【事業者向け】住宅ローンのリスケのやり方【家計が楽になる】
銀行融資をリスケしました。
個人の住宅ローンもリスケしたいので、やり方を詳しく知りたいです。
本記事では、こういった疑問・要望にお答えします。
- 住宅ローンのリスケとは
- 住宅ローンのリスケを申し込む時の注意点2つ
- 住宅ローンのリスケのやり方・手順
- 住宅ローンのリスケに関するよくある質問
なお、本記事の筆者は、2009年から現在まで中小企業の資金繰り改善コンサルタントとして活動しており、年商数百万の個人事業主から年商10億円以上の企業まで、幅広く対応してきました。
こういった経験を元に、本記事では、住宅ローンをリスケするやり方をまとめました。
会社の資金繰りのために役員報酬を減額すると会社の資金繰りは良くなるものの、経営者個人の収入源となり、住宅ローンの返済が家計を圧迫します。
役員報酬を減額したら、住宅ローンもリスケしておくと経営者個人の資金繰りは楽になります。
本記事では、住宅ローンを初めてリスケされる方向けに、やり方や注意点をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
住宅ローンのリスケとは
リスケは銀行に相談のうえ一定期間、毎月の返済額を減額する措置のことをいいます。
リスケ期間中は元本返済が減額・猶予されますので、家計が楽になります。
役員報酬を減額して住宅ローンの返済が苦しい時は、銀行に相談すると返済条件を変更してもらえます。
リスケの期間は半年 or 1年間
リスケの契約期間は半年〜1年が目安です(1年以上の契約に応じてもらえません)。
半年契約が多いですが、半年経っても役員報酬を減額した状態が続いていれば、銀行に相談すれば更新してもらえます。
リスケのパターン3つ
住宅ローンのリスケは下記3パターンあります
- 借入期間の延長
- 返済額の一時減額
- 元本据置
上記の順に解説します。
借入期間の延長
借入期間の延長とは、契約時の借入期間よりも期間を延ばす方法です。
例えば、30年で契約していれば、35年などに期間を変更して毎月の元本返済額を少なくする方法です。
契約期間を延ばすので、1回契約するだけで契約期間の更新などの手間はありませんが、返済額が大きく減る訳ではないので「可能な限り返済額を減らしてほしい」とお考えの方には向いてません。
返済額の一時減額
返済額の一時減額とは、半年や1年間など、一定期間の返済額を減額する方法です。実務上、この方法が最も多いと感じます。
例えば、毎月10万円返済していれば、一定期間、毎月5万円に減額するという方法です。
一時減額をするケースでも、減額した分はいつか支払わなければなりません。そのため、返済期間の延長や、将来的な返済額の増額などを伴います。
元本据置
元本据置は、半年や1年間など、一定期間の返済額を「元本0円+利息のみ」にする方法です。
ただし、元本据置は余程のことがない限り応じてもらえないので、何回か依頼して反応が悪ければ、落としどころのような流れで、返済額の一時減額してもらった方がいいです。
例えば、給与所得者の方がリストラなどで職を失い、求職期間中は元本据置にして欲しいということであれば応じてもらいやすいですが、経営者の場合、会社が動いているなかで、1万~2万のお金に困窮するという状況はなかなか考えにくいので、なかなか応じてもらえません。
以上が住宅ローンのリスケの概要です。続いて、住宅ローンのリスケを申し込む時の注意点を解説します。
住宅ローンのリスケを申し込む時の注意点2つ
住宅ローンのリスケを申し込む時の注意点は下記2つです。
- 会社の融資と住宅ローンが同じ銀行だとできないと言われることがある
- 延滞状況にあると対応してもらえない
上記のとおり。
会社の融資と住宅ローンが同じ銀行だとできないと言われることがある
会社の融資と住宅ローンが同じ銀行だと、住宅ローンのリスケはできないと言われることがあります。
例えば、住宅ローンの窓口に相談に行くと、奥から法人融資の担当者が出てきて、「社長の会社では融資をリスケ中なので、社長個人で契約している住宅ローンのリスケはできないんですよ…」と断られるのです。
ちなみに、よくある断り文句は下記のとおりです。
- 会社と個人は一体とみなしている
- 会社でリスケしているのに、社長個人で契約している住宅ローンまでリスケすると、今後の新規融資が難しくなる
会社の融資をリスケしていれば新規融資はすでに難しいわけですから、個人の住宅ローンをリスケしても状況は何も変わらないので、適当に聞き流してください。
