税金や社会保険料を滞納したらどうすればいい?【放置すると差押されますよ】

資金繰りが厳しいので、税金や社会保険料を滞納している状態です。納付しなければいけないのは理解しているけど、一括納付とか絶対無理だよ…。

電話による催促や、督促状が届いたりしているけど、資金繰りが厳しくて一括納付なんてできない。連絡されても今はどうあっても納付できないから、こちらから連絡しても意味ない気がする…。

このまま滞納すると差押されたりするのかな?どうしたらいいか分からないから対処法を教えて欲しい。

この記事では、こういった疑問にお答えします。

目次

税金や社会保険料を滞納したまま放置すると差押されます

資金繰りが厳しい企業は税金や社会保険料を滞納しているケースが散見されます。

通常の資金繰りから緊急時の資金繰りに」とうい記事でも解説しているとおり、資金繰りが厳しくなると、借入金の返済や税金・社会保険料の納付を待って頂く事がありますので、多少、納付が遅れるのは延命のために止む無しだと思います。

しかし、納付が一時的に遅れるぐらいでは済まず、滞納してしまうとなると話は別です。

必ずこちらから連絡して、今後の納付について相談するようにしましょう。

もし、督促状が届いてしまったら必ず電話連絡を入れてアポイントを取り、税務署や年金事務所に相談するようにしましょう。

税務署や年金事務所は職権で差押することが可能

税務署や年金事務所の徴収官は、一般債権者と違って法的な手続きを踏まなくても職権で強制執行が可能です。

例えば、一般債権者が債務者の銀行口座を差押する場合、下記手順を踏まないと差押はできません。

  1. 提訴する
  2. 勝訴して債務名義を取得する
  3. 強制執行をかける

こうしてみるとシンプルに見えますが、実際は面倒な労力とコストがかかります。

しかし、徴収官はこのような手順を踏まなくても職権でスグに押さえることができるので、現金資産があれば問答無用で回収されますので注意が必要です。

催促を無視すると現金資産を差押られるので注意

電話による催促や葉書や書面による督促を無視すると、以下の資産を差押られる事になります。

  • 預金口座
  • 保証金・敷金(事務所や店舗等を賃貸する際に差し入れたもの)
  • 保険(解約返戻金・満期積立など)
  • 売掛金

基本的に現金資産をメインに差押されますので、差押されるのが嫌なら必ず連絡するようにしましょう。

税金や社会保険料の滞納が原因で差押された時の悪影響3つ

税金や社会保険料の滞納が原因で差押された時の悪影響は下記3つです。

  • 資金繰りの予定が大幅にズレる(最悪、倒産の可能性も)
  • 銀行取引停止の可能性
  • 取引先との取引を打ち切られる

上記のとおりです。

資金繰りの予定が大幅にズレる(最悪、倒産の可能性も)

税務署や年金事務所が差押を実行する場合、基本的に最も大きく回収できる現金・預金を狙ってきます。

理由は単純で、細かい現金・預金を何件も差押えるより、大きいものを一つ差押した方が効率的に回収できるからです。

大口を狙われる訳ですから、もし万が一、強制執行で大口の預貯金を差押されたら資金繰り予定が大幅にズレてしまい、最悪、倒産する可能性すら出てきますので、差押されないよう必ず相談するようにしましょう。

銀行取引停止の可能性

借入をしている銀行の預金口座を差押られると、期限の利益を喪失し、借入金の一括返済を求められる事になります。

このことは銀行取引約定書にも記載がありますので、気になる方は確認すると良いです。

ちなみに、税務署や年金事務所もこのことは理解していますので、最初に預金口座の差押に着手するときは、借入していない銀行の預金口座を差押してきます。

その後、全く相談しなかったり、分割納付の約束通りの納付できない場合は、やむを得ず借入している銀行口座を差押されることになります。

取引先との取引を打ち切られる

税金や社会保険料を滞納してしまい、こちらから全く連絡しなかったりすると、預金口座の差押に着手されますが、預金口座の他にめぼしい資産が無いと、売掛金を狙わることになります。

売掛金を差押する際、事前に取引先に対して売掛金の有無や、売掛金がある場合、どれぐらいの金額の売掛金があるのかといった照会通知が届きます。

照会通知を受け取った企業は嘘偽りなく真実を報告しなければならないため、売掛金が存在していれば金額を全て正直に報告する必要があります。

ちなみに、大手企業はこの照会通知が届いただけで取引停止となる場合が殆どなので、取引停止になるのは困るという方は、必ず税務署や年金事務所に連絡するようにしましょう。

