民事再生によって負債がカットされれば、それで事業は成り立つのか?

またしても民事再生のお話なので、ちょっとうんざりするかもしれませんが、非常に大事な事だと思いますので、お付き合いいただければと思います。

 

取引先の協力が得られなければ、再生は非常に難しいです。

ある日、あなたの会社の元へ、裁判所から「民事再生手続き決定通知」が届いた時の事を想像してみて下さい。封を開けて書類を見てみると、申立権者は大口の取引先名の記載があります(あまり想像したくないと思いますけど)。

その通知を見たら、あなたはどう思いますか?

「民事再生したのか、へ~。」などと軽く受け流せるでしょうか。「ふざけんなバカヤロー」と思うか、「一言相談ぐらいしろよ!」と思いますよね。大抵の方がそう思うと答えてますし、私もそう思ってます。

では、その会社から、取引を続けて欲しいと言われたら、どう思いますか?

 

「前と同じ取引条件でいいよ!」って言ってあげれますか?恐らく「さすがにそれは無理だ」と思ったのではないでしょうか。もちろん、現金取引であれば、あまり気にならないでしょうが、掛け売りでの取引を希望していたら、あなたは応じる事ができますでしょうか。

恐らく、腰が引けるのではないかと思います。

数万円とかであれば、気にしないかもしれませんが、数百万、数千万単位であれば、二つ返事で答える事ができなくなりますよね。

それが普通です。

あなたがそう感じたように、たいていの方が、そう思っています。

 

そもそも、「民事再生」という言葉のイメージは全然良くありません。

民事再生=倒産と思っている方も、世の中たくさんいらっしゃいます。

大手と企業に取引口座がある方ならすでにご存知だと思いますが、再生手続開始決定を受けた時点で、取引停止になります(だいたい、契約書に書いてあります)。

取引先の多くが中小企業で、取引のほとんどが口約束という事であれば、契約上の取引停止にはならないと思いますが、商品を掛けで卸してくれなくなったり、仕事を振ってくれなくなったり、実質的な取引停止を余儀なくされます。

安易に民事再生をかけてしまい、取引先に手を引かれてしまったら、再生どころの話では無くなってしまいます。負債がカットされても、仕事が無ければ何の意味もありません。取引先に手を引かれてしまったら、その時点でアウトなのです。

負債がどうなろうが、この部分には一切関係がないのです。

 

法の下には安全が担保されます。ただし、回収行為のみです。

民事再生の手続きを開始すれば、法的には安全なのかもしれません。

抜け駆け的な回収等も起こりませんし、債権者平等のもと、裁判所がきちんと監督してくれますから、法的には安全だと思います。でも、それは金融債権者の事情であって、取引先はそうもいきません。

金融債権者は、債権の取り扱いが法の下に平等に扱われますから、債権者は安心するかもしれません。民事再生を申し立てた会社も、ある意味で安全が担保されていると思います(強制執行停止などがあります)。

しかし、事業が安全なのかというと、それは別の話です。その部分に関しては担保されません。というより、担保しようがありません。取引先の感情まで裁判所が監督できるわけがありません。

仮に、一部の取引先が残ってくれたとしても、積極的な協力はほとんど期待できないです。

実際、取引先が民事再生を申請し、取引しているというところもありますし、そういう経営者の方からお話をよく聞きますが、口をそろえたかのように「仕方なく付き合っている」と言います。仕方なくという事は、積極的に応援してくれているという事ではありません。

民事再生の現実は、非常に厳しいものです。

このような実情を踏まえると、のっけから民事再生を選択するのではなく、あらゆる手を尽くし、全く調整できないという時の最後の手段だと言わざるを得ないのです。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている