銀行提出用の試算表を早く作る方法とは?【ポイントを3つ紹介】

銀行提出用の試算表を早く作る方法とは?【ポイントを3つ紹介】

銀行に新規融資の相談をする度に試算表を提出するよう言われ、そのたびに会計事務所に早く作ってもらうよう依頼しているけど、毎回、作成に時間がかかる。

試算表を早く作ることができれば、その分、早く融資を受けることができるのに、いつも時間がかかってしまう。

銀行に試算表を早く提出するようにしたいから、早く作る方法があれば知りたい。

この記事では、こういった疑問にお答えします。

目次

銀行提出用の試算表を早く作れば融資実行は早まります

銀行に新規融資を依頼すると、直近の決算書の他に、次の3つの資料を提出するよう求められます。

  • 試算表(必須)
  • 資金繰り表(必須)
  • 借入金一覧表(任意)

上記資料のうち、借入金一覧表の提出は任意ではありますが、準備しておくと非常に親切なので、極力用意するようにしましょう。

詳しい作成方法については「【銀行融資】借入金一覧表の作り方を3つの手順で解説【書式無料配布あり】」をどうぞ。

借入金一覧表は任意ではありますが、資金繰り表と試算表の提出は必須の資料となります。

試算表は融資先企業の直近の業況を把握する上で重要な資料

資金繰り表と試算表は、銀行が融資先企業の直近の業況を把握する上で、非常に重要な資料となります。

ちなみに、両方の資料が無いことを銀行に伝えると、「直近の試算表だけでも先に提出して欲しい」と言ってくるほど、銀行は試算表を重要視しています。

試算表を早く提出することができれば、審査もスムーズに進み、その分、融資実行までの期間を短縮する事ができるのですが、試算表の作成に時間がかかってしまい、審査が遅れてしまうケースが少なくありません。

審査が遅れるということは、融資実行が後に延びること意味します。

試算表を早く提出することができれば、その分、融資実行が早まる事になりますので、試算表を早く作れるようにしましょう。

銀行提出用の試算表を早く作成するポイント3つ

銀行提出用の試算表を早く作成するポイントは下記3つあります。

  • ツールを使って入力の手間を無くす・減らす
  • 1円単位まで正確に作ろうとしない
  • ルールを作ってひたすら守る

上記のとおりです。

ツールを使って入力の手間を無くす・減らす

試算表を作るには、銀行口座の入出金データや請求データ、経費精算データ等の入力や仕訳作業が必要となりますが、これらのデータを目視で確認しながら行っていたら、当然、時間がかかります。

データ入力の手間を無くす・減らすことができれば、試算表は早く作れるようになります。

データ入力の手間を無くす・減らすには、ツールを導入する事が近道です。

以下4つのツールを活用して、データ入力の手間を無くす・減らしましょう。

  • クラウド会計ツール
  • インターネットバンキング
  • クレジットカード・デビットカード
  • クラウド請求書作成ツール

順を追って解説します。

クラウド会計ツール

パソコンにインストールするタイプ(スタンドアロン)の会計ソフトを使っている限り、入力の手間を減らすことはできません。

理由は、API連携(他社ツールとの連携)が使えないので、他ツールとの連携ができず、入出金データや請求データ、経費精算データを手入力する必要があるからです。

RPAツールを使えば自動化もできますが、設定のハードルはかなり高いです(多少のプログラミング知識が要求されます)。

しかし、クラウド会計ツールを導入すると、API連携で銀行やクレジットカード、顧客管理システムなどのツールと連携できるようになります。

API連携ができると、数クリックでデータを取り込み、しかも自動で仕訳されるようになるため、入力の手間を無くす・減らす事ができます。

インターネットバンキング

クラウド会計ツールの導入と併せて、API連携が可能な銀行のインターネットバンキングの利用をおすすめします。

現在利用している銀行口座がAPI連携が使えれば良いですが、対応していない場合、細かい経費支払い用に銀行口座を開設しましょう。

融資を受けている銀行の口座は取引先の入金専用として利用するようにしましょう。

クラウド会計ツールと、インターネットバンキングをAPI連携することで、入出金データを会計ツールに数クリックで取り込む事ができます。

何十件、何百件とある取引データも、わずか数秒で会計ツールに取り込むことができ、しかも自動で仕訳してくれるのでとてつもなく便利です。

入力ミスもなく、残高が合わないということも起こらないです。

自動仕訳を初めて利用する場合、正確に仕訳されないことがあり、目視で修正する必要がありますが、一度修正しておくと、次回からは正確に仕訳されるようになります(AIが判別します)。

