ファクタリングをやめたい!【現役コンサルがやめ方を解説】

ファクタリングをやめたい!【現役コンサルがやめ方を解説】

ファクタリングをやめたいです。

買取手数料の負担が大きすぎて利益が残らないので、すぐにでもやめたいけど、やめたとたん資金ショートするからやめられないです。

やめる方法があれば教えて欲しいです。

本記事では、こういった疑問・要望にお答えします。

本記事の内容
  • ファクタリングをやめる方法4つ
  • ファクタリングをやめたい時のよくある質問

なお、本記事の筆者は、2009年から現在まで中小企業の資金繰り改善コンサルタントとして活動しており、年商数百万の個人事業主から年商10億円以上の企業まで、幅広く対応してきました。

こういった経験をもとに、本記事では、ファクタリングをやめる方法をまとめました。

売掛金をすぐに現金化できるファクタリングは資金調達が難しい企業にとって使い勝手の良いサービスですが、ファクタリングに依存すると資金繰り圧迫の原因になります。

圧迫する程度ならまだマシですが、高額な手数料のファクタリングを利用していると利益が残らず、早晩破綻します。

本記事は高額な手数料のファクタリングを利用しているお客様からの相談をもとに、現実的なやめ方を紹介していきます。

ファクタリングをやめたいとお考えの方の参考になれば幸いです。

それでは最初に、ファクタリングをやめる方法から解説していきます。

目次

ファクタリングをやめる方法4つ

ファクタリングをやめる方法は下記4つです。

  • 売掛金の入金を早めてもらう
  • 買掛金の支払いを遅らせる
  • ABL(流動資産担保融資)に乗り換える
  • 買取手数料の低いファクタリングに乗り換える

上記のとおり。

売掛金の入金を早めてもらう

取引先に交渉して売掛金の入金を早めてもらうことができれば、ファクタリングを利用しなくて済みます。

取引先が大手企業だとこの手の交渉は難しいですが、

  • 非上場の中堅企業
  • 業績好調の取引先
  • 付き合いが長い取引先

などであれば応じて貰える可能性があります。

実際、筆者のお客様から「売掛の支払いを早めて欲しいと相談したら応じて貰えた」というお話をよく聞きます。

売掛金の全額が難しければ、半額だけでも入金を早めて貰えばファクタリング利用が従来の半分で済むので、手数料負担は半減します。

買掛金の支払いを遅らせる

買掛金の支払いを遅らせることで、ファクタリングを利用しなくて済みます。

買掛金の支払いを遅らせる方法は2パターンあります。

  • 取引先と交渉する
  • 請求書カード払いで支払いを先延ばしにする

取引先と交渉する

取引先が大手企業だと交渉は難しいですが(余程の好材料でもない限り、取引条件が変わることが無いため)、

  • 非上場の中堅企業
  • 業績好調の取引先
  • 付き合いが長い取引先

などであれば、可能性はゼロではありません。

請求書カード払いで支払いを先延ばしにする

クレジットカード(個人名義のカード、もしくは法人カード)をお持ちであれば、請求書カード払いを利用すれば買掛の支払いを最大60日先延ばしできます。

カードの枠内であれば、取引先への支払いに使えます。利用にあたり3%~4%の手数料がかかりますが、ファクタリングと比べて負担が少ないです。

代表的なサービスは下記のとおりです。

  • :手数料4.0%、支払延長期間60日(クレジットカード老舗のクレディセゾンと共同運営)
  • :手数料3.0%~3.5%、支払延長期間60日(カード会社大手オリエントコーポレーションと共同運営)
  • :手数料3%、支払延長期間60日

詳しくは別記事の「請求書カード払いサービス4選【取引先への支払いをクレカで後払い】」をどうぞ。

ABL(流動資産担保融資)に乗り換える

ABL(流動資産担保融資)は売掛債権を担保に融資を受ける方法です。

ABLで運転資金を調達することで、ファクタリングをやめることが可能です。

ABLは銀行・政府系金融機関の普通貸付と比べて金利は高めですが(年利7~15%程度)、ファクタリングの買取手数料と比べて資金調達コストは低いです。

ABLの種類

ABLは下記2種類あります。

  • 売掛金担保融資 → 売掛金を担保に融資を受ける
  • 動産(在庫)担保融資 → 商品在庫や機械設備・車両などを担保に融資を受ける

実務上、動産担保融資はほとんど使われないので、実際に利用するとなると売掛金担保融資になります。

ABLに乗り換えることで利益率は大きく改善

ABLに乗り換えることで利益率は大きく改善します。

例えば、毎月500万円の売掛金を買取手数料10%で買い取ってもらっている企業が、年利10%のABLに乗り換えた場合。
ひと月当たり/年間資金調達コストは下表のとおりとなります。

ファクタリングABL
資金調達の額500万円500万円
手数料・年利10%
[買取手数料]
10%
[年利]
ひと月あたりの資金調達コスト50万円4.17万円
年間資金調達コスト600万円50万円

