銀行融資でよく使う経営・財務指標10選【計算式と目安も併せて解説】

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銀行融資の審査でよく使われる経営指標や財務指標にはどのような指標があるのかな?

経営指標や財務指標は色々あるのは分かるけど、全部覚えるのは厳しいから、銀行融資でよく使われる指標だけでも覚えておきたいよ。

経営指標や財務指標の計算式や、指標の目安も併せて教えて欲しいよ。

この記事では、こういった疑問にお答えします。

目次

銀行融資でよく使う経営指標や財務指標は決っている

銀行は融資先企業の経営・財務状態を把握するために、指標を用いて融資先企業の査定を行いますが、銀行は全ての指標を細かくチェックしている訳ではありません。

重要視している指標というのがあり、それ以外の指標はそこまで細かくチェックされるようなことはありません。

ちなみに、企業の経営状態や財務状態を把握するために使われる指標は主に5つあります。

  • 収益性の指標:企業どれだけ利益を上げているかを測る指標
  • 生産性の指標:3つの経営資源(ヒト・モノ・カネ)を投資した量に対し、どれほどの売上や付加価値の創出したかを測る指標
  • 活動性の指標:企業が資本を効率的に使って売上をあげているかを測る指標
  • 安全性の指標:借入の返済能力、設備投資等の企業の支払い能力を測る指標
  • 成長性の指標:企業がどれほど成長しているか(業績が伸びているか)を測る指標

上記5つの指標はさらに細分化されますので、全ての指標を覚えようとすると結構大変です。

銀行融資を受けている経営者は、銀行が重要視している指標だけ覚えておけば問題ありませんので、銀行融資でよく使う経営指標や財務指標を計算式や数字の目安をまとめて紹介します。

銀行融資でよく使う経営指標や財務指標10選

それでは、銀行融資でよく使う経営指標や財務指標を10通り紹介します。

  • キャッシュフロー
  • 自己資本比率
  • ギアリング比率
  • 流動比率
  • 固定長期適合率
  • 売上高経常利益率
  • 総資本経常利益率
  • 債務償還年数
  • 借入金月商倍率
  • インタレスト・カバレッジ・レシオ

上記のとおり。

キャッシュフロー

キャッシュフローは借入金の返済原資となりますので、銀行融資において最重要指標と言っても過言ではありません。

キャッシュフローの計算式と数字の目安
  • 計算式:営業利益+減価償却費
  • 数字の目安:プラス

銀行融資の返済原資はキャッシュフローですから、キャッシュフローが多ければ多い程、銀行から「返済力が高い」と評価されます。

反対に、キャッシュフローが少ない、あるいはマイナスであれば、借入金の返済ができない事を意味しますので、銀行から「返済力が低い・無い」とみられ、融資を申込んでも「貸せない」と判断されます。

自己資本比率

自己資本比率は、企業が返済の必要がない資金をどれだけ集めているのか、財務安定性を測る上で重要な指標です。

自己資本比率の計算式と数字の目安
  • 計算式:自己資本 ÷(負債 + 自己資本)× 100
  • 数字の目安:20%~30%以上

自己資本は企業が調達した資金(資本)ですから返済義務はありませんが、負債は他人から調達した資金ですので返済義務があります(「他人資本」とも呼ばれます)。

返済義務のない自己資本が多ければ多いほど自己資本比率が高くなり、企業の財務安定性は高くなりますが、負債が多ければ多いほど自己資本比率は低くなり、財務安定性は低くなります。

財務安定性の低い企業に対し、銀行は融資に消極的になります。

自己資本比率を10%切ると「危険水準」という見方をされます。

ちなみに、自己資本比率がマイナスの状態のことを「債務超過」といい、債務超過を解消しない限り、銀行融資は難しくなるので注意しましょう。

詳しくは「【銀行融資】債務超過でも新規融資を受けることはできる?【状況次第】」をどうぞ。

ギアリング比率

ギアリング比率は、返済義務のある有利子負債(他人資本)を返済義務のない自己資本でカバーしている割合を示す財務安全性を測る指標です。

「負債比率」や「レバレッジ比率」とも呼ばれます。

ギアリング比率の計算式と数字の目安
  • 計算式:有利子負債 ÷ 自己資本 × 100
  • 数字の目安:150%以内

ギアリング比率は、一般的には100%を下回ると財務安定性が高いと考えられており、200%~300%になると「自己資本以上に借入をしている」と判断されます。

例えば、以下のようなケースの場合、ギアリング比率は200%となり、自己資本以上に借入をしているということになります。

  • 有利子負債:2,000万円
  • 自己資本:1,000万円

流動比率

流動比率は、企業の短期的な支払能力を測る指標のことで、1年以内に支払わなければならない流動負債に対し、1年以内に現金化可能な流動資産の割合を示す指標です。

流動比率の計算式と数字の目安
  • 計算式:流動資産 ÷ 流動負債 × 100
  • 数字の目安:150%以上

流動比率は100%を超える状態にあるのが望ましく、数字が高ければ高い程、銀行から評価されます。

反対に、流動比率が100%を下回っている状態にあるということは、1年以内に支払不能になる可能性があることを意味しており、銀行からの評価はダウンします。

例えば、下記のように流動比率が150%ある場合、健全な財務内容と評価されます。

  • 流動資産(売掛金):1,500万円
  • 流動負債(買掛金):1,000万円
  • 流動比率:150%

一方、下記のように流動比率が100%を下回っている場合、借入を起こさない限り、1年以内に支払い不能になることが目に見えていますので、銀行からの評価はダウンします。

