銀行融資の指標「実質債務超過」を分かりやすく解説【基礎知識】

銀行融資の指標「実質債務超過」を分かりやすく解説【基礎知識】資金調達
  • 実資債務超過って何?債務超過なら分かるけど、債務超過とどのような違いがあるの?
  • 言葉の意味や、どのような状況が実質債務超過なのか、銀行がどのように判断するのか、分かりやすく教えて欲しいよ。

この記事では、こういった疑問にお答えします。

債務超過と実質債務超過の違い

実質債務超過を理解してもらうために、債務超過と実質債務超過の違いを解説していきます。

  • 債務超過とは
  • 実質債務超過とは

上記のとおりです。

債務超過とは

債務超過とは、資産よりも負債が多く、自己資本(純資産)がマイナスにある状態の事をいいます。

債務超過の定義

  • 資産 < 負債

具体的には、以下のように資産よりも負債が多い状態を債務超過と呼びます。

  • 資産:2,000
    • 現預金:200
    • 売掛金:200
    • 土地・建物:1,600
  • 負債:2,500
    • 買掛金:300
    • 借入金:2,200

実質債務超過とは

実質債務超過とは、決算書上の数字は債務超過ではないものの、資産を時価修正(実態修正)すると債務超過になってしまう状態のことを実質債務超過と呼びます。

実質債務超過の定義

  • 決算書上の数字:資産 > 負債
  • 時価修正(実態修正)時の数字:資産 < 負債

実質債務超過の具体例

例えば、以下の決算書のように、負債よりも資産が多い場合、一見すると健全な財務内容に見えます。

決算書上の数字

  • 資産:2,000
    • 現預金:200
    • 売掛金:200
    • 土地・建物:1,600(取得時の簿価)
  • 負債:1,800
    • 買掛金:300
    • 借入金:1,500

しかし、土地・建物には相場がありますので、現在の時価を調べてみると、時価は800ということが判明しました。

この状況を当てはめて決算書を修正すると以下のとおりとなります。

時価評価後(実態修正後)の決算書

  • 資産:1,200
    • 現預金:200
    • 売掛金:200
    • 土地・建物:800(現在の時価)
  • 負債:1,800
    • 買掛金:300
    • 借入金:1,500

土地・建物を現在の時価に修正すると、資産よりも負債が上回り、債務超過になってしまいました。

この状態がまさに、実質債務超過ということになります。

 

実質債務超過になると起こる問題は1つ

実質債務超過になると起こる問題は1つです

  • 銀行融資が受けにくくなる

上記のとおりです。

銀行融資が受けにくくなる

実質債務超過になると、銀行融資が受けにくくなります。

理由は、「【銀行融資】債務超過でも新規融資を受けることはできる?【状況次第】 」でも解説しているとおり、銀行は債務超過の企業に対する融資は消極的になるからです。

決算書上の数字が債務超過でなくとも、資産を時価修正したら債務超過に陥ってしまうということであれば、銀行から「実質債務超過」と判断されますので、銀行融資は受けにくくなります。

 

実質債務超過に関するよくある疑問

  • 信用調査機関に実質債務超過にあるということがばれる?
  • ノンバンクからの融資は難しくなる?
  • 取引先に実質債務超過ということがばれて与信枠が縮小する?

上記のとおりです。

信用調査機関に実質債務超過にあるということがばれる?

信用調査機関は企業が所有している資産の時価修正を行ってまで調査することはありません。

あくまで決算書に記載されている数字しか見られませんので、信用調査機関にばれることはありません。

ノンバンクからの融資は難しくなる?

無担保・無保証の融資の場合、スコアリングシステムによる審査となりますので、決算書の数字が債務超過でなければ資産超過(資産の方が多い)と判断されます。

そのため、赤字決算ではなく、税金の滞納も無ければ審査にとおる場合が殆どです。

不動産担保ローンの場合

不動産担保ローンの多くは、担保となる不動産の時価・流動性を重視して審査するので、決算書はそこまで重視されません。

そのため、実質債務超過かどうかは、そこまで問題になりません。

取引先に実質債務超過ということがばれて与信枠が縮小する?

取引先(買掛先)が大手企業や商社・問屋などの場合、与信枠を決定するために毎年決算書の提出を義務付けている企業もあると思いますが、与信審査を行っている殆どの企業は、決算書の数字を元に判断します。

銀行のように個別の企業の資産状況を時価修正して与信枠を設定するような企業は少ないので、ばれるようなことは殆どありません。

取引先に支払い遅延を起こしたり、支払いジャンプ・述べ払いのお願いをしたりすると、その前後で資産(不動産)の時価を調べられてしまい、実質債務超過にあることがばれてしまったという話はよく聞きます。

 

実質債務超過を解消する方法は4つ

最後に、実質債務超過を解消する方法を4つ紹介します。

  • 収益を獲得する(儲ける)
  • 増資する(出資してもらう)
  • DES(デット・エクイティ・スワップ)をする
  • 債務免除を受ける(債権者に債権放棄してもらう)

上記の項目の詳しい説明は「【基礎知識】債務超過を解消する4つの方法と会社に及ぼす悪影響を解説」をどうぞ。

 

まとめ

以上、銀行が融資を検討する際に重視している指標、「実質債務超過」の言葉の意味や考え方について解説しました。

おわり。

 

 

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