税金や社会保険料を滞納した時の交渉のポイントを機関別に紹介

税金や社会保険料を滞納した時の交渉のポイントについて、税務署と年金事務所、2つの機関別に紹介します。

  • 税金の納付ができない時の対処法
  • 社会保険料の納付ができない時の対処法

上記のとおりです。

税金の納付ができない時の対処法

法人税や消費税、源泉所得税を滞納した場合、管轄の税務署に訪問して今後の納付について相談します。

一括納付ができる見込みがあれば、「〇月〇日に一括で納付できます」と伝えれば大抵待ってもらう事ができますが、一括納付が難しい場合、納税緩和制度を使って分割納付ができないか?ということを相談することになります。

納税緩和制度には、「納税の猶予」と「換価の猶予」があります。

納税の猶予とは、災害、病気、事業の休廃業などによって、滞納税金を一時に納付できない場合は、申請により税金の支払いを猶予することができる制度です。

出典:払い切れない税金に 納税緩和制度 (2)納税の猶予とは|全商連[全国商工新聞]

換価の猶予制度は、税金を一時に納付することにより、事業の継続または生活の維持が困難になってしまう場合に、申請に基づいて差し押さえ財産の換価(売却)が猶予される制度です。

出典:払い切れない税金に 納税緩和制度 (3)換価の猶予制度|全商連[全国商工新聞]

これらの緩和制度は納税者が現況などをきちんと報告したうえで申請し、税務署に認められたら分割納付が認められたり、一定期間、納税を猶予してもらえたりすることができます。

ちなみに、申請が認められなければ分割納付は断られてしまいますが、断られたからと言って絶望してはいけません。

粘り強く交渉することで応じて貰えるケースが少なくないので、断られたら「なぜ断られるのか」、「どうすれば認められるのか」など、相談するようにしましょう。

交渉しても全く聞き入れて貰えない時は「納税者支援調査官」に相談するという手もあります

納税者支援調整官とは、国税局や税務署の仕事に対する苦情や困りごと等を受付・相談に応じてくれる方です。

理不尽な対応をされ時などは納税者支援調査官に相談すると、管轄の税務署と納税者の調整をしてくれる事があります。

なので、もし、いくら相談しても全く分割納付に応じて貰えなかったり、利益に影響を及ぼす処分を受けてしまいそうな時、あるいはすでに受けてしまった時は、納税者支援調査官に相談してみて下さい。

参考リンク納税者支援調整官|国税庁の機構|国税庁概要・採用|国税庁

社会保険料の納付ができない時の対処法

社会保険料の納付ができずに滞納した場合、まずは年金事務所に相談に行き、滞納分を分割納付するよう交渉しましょう。

社会保険料を滞納した時の交渉方法は税金と同じで、一括納付できそうであれば納付確実な日時を伝え、それまでは待ってもらうよう交渉するか、分割でないと納付できない場合、滞納分を分割で納付するよう交渉します。

分割納付は基本的に最長で12カ月の分割納付をしてもらえますが、こちらも年金事務所に認めて貰えない限り、分割納付はできませんので、断られても粘り強く交渉しましょう。

新規に発生する分は期日内に納付することを約束しましょう

社会保険料は税金と違って毎月新規に発生しますから、分納の相談をする前に、新規発生分と滞納分を12カ月に渡って分納してもらった場合の資金繰りシミュレーションを行いましょう。

分納の相談をすると、「新規に発生する分は期日内に納付する事が条件です」と言われるケースがほとんどなので、新規発生分が納付できるかどうか、という事を確認しながら分納の相談をするようにしましょう。

分納が認めらえた後に納付が遅れそうな時は事前に相談しましょう

分納を認めて貰った後に予期せぬ出来事が発生し、資金繰り予定がズレてしまい、分納してもらった分の納付ができそうも無い事が判明した場合、速やかに年金事務所に相談しましょう。

相談しないと差押に着手されてしまう危険性がありますので、必ず事前に相談するようにしましょう。

差押えされた記帳画像

このように、差押されてしまっても後の祭りですから、言い難いと思っても、まずは電話一本入れて、必ず事情説明に伺うようにしましょう。

まとめ

以上、税金や社会保険料を滞納した時はどうすればいいのか?ということについて解説しました。

滞納を放置すると差押されますので、税金や社会保険料を滞納したら必ず連絡して、今後はきちんと納付していくという事を相談するようにしましょう。

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