銀行融資のリスケ中でも可能な資金調達方法5選

銀行融資のリスケ中でも可能な資金調達方法5選

リスケ期間中、銀行/公的機関からの融資が期待できないので、リスケ中でも可能な資金調達方法があれば教えて欲しいです。

本記事では、こういった疑問・要望にお答えします。

本記事の内容
  • リスケ中でも可能な資金調達方法5選
  • リスケ中に資金調達する時の注意点3つ
  • リスケ中に資金調達する時のよくある質問

なお、本記事の筆者は、2009年から現在まで中小企業の資金繰り改善コンサルタントとして活動しており、年商数百万の個人事業主から年商10億円以上の企業まで、幅広く対応してきました。

こういった経験をもとに、本記事では、リスケ(リスケジュール)中でも可能な資金調達方法5選を紹介していきます。

銀行/公的機関からの融資をリスケすると、今後の新規融資は期待できません。

全く不可能になる訳ではありませんが、業績が上向かない限り、即答で謝絶されるのが実情です。

しかし、銀行/公的機関以外であれば、リスケ中でも資金調達可能です。

本記事では、リスケ中の資金調達方法に加えて、注意点なども解説していきますので、資金調達方法をお探しの方はぜひ参考にしてみてください。

それでは早速、リスケ中でも可能な資金調達方法5選を紹介していきます。

目次

リスケ中でも可能な資金調達方法5選

リスケ中でも可能な資金調達方法5選は下記のとおりです。

  • ビジネスローン
  • ABL(売掛金担保融資・動産担保融資)
  • トランザクションレンディング
  • 不動産担保ローン
  • ファクタリング

上記のとおり。

ビジネスローン

ビジネスローンは事業資金専用のローン商品のことで、中小企業や個人事業主が利用できます。商品によっては「事業者ローン」とも呼ばれます。

詳しくは別記事の「ビジネスローンとは?特徴や種類、注意点を徹底解説」をどうぞ。

ビジネスローンの種類2つ

ビジネスローンは下表のとおり2種類あります。

銀行ビジネスローンノンバンクビジネスローン
借入限度額1,000万円~1億円300万〜1,000万円
金利年2.0%~14.0%前後年6.0%~18.0%
審査厳しめ緩め

銀行ビジネスローンは銀行や信用金庫・信用組合がサービス提供しているビジネスローンです(ノンバンクが保証しています)。審査は厳しいですが、借入限度額が高いです。

ノンバンクビジネスローンは、信販会社・消費者金融・ビジネスローン専門会社がサービス提供しているビジネスローンです。審査は緩めですが、借入限度額が低く、高金利です。

ノンバンクとは、預金業務を扱わない金融機関のことです。

銀行融資より金利は高いけど使いやすい

ビジネスローンは銀行融資と比べて高金利ですが、銀行融資よりも審査条件は緩やかです。審査も早く、最短当日で資金調達できるので使いやすいです。

ちなみに、ビジネスローンは法人と個人事業主では利用できるサービスが異なりますので、個人事業主の方はお気を付けください。

詳しくは下記記事をどうぞ。

ABL(売掛金担保融資・動産担保融資)

ABL(Asset Based Lending)とは、流動資産担保融資の意味で、売掛金や商品在庫等といった流動資産を担保に融資を受ける資金調達方法です。

ABLは銀行/公的機関で扱っていますが、使い勝手が悪く、積極的に取り組んでいる訳ではないので、実際に利用する場合はノンバンクのABLがおすすめです。

ABLの種類

ABLは下記2種類あります。

  • 売掛金担保融資 → 売掛金を担保に融資を受ける
  • 動産(在庫)担保融資 → 商品在庫や機械設備・車両などを担保に融資を受ける

実務上、動産担保融資はほとんど使われないので、実際に利用するとなると売掛金担保融資になります。

ABL(売掛金担保融資)の注意点

ABL(売掛金担保融資)の注意点は下記8つあります。

  • 個人事業主は利用できない
  • 年商規模が小さいと利用できない
  • 売上の回収サイトが短いと利用できない
  • 取引先数が少ないと利用できない
  • 特定の取引先に売上が依存していると利用できない
  • 申し込みから融資実行まで1か月ぐらいかかる
  • 債権譲渡登記が必要
  • 業種によっては利用が難しい・利用不可の場合がある

