銀行融資の指標「実質自己資本」を分かりやすく解説【基礎知識】

資金調達
  • 「実質自己資本」って何?自己資本なら分かるけど、自己資本とどう違うの?
  • 言葉の意味や計算方法、この数字を銀行がどう判断するのか、分かりやすく教えて欲しいよ。

この記事では、こういった疑問にお答えします。

自己資本と実質自己資本の違い

実質自己資本を理解してもらうために、自己資本と実質自己資本の違いから解説していきます。

  • 自己資本とは
  • 実質自己資本とは

上記のとおりです。

自己資本とは

自己資本とは、貸借対照表の右下にある部分のことで、出資したお金やこれまで積み上げた利益の合計額、つまり、返済義務のないお金の事を指します。

自己資本の計算方法

  • 自己資本 = 資産 - 負債

実質自己資本とは

実質自己資本とは、自己資本に役員借入金(代表者が会社に貸しているお金)を加えて算出した合計額の事を指します。

実質自己資本の計算方法

  • 実質自己資本 = 自己資本 + 役員借入金(代表者が会社に貸しているお金)

自己資本に役員借入金をプラスする理由

自己資本に役員借入金をプラスして資本金のような扱いにする理由は、代表者が会社に貸すお金というのは、返済義務が無いからです。

例えば、会社が金融機関から借入を起こす場合、返済義務がありますから、決められた期日に返済しなければなりませんが、会社が代表者から借入を起こす場合、返済義務が無い事が一般的です。

中小企業は代表者や代表者一族が100%株式を保有しているケースがほとんどなので、会社に返済する資金が無ければ代表者に返済しないのが一般的です。

実際、会社にお金を貸している方なら分かると思いますが、会社に貸したお金は「資金的な余裕がある時にいくらかでも返してもらえば良い」と考えるのが殆どだと思います。

つまり、会社が代表者からお金を借りるといっても実質的な懐は同じなので、銀行は自己資本に代表者からの借入が増加することで実質的に資本金が増加したとみなし、実質自己資本として考慮するのです。

 

銀行に実質自己資本を評価してもらうポイントは1つ

銀行は役員借入金を資本金が増加したとみなし、実質自己資本として評価してくれますが、単純に役員借入金が計上しているだけでは、銀行に評価してもらえません。

役員借入金を実質自己資本として評価して貰うにはポイントが1つあります。

  • 貸借対照表の勘定科目に役員借入金と表示する

上記のとおりです。

貸借対照表の勘定科目に役員借入金を表示する

役員借入金を実質自己資本として評価して貰うには、貸借対照表の長期借入金の勘定科目に、金融機関借入と分けて、個別に「役員借入金」と表示するようにしましょう。

長期借入金の勘定科目に金融機関借入と分けて表示しておかないと、融資担当者に伝わらないことがあります。

伝わらなければ、返済義務があるただの「借入」として判断されてしまうので、必ず表示するようにしましょう。

よくある悪例

中小企業の決算書を見ると、役員借入金と分けて表示せずに、以下の勘定科目に合算計上しているケースをよく目にします。

  • 短期借入金に合算して計上している(←特に最悪)
  • 長期借入金に合算して計上している

トータルの数字は正しいとは思いますが、銀行融資対策としてはかなりお粗末です。

借入金の内訳が勘定科目明細書に記載されるとはいえ、勘定科目だけ見て判断されたらそこで終わりです。

かならず長期借入金の勘定科目に「役員借入金」と分けて表示するようにしましょう。

 

実質自己資本に関するよくある疑問

最後に、実質自己資本に関するよくある疑問をご紹介します。

  • 銀行は融資審査で必ず考慮してくれるの?

上記のとおりです。

銀行は融資審査で必ず考慮してくれるの?

全ての銀行が融資審査で実質自己資本を考慮する訳ではありません。

融資審査にスコアリングを導入している場合、実質自己資本を考慮されず、決算書上の数字、つまり自己資本の数字で審査される場合もあります。

 

まとめ

以上、銀行が融資を検討する際に重視している指標、「実質自己資本」の計算方法や考え方について解説しました。

おわり。

 

 

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