第二会社方式などで旧会社の事業実態が無くなった場合、決算は必要なのか?

第二会社方式などで既存事業を新会社に移すような手法をとる際、「旧会社の決算はどうしたらよいですか?」というご質問をよく受けます。

旧会社に事業実態があるような場合はもちろん決算はしなければなりませんが、事業実態がほとんど無いような場合、例えば、売上の計上や経費の支払いがほとんど無く、債務処理のために存続するような会社の場合であっても、決算はしなければならないのでしょうか。

売上や支払いが少しでもあるなら、決算は必要

「決算しなければならないのか、決算しなくても良いのかは、会社の状態による」という事になります。

事業実態が無いということは、売上と支払いが全くない状態ですから、普通に考えると「決算する意味あるの?」と思われるかもしれません。でも、いくら売上と支払いが全く無いと言っても、税務署への申告義務は当然ありますから、決算はしなければなりません。

事業実態が無いのに「決算に費用を掛けたくない」思われるかもしれませんが、こればかりは仕方がありません。

事業実態が無いのに決算に費用を掛けたくない

ご自身で決算申告ができれば気にならないと思いますが、書類作成が面倒な場合、専門家に作成をお願いする事になると思います。売上・経費がゼロであれば、作成費用も安くやってくれると思います。

しかし会社が存在している限り、いくら事業実態が無いとはいえ、毎年、決算の手間と費用が発生する事になります。売上がゼロでも法人が存在している限り税金が発生しますからね…。

事業実態が無いのに、毎年決算をするのは面倒だと思います。この余計な手間をどうにか排除する方法はないものでしょうか。

 

残念ながら、会社が存続している限り決算義務は残る

事業実態が無いとはいえ、会社が存続している限りは決算報告の義務は残ります。「売上と利益がゼロなのに決算するのは面倒」と思われるかもしれません。

しかし、いくら事業実態が無いとはいえ、法的には会社が存続しているのですから、決算の義務は残されてしまいます。

売上と経費がゼロであれば、当然、利益がありませんから法人税はかかりません。しかし、法人が存在している限り、均等割りはどうしても発生してしまいます。

 

全く費用を掛けたくなければ、「休眠届」を提出するという選択肢がある

事業実態が無く、均等割りも払いたくないという事であれば、「休眠の届出」を提出するという選択肢が残されています。

ただ、税理士の先生に聞く限りでは、「実際に免除されるかどうかについては、地方税法に「免除」という規定が無い事からもケースバイケースになる」という回答が返ってくる場合が殆どでした。

なので、休眠の届出を提出する際に、税務署・都道府県税事務所に相談した方が早そうです。

休眠届の提出方法については、税務署・都道府県税事務所、顧問税理士の先生にお問い合わせください。

 

休眠状態のメリット・デメリット

休眠状態のメリット

  • 会社を解散するよりも費用や手間がかからない
  • 会社が必要となったときに、すぐに再開できる

休眠状態のデメリット

  • 休眠状態でも申告義務は残る(ご存じだと思いますが、青色申告は2年連続申告期限を守らないと取り消されます)
  • 事業実態が無いとはいえ、一定期間が経過すると役員変更の登記手続きが必要となります。怠ると過料(罰金)が課せられます。

 

結論

第二会社方式などの手法を用いて、旧会社の事業実態が無くなった場合、売上と経費の支払いが無くなる場合が殆どです。やる事と言えば、清算業務がほとんどです。しかし、法的には会社が存在しているのですから、決算義務だけは残ってしまいます。

会社を残す必要が全くないという事であれば、清算・解散した方が良いですが、「もしかしたら復活させるかもしれない」という事であれば、休眠の届け出をしておくのが良いと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている