の減少など、急激な業績悪化に見舞われ、資金繰りが悪化してしまい、今後の資金繰りを相談したいという事で、ご連絡頂きました。

私の初見の見立てでは、

  • 元金ゼロ+金利のみのリスジュール
  • 個人の住宅ローンのリスケジュール

などの施策で毎月150万近い支払いを圧縮できるので、3ヶ月間の資金繰りは確保できたものの、最低でもあと20万円は切り詰めないと、半年後に資金がショートしてしまう状況。

筆者

社長、あと20万円程コスト削減できませんか?
これだと回っていかないですよ。

社長

20万か。
なんとかならない事も無いけど、車を処分すればなんとかなるな。

筆者

なるほど。車ですか。
ちなみに、毎月の維持費はどれぐらいかかってますか?

社長

そうやな~、毎月の支払いが25万ぐらいだったかな。
 
あと、ガス代が毎月5万ぐらい。駐車場はタダやから、毎月30万弱やな。

筆者

なるほど。けっこうかかってますね。

業績が良い時は支払いも気にならないと思いますが、業績が悪化し、資金繰りが厳しくなると、毎月30万円の負担は重くのしかかってきます。

車の維持費が削減できれば良いですが、営業で使用しているため、車が無いと営業活動ができなくなります。維持費の安い車に乗り換える事ができれば…。

社長はしばらく黙った後、膝をポンとたたき、私にこう言いました。

社長

よっしゃ、車は今月中に処分して、中古の軽自動車に乗り換えるしかないわ。
 
今は事業と生活の確保が最優先!
瀬間さん、ワシ、この車もう諦めますわ。
早よ復活して、新車買うたりますわ!

筆者

えっ、本当ですか。

社長

背に腹は変えられん。
もうかなりの距離乗ってるし、不恰好やけどしゃーないですわ。

車の処分に対して即断即決な方もなかなか珍しいですが、この方はスグに決断され、翌月には軽自動車に乗り換えました(翌月、写真を見せてもらいました)。

あれから、3年半。

資金繰りの悩みから解放されたので、仕事に集中し、営業の種をひたすら撒き続けてきました。

昨年、撒き続けた営業の種が徐々に芽が出て花が咲きだし、元金の返済も始めるようになりました。約定にはまだまだ戻せませんが、毎月数十万円の元金弁済をはじめました。

このままうまく行けば、1年半後には、約定弁済に戻す事ができそうです。

弁済の目処が立ってきたので、今年になって、ようやく新車を買えるまでになったのです。

社長

3年半でようやくですわ…。
もう、ベ〇ツはゲンが悪いので止めときますわ。
瀬間さんと同じ車種にしますわ(笑)

筆者

そこはべ〇ツで良いんじゃないんですか?(笑)

電話口から社長の元気そうな様子が伺えました。

最近、奥さんとどの車種にするか、ショールームへ行ったりして、検討しているようです。

目次

捨てる決断が早ければ、戻ってくるのも早かったりします。

車に限らず、不動産、高額嗜好品等など、苦渋の決断で一度は手放したものの、長い年月をかけて取り戻したという例は、枚挙にいとまがありません。

一度は自宅を手放したものの、買い戻された方も少なくありません。

もちろん、競売で自宅の立ち退きを余儀なくされた方もいますが、生活を立て直し、今ではタワーマンションに住んでいる方もいます。

手放したくないものもあるでしょうが、一旦、手放して身軽になると、戻ってくるのもそう遠くないと思います。

もちろん、諦めてしまったら戻ってくる事はありませんが、「いつかなんとかしてやる!」と思いながら動いていれば、意外となんとかなるものです。

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