クレジットカード・デビットカード

細かい経費の支払いを現金で払っていたら、領収書の入力はもちろん、仮払い手続きの手間が発生して、余計な事務作業を増やすだけです。

しかし、経費の支払いをクレジットカードやデビットカードで払ってしまえば、こうした手間は全て解消されます。

クレジットカードやデビットカードはAPI連携でクラウド会計ツールと連携可能なため、利用履歴を数クリックで取り込む事ができます。

仕訳も自動なので、入力作業の手間を無くす・減らす事ができます。

クラウド請求書作成ツール

見積もりや請求書の作成をエクセル等の表計算ソフトで作成していたら、売掛の請求データを会計ソフトに入力する手間が発生します。

しかし、クラウド請求書作成ツールを使うと、会計ツールと連携することで、入力の手間を無くす・減らすことができます。

1円単位まで正確に作ろうとしない

試算表は1円単位まで正確に作らなければならないと思いこんでいる方が少なくないですが、基本的にそこまで正確に作る必要はありません。

試算表はその名のとおり試算に過ぎません。

取引先の締め日によっては、概算の金額しか分からない場合もありますから、そうなると1円単位まで正確に作ることは不可能です。

最終的に正確に作成すれば何の問題もありませんので、1円単位まで正確に作ろうとしない方が良いです。

銀行に提出する際「試算であること」を説明すればOK

銀行も1円単位まで正確に作られた試算表を求めていません。

もちろん、数十万、百万円単位のズレがあるような試算表は提出できるシロモノではありませんが、細かい金額のズレは問題ありません。

また、提出する際、「〇月までの試算表は正確ですが、〇月は現段階では試算であるため、売上と仕入原価が締め日の関係で〇万円ほどズレが生じる可能性があります」というように説明できれば問題ありません。

確定した数字は要修正

締め日の関係で数字がズレるのは問題ありませんが、確定した数字は必ず修正するようにしましょう。

修正した試算表は後日、銀行に再提出しましょう。

ルールを作って運用する

経営者や経理部門だけが試算表を早く作るよう頑張っても、試算表を早く作る事はできません。

社員数が少なければ作成可能です。

他部署との連携や協力を得る必要があります。

社員数が多い場合、他部署との連携や協力も必要

売上データはクラウド請求書作成ツールや、基幹システムを導入していれば自動取り込みが可能ですが、在庫量の確認などは仕入・購買の部署に協力を得ないと月末の在庫量の把握は難しいです。

いくら入出金や売上・仕入の数字が正確でも、在庫量の数字の推移が不自然だったり、極端に減少したりしていれば、試算表の正確性を疑われてしまいます。

また、経費支払いも、現金を使わずにカードを使うよう通達しても、現金で払ってしまうケースも考えられます。

細かい経費支払いを現金で払っていたら、経理手続きの手間が増えるのはもちろん、入力の手間も発生してしまいます。

入力の手間が発生すれば、その分、試算表の作成は遅くなりますので、以下のようにルールを決めて、決めたルールを運用するようにしましょう。

  • 月次棚卸の実施 → 毎月月末に棚卸のデータをまとめる
  • 経費の支払いは極力現金を使わない(入力の手間はもちろん、仮払の経理作業が発生する)

まとめ

以上、銀行提出用の試算表を早く作る方法を解説しました。

試算表を早く作るポイントは次の3つですが、

  • ツールを使って入力の手間を無くす・減らす
  • 1円単位まで正確に作ろうとしない
  • ルールを作ってひたすら守る

最も大切なポイントは、ツールを使って入力の手間を無くす・減らすことです。

入力の手間を無くせば、その分、試算表は早く作れます。

入出金データや経費精算データを目視で確認しながらテンキーを叩いて入力していたら、当然、時間はかかります。

試算表の提出の遅れは、融資実行までの期間が遅くなることを意味します。

良い事は1つもないので、銀行に試算表を早く提出するためにも、既存の経理体制を見直してみましょう。

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