  • 流動資産(売掛金):500万円
  • 流動負債(買掛金):1000万円
  • 流動比率:50%

流動比率は200%以上を越えるのが理想とされていますが、200%越える企業は実務上、そこまで多くない印象を受けます。

固定長期適合率

固定長期適合率は、自己資本と固定負債(長期借入金)の合計に対する固定資産の割合を示す指標です。

不動産や機械設備などの「固定資産」は、長期にわたって使用されるものなので、購入する際は、長期借入金や返済義務のない「自己資本」で購入しないと資金繰りが圧迫されることになります。

固定長期適合率の計算式と数字の目安
  • 計算式:固定資産 ÷(固定負債 + 自己資本)× 100
  • 数字の目安:100%以内

固定長期適合率は下記のように、100%以内に収まる状態にあるのが望ましいです。

  • 固定資産:2,000万円
  • 固定負債:1,200万円
  • 自己資本:1,000万円
  • 固定長期適合率:90.9%

固定長期適合率が100%を超える場合、固定負債と自己資本で固定資産の購入費用を賄う事ができず、1年以内に返済しなければならない「流動負債」で返済する事になるので、100%以内に納めることが目安とされています。

売上高経常利益率

売上高経常利益率は、売上に対してどれだけ経常利益をあげているかを表す指標です。

売上高経常利益率の計算式と数字の目安
  • 計算式:経常利益 ÷ 売上高 × 100
  • 数字の目安:3~5%以上

売上高経常利益率は企業の総合的な収益性が表しており、売上高経常利益率が高ければ高いほど、事業の利益獲得力が高いと判断できるため、この数字が高ければ高い程、銀行に「返済力が高い」と評価されます。

ちなみに、売上高経常利益率の目安は業種によってまちまちですが、概ね3~5%以上が目安とされています。

総資本経常利益率

総資本経常利益率は、総資本(企業の資金)に対する経常利益の割合を示す指標です。

総資本経常利益率の計算式と数字の目安
  • 計算式:経常利益 ÷ 総資本 × 100
  • 数字の目安:3~5%以上

総資本経常利益率は、企業が投下した資本に対してどれだけ利益を生み出したかを測る指標で、ROA(Return On Asset)とも呼ばれています。

ROAは株式投資で企業の収益性を判定するのによく使われる指標でもあります。

ちなみに、総資本経常利益率の目安は業種によってまちまちですが、概ね3~5%以上が目安とされています。

債務償還年数

債務償還年数は、銀行が融資したお金をキャッシュフローで全額返済するのに何年かかるかを測る指標です。

債務償還年数の計算式と数字の目安
  • 計算式:有利子負債 ÷(税引後利益+減価償却費)
  • 数字の目安:10年以下

債務償還年数は少なければ少ないほど、銀行からの評価は高いです。

ちなみに、債務償還年数の目安は10年以下が目安となります。10年を超えると融資に消極的となり、15~20年を超えてしまうと「借り過ぎ」と判断されてしまいます。

詳しくは「銀行融資の指標「債務償還年数」を分かりやすく解説【基礎知識】」をどうぞ。

借入金月商倍率

借入金月商倍率は、有利子負債がが平均月商の何ヶ月分(何倍)あるのかを測る指標です。

借入金月商倍率の計算式と数字の目安
  • 計算式:有利子負債 ÷ 平均月商(年商 ÷ 12)
  • 数字の目安:3倍以下

借入金月商倍率は、一般的に銀行からの借入が月商の1~2倍程度が健全と言われており、6倍を超えるようだと借入過多と判断されことが多いです。

詳しくは「【銀行融資】借入上限額の目安はどうすれば分かるの?指標を3つ紹介【借入可能な目安がわかる】」をどうぞ。

インタレスト・カバレッジ・レシオ

インタレスト・カバレッジ・レシオは、営業利益と受取利息の合計が、支払利息・手形割引料の何倍あるかと示す、企業の利息支払能力を測る指標です。

インタレスト・カバレッジ・レシオの計算式と数字の目安
  • 計算式:(営業利益+受取利息)÷(支払利息+手形割引料)
  • 数字の目安:3倍以上

インタレスト・カバレッジ・レシオの倍率が高ければ高い程、債務償還能力は高く(利益を生み出す力が強い)、反対に、倍率が低ければ低い程、債務償還能力が低いと判断されます。

インタレスト・カバレッジ・レシオは、3倍以上あると良いとされています。

なお、インタレストカバレッジレシオが1倍を割り込むというこは、利益から利息を払えない状況下にあることを意味しますので、こうなると銀行融資という話ではなく、経営改善、あるいは事業再生に着手しない限り存続は危ぶまれるということを覚えておきましょう。

まとめ

以上、銀行融資でよく使う経営指標や財務指標を計算式と目安を併せて10個紹介しました。

本記事で紹介した指標は銀行融資においてよく使われる指標なので、指標の内容や目安を覚えておくようにしましょう。

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