ビジネスローンと比べて様々な制約があるので、少しでも興味がありましたら早めに仮審査だけでも申し込んでおくといざという時に安心です。

ABL(売掛金担保融資)は仮審査に1週間ぐらいかかります。

トランザクションレンディング

トランザクションレンディングとは、日々の取引データである銀行口座の入出金情報や売上データをもとにAI(人工知能)が審査を行い、借入条件を決定する融資形態です。

銀行融資のように人間が審査を行うのではく、AI(人工知能)が取引データをもとに審査を行うため、審査のスピードが早く、申し込みから融資実行まで一週間程度で完了します。

代表的なトランザクションレンディング

代表的なトランザクションレンディングは下記のとおりです。

GMOの決済代行加盟店、楽天グループの加盟店、弥生会計利用者であれば、トランザクションレンディングで資金調達できる可能性があります。

トランザクションレンディングの仕組みで審査を行う銀行ビジネスローン

ネット銀行が提供しているビジネスローンはトランザクションレンディングの仕組みで審査を行っています。

銀行が提供しているので、金利はノンバンクビジネスローンと比べて低めです。

不動産担保ローン

不動産を所有していれば、不動産担保ローンで資金調達可能です。

不動産担保ローンは、融資先企業の業績/財務内容よりも担保価値としての不動産に主軸をおいて審査するので、リスケ中でも不動産に担保価値があれば資金調達可能です。

銀行/公的機関が第1順位の抵当権を設定していても、不動産に担保価値があれば第2順位でも融資をしてくれる可能性があります。

資金調達できる金額

不動産担保ローンで資金調達できる金額は、不動産価値(不動産評価額)の約6~8割を掛け目として、担保評価の上限とするケースが多いです。

例えば、不動産価値が3,000万円と評価されたら、3,000万円の約6~8割を掛け目を上限に融資が実行されます。

1,800万円~2,400万円を調達できるイメージです。

不動産評価額はローンの申し込み先によって算出方法が変わる場合がほとんどなので、一律ではありません(ただ、大きく乖離することもないので、だいたい似通った評価額に落ち着きます)。

興味がありましたら、下記いずれかのローン会社に問い合わせてみてください。

詳しくは別記事の「ノンバンクの不動産担保ローン5選【法人・個人事業主向け】」をどうぞ。

不動産の流動性が低いと資金調達は難しい

不動産担保ローンは、万が一デフォルト(債務不履行)になった場合、競売による換価処分で融資金を回収するため、不動産の流動性が低いと競売にかけても回収不能に陥る可能性が高いので、僻地や過疎地の物件だと資金調達は難しいです。

再建築不可物件(新たな建物を建てらない土地)などもNGとなります。

ファクタリング

ファクタリングは、商取引で発生した売掛金(売掛債権)をファクタリング会社に売却して現金化する資金調達方法です。

一般的に、商取引で発生した売掛金は30日~60日近く待たなければ入金されませんがファクタリングを利用すると売掛金を即時現金化できます。

詳しくは別記事の「ファクタリングとは?仕組みや特徴、注意点を徹底解説」をどうぞ。

利用者の財務内容/信用力を問わずに利用できる

ファクタリングは融資ではなく売掛債権の売買なので、利用者の業績や財務内容、信用力は問われません。取引先の信用力が高ければ資金調達できます。

したがって、リスケ中はもちろん、赤字・債務超過、経営者の個人信用情報がブラックでも資金調達できます。

ファクタリングの契約方法は2種類

ファクタリングの契約方法は下表のとおり2種類あり、それぞれ手数料が異なります。

取引形態2社間ファクタリング3社間ファクタリング
契約当事者利用者・ファクタリング会社利用者・ファクタリング会社・取引先
手数料相場6%~18%1%~9%
承諾の有無不要必要
備考取引先に知られたくない場合に適用取引先に知られても構わない場合に適用

