今日のお昼にテレビを見ていたら、「粉飾決算の疑いで強制調査」というニュースが目に入りました。

「粉飾」というニュースを見る度に必ず思い出してしまう方がいます。
仕事柄、これまで何度か「実は、粉飾しているのです」という方にお会いした事がありますが、そこまで記憶に留まるようなものではありません。正直、軽いお化粧程度の事ならどこでもやってますし、それに、多少粉飾しているような会社もたまに見かけますから、驚くような事でもありません。
面談の際に、「実は、粉飾しているのです」とか言われても、「なるほど、そうなんですか。」ぐらいで話は終わってしまいます。でも、私がいつも思い出してしまう方は、二重帳簿とかそういうレベルの話ではないので、強烈な印象が残っているのです。
私が「粉飾」というキーワードでいつも思い出してしまう方。それは、決算書を3つも作成していた企業があったのです。
決算書を3つ作成して粉飾していた企業があった
決算書を3つ用意していた理由としては、取引銀行が3行あり、資金調達をしやすくするために各銀行に提出するための3種類の決算書を用意していました。これは何も別会社があるとかそういう訳でもなく、一つの会社に決算書が3つあったのです。これだけではありません、まだあります。あともう一つ問題があったのです。
本物の決算書は存在していなかった
この3つの決算書は全て偽りの数字であり、実態を知りたいと思い、「本物はどれですか?」と聞いたところ、「いや~、本物というのは存在しないんですよ」と言われました。
気持ち良いぐらい清々しく、そしてまるで他人事のように社長はハッキリとそう答えました。
社長が堂々としている一方、その隣に座っていた社長の奥さんは、
- 家を競売にかけられるのではないか、
- 口座を止められるのではないか、
- 詐欺で訴えられてもおかしくないのでは?、
等といろいろと気に病んでいる姿が、とても対照的に見え印象的でした。
深刻そうにしている奥さんに悪いと思ったのですが、さすがにちょっと笑ってしまいました。笑ってはダメだと思ったのですが、さすがに我慢できませんでした。
本物の決算書が無いなんて、そんな事今まで聞いた事が無かったので、強烈な印象が残っているのです。
あの社長は今でも元気にしているのかな。
テレビやニュースで「粉飾」って聞くと、いつも思い出してしまうのです。
もう一つ印象的だった事があります。相談中に夫婦喧嘩が始まってしまったのですが、喧嘩の最中に社長が、「九州男児は細かい事は気にせんばい」と言っていたのがこれまた印象的でした。この一言が火に油を注いでしまったのは言うまでもありません。