それに、実際このように言われて本当にリスケできなかったケースを見たことがありません。
もし、このようによくわからない理由で断られた場合、諦めずにリスケを依頼してください。
延滞状況にあると対応してもらえない
住宅ローンの返済が延滞しているとリスケに応じてもらえません。
ただし、延滞を解消すると応じてもらえるので、もし延滞状況にあれば、まずは延滞分を全額返済してからリスケを依頼することになります。
住宅ローンの返済が厳しくなりそうな時は、支払い遅延や延滞を起こす前に、早めに銀行に相談するといいですよ。
以上が住宅ローンのリスケを申し込む時の注意点となります。続いて、住宅ローンのリスケのやり方・手順を解説していきます。
住宅ローンのリスケのやり方・手順
住宅ローンのリスケのやり方・手順は下記のとおりです。
- 手順①:銀行でリスケの相談をする
- 手順②:申込書(相談シート)に記入する
- 手順③:申込書を持参して返済方法を決める
- 手順④:リスケの契約締結
上記のとおり。
手順①:銀行でリスケの相談をする
住宅ローンの相談は銀行の窓口で行います。
どこの窓口で相談すればいいのか分からなければ、融資担当者に相談してみてください。
手順②:申込書(相談シート)に記入する
住宅ローンの窓口でリスケの相談をするとリスケの申込書を渡されますので、早めに記入して提出しましょう。
申込書に記入する内容は主に3つです。
- 家族構成
- 収入の状況(収入減の方は、収入減に至った原因など)
- 生活費の状況
A4用紙1枚なので、10分~15分ぐらいあれば書けると思います。
手順③:申込書を持参して返済方法を決める
申込書に記入したら、窓口に持参して具体的な返済方法を決めます。
ちなみに、経営者の場合、元本ゼロは余程のことがない限り応じてもらえないので、返済額を一時的に減額することになります。
ちなみに、よくある減額パターンは下記いずれかです。
- 元本返済を約3分1に減額+金利(元本返済が10万であれば、「3万+金利」に減額)
- 元本返済を半分に減額+金利(元本返済が10万であれば、「5万+金利」に減額)
だいたい、このようなパターンが多いです。
手順④:リスケの契約締結
返済方法が決まったら、リスケの契約を締結します。
契約締結すれば、リスケ期間中は返済額が減額されます。
以上が住宅ローンのリスケのやり方・手順となります。続いて最後に、住宅ローンのリスケに関するよくある質問とその答えを解説していきます。
住宅ローンのリスケに関するよくある質問
住宅ローンのリスケに関するよくある質問とその答えは下記のとおりです。
- 住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)もリスケできますか?
- 協調融資でもリスケできますか?
- 住宅ローンをリスケすると個人信用情報に登録されますか?
上記のとおり。
住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)もリスケできますか?
住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)もリスケできます。
住宅金融支援機構のWebサイトにリスケについて詳しい解説ページがありますので、リスケを検討している方は住宅金融支援機構のサイトを確認して下さい。
参考リンク 月々の返済でお困りになったとき:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)
協調融資でもリスケできますか?
住宅金融支援機構と銀行の協調融資を利用している方もリスケできます。
ちなみに、協調融資を利用している方が銀行の窓口で相談すると、重苦しい口調で「住宅金融支援機構に足並みを揃えて貰えないとリスケできない可能性があります…」というように、さも協調融資をリスケするのは難しいような感じで言われる場合がありますが、気にしなくてOKです。
住宅金融支援機構はリスケに応じてもらえますので、問題ありません。
住宅ローンをリスケすると個人信用情報に登録されますか?
住宅ローンのリスケは銀行融資同様、契約内容の変更に過ぎないため、個人信用情報に登録されません。
住宅ローン返済の遅延・延滞情報は個人信用情報に登録されますが、リスケは個人信用情報とは無関係です。
まとめ
以上、住宅ローンのリスケのやり方を解説しました。
住宅ローンのリスケは普通にできますので、役員報酬を減額するなどして個人の資金繰りも厳しくなってきたら、住宅ローンのリスケも合わせて検討するようにしましょう。