ABLに乗り換えると年間550万円の資金調達コストが浮きます。

粗利率20%の業種であれば、2,750万円の売上を創出したのと同じインパクトがあります。

売掛金担保融資は取引先の分散度が重要

売掛金担保融資を扱っている金融機関の多くは、取引先の分散度を重視して審査します。

ファクタリングの場合、1つの売掛債権を個別に評価し、掛け目を設定して売買します。

売掛金担保融資の場合、複数の売掛債権をまとめて評価し、そのうえで掛け目を設定して融資を実行します。そのため、取引先が1件だけだと評価対象にならず、取引先が多ければ多いほど評価されます。

例えば、下記2つのケースがあったら、評価が高いのは100万円の売掛10本となります。

  • 1,000万円の売掛1本(取引先は大手企業)
  • 100万円の売掛10本(取引先は中小企業)

ABLを扱っている金融機関の多くは後者の評価方法を採用しています。

一部関係者に「ガリアプラス方式」と呼ばれています。

したがって、売掛先(取引先)が少ないとABLの乗り換えは難しくなります(ガリアプラス方式ではない金融機関を探すことになります)。

買取手数料の低いファクタリングに乗り換える

買取手数料の低いファクタリング会社に乗り換えることで、利益率は改善します。

例えば、今現在、手数料20%のファクタリングを利用している場合。
手数料10%のファクタリングに乗り換えれば、今よりも利益が多く残ります。

手数料率20%10%
売上500万円500万円
原価400万円400万円
粗利100万円100万円
ファクタリング手数料100万円50万円
差し引き050万円

買取手数料が10%以下なら、さらに利益が残ります。

現在、買取手数料の高いファクタリングを利用しているなら、すぐにでも乗り換えを検討しましょう。

参考までに、買取手数料が低めに設定されているファクタリング会社を紹介しておきます。

すべてオンライン完結型なので手数料が低めです。書類が揃っていれば買取額の査定もすぐに分かるので、すぐにでもやめたいとお考えの方は査定してもらってみてください。

詳しくは別記事の「他社から乗り換えOKなファクタリング会社5選【手数料が安くなる】」をどうぞ。

以上がファクタリングをやめる方法となります。続いて、ファクタリングをやめる時のよくある質問とその答えを紹介していきます。

ファクタリングをやめる時のよくある質問

ファクタリングをやめる時のよくある質問とその答えは下記のとおりです。

  • ファクタリングは分割返済できますか?
  • 売上を上げれば利益も増えるからやめれますよね?

上記のとおり。

ファクタリングは分割返済できますか?

売掛金の入金を早めてもらう交渉はできないし、これ以上負債を増やしたくないから融資も受けたくない

といったお悩みを抱えている方から、

現在利用しているファクタリングを分割返済してもらえば、売掛先との交渉や融資を受けなくても済むのでは?とご質問を受けることがありますが、ファクタリングは基本的に分割返済できません。

理由は、分割返済を認めると「融資行為」に該当し、貸金業法に抵触するからです。

ファクタリングは貸金業ではないため、ファクタリング会社の多くは貸金業登録を受けていません。融資行為を行うと無登録で貸付けを行ったとして貸金業法違法になります。

ファクタリング会社からすると、分割返済に応じるメリットは一つもないので、分割返済はできません。

詳しくは別記事の「ファクタリングが払えない!【分割払いはできないけど対処法あり】」をどうぞ。

売上を上げれば利益も増えるからやめれますよね?

「売上を上げれば融資を受けなくてもやめれる」とお考えの方を見かけますが、残念ながら売上を上げても状況はほとんど変わりません。

売上が上がれば必要運転資金が増加するだけなので、買取って貰う売掛金が増加するだけです。全体の利益で考えればほとんど変化しません。

例えば、粗利20%の業種で買取手数料20%のファクタリングを利用している場合。
下表のとおり、利益は全く残りません。

現状将来
売上500万円1,000万円
原価400万円800万円
粗利(利益率20%)100万円200万円
買取手数料(20%)100万円200万円
差し引き00
実際に筆者のもとにご相談に来られたケースです。

この状況で売上を上げようと努力しても状況は改善しません。むしろ事業を続ければ続けるほど状況は悪化します。

上記には販管費が含まれていませんので、販管費を入れるとマイナスになります。事業を続ければ続けるほど販管費が出ていくことになります。

売上が増えれば原価率が下がる可能性はある

もちろん、売上を上げることは全く意味がないとまでは言いません。

売上を上げれば仕入れが増えますから、ボリュームディスカウントで売上原価が下がる可能性はあります。

とはいえ、原価率が数パーセント下がったところで根本的な解決にはなりません。

本記事で紹介した下記4つの方法が、現実的な解決策となります。

まとめ

以上、ファクタリングをやめる方法を解説しました。

毎月ファクタリングを利用するようになるとやめるのが難しくなりますが、本記事で紹介した方法であれば、やめることはできます。

実際、筆者のお客様はやめることができました。

今現在、「ファクタリングをやめたくてもやめれない…」とお悩みの方は、本記事で紹介した方法を検討してみてください。

ABLに興味がありましたら筆者がご案内できますので、お問い合わせください

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