取引先の承諾を得るか得ないかで手数料料率は大きく変わります。

  • 取引先に知られたくない場合 → 2社間ファクタリング → 手数料が高い
  • 取引先に知られても構わない → 3社間ファクタリング → 手数料が安い

なお、ファクタリングの手数料は売掛債権を買い取ってもらう度に手数料がかかるので、資金調達コストが最も高いです。

年に数回利用する程度ならそこまで大きな負担になりませんが、毎月利用すると大きな負担になるので、利用する際は事前にシミュレーションされることをおすすめします。

ちなみに、下記ファクタリング会社は手数料が低めに設定されていて、いずれも最短即日で資金調達できます。

他にも、下記記事でファクタリング会社を紹介していますので、興味がありましたらぜひどうぞ。

以上、リスケ中でも可能な資金調達方法5選でした。続いて、リスケ中に資金調達する時の注意点を解説していきます。

リスケ中に資金調達する時の注意点3つ

リスケ中に資金調達する時の注意点は下記3つです。

  • 資金調達コストが高いので利益率が悪化する
  • 中途半端にリスケしているなら再リスケしてから
  • 税金・社会保険料の滞納に注意する

上記のとおり。

資金調達コストが高いので利益率が悪化する

どの資金調達方法も銀行/公的機関の融資と比べて資金調達コストが高いので、利用すると利益率は悪化します。

中途半端にリスケしているなら再リスケしてから

中途半端にリスケしている状態で資金調達するのは避けるべきです。

中途半端なリスケとは、元本0円や元本1万円 or 数万円などの条件変更ではなく、下記のように元本を返済しているケースです。

  • 約定返済の3分の1~5分の1など
  • 毎月何十万円も元本を返済している(500万円 → 70万円)

上記のように中途半端にリスケしている状態で資金調達しても、調達した資金の一部は銀行/公的機関の融資の元本返済に充当されてしまい、手元資金はすぐに枯渇します。

もし、現状で中途半端なリスケをしているなら、再度リスケを依頼してから資金調達した方が運転資金を有効活用できますよ。

税金・社会保険料の滞納に注意する

リスケ中に資金調達する時は、税金・社会保険料の滞納にご注意ください。

税金や社会保険料を滞納していると資金調達できないという訳ではありませんが、滞納していると資金調達の選択肢は減ります。

それに、調達できたとしても融資金の一部しか運転資金として使えなかったり、滞納の度合いによってはファクタリング以外の選択肢が無くなってしまうので、滞納には十分お気をつけください。

以上がリスケ中に資金調達する時の注意点となります。続いて最後に、リスケ中に資金調達する時のよくある質問とその答えを解説していきます。

リスケ中に資金調達する時のよくある質問

リスケ中に資金調達する時のよくある質問

  • 銀行/公的機関で融資を受ける方法はないのですか?
  • すぐに資金調達できますか?

上記のとおり。

銀行/公的機関で融資を受ける方法はないのですか?

リスケ中に銀行/公的機関から融資を受ける方法は一応あります。

代表的なところで、下記2つの保証制度が用意されています。

  • 経営改善サポート保証
  • 条件変更改善型借換保証

ただし、これらの保証制度は下記いずれかの支援を受けながら事業計画を策定する必要があるので、使い勝手が悪く、急な資金ニーズに対応できません。

  • 中小企業活性化協議会(旧称 中小企業再生支援協議会)
  • 経営サポート会議(金融機関を事務局とした支援の枠組み)
  • 認定支援機関

ですので、実際にリスケ中に資金調達するとなると、本記事で紹介している資金調達方法が現実的な方法となります。

すぐに資金調達できますか?

ノンバンクビジネスローン、ファクタリングであれば、最短即日で資金調達できますが、その他の方法は下表のとおり、ある程度時間がかかります。

ノンバンクビジネスローン最短即日
ABL(売掛金担保融資)初回は申し込みから実行まで約1か月
トランザクションレンディング初回申し込みは1週間程度
不動産担保ローン最短3営業日
ファクタリング最短即日

まとめ

以上、銀行融資のリスケ中でも可能な資金調達方法5選でした。

おわり。

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