【銀行融資】貸付条件の変更等(リスケジュール)の状況[平成22年3月末~平成29年3月末]

資金繰り

金融庁が公表している「貸付条件の変更等の状況」によると、平成29年3月末時点で中小企業から金融機関へのリスケジュールの申請数は、847万9,957件と年々増加傾向にあります。

平成21年12月に中小企業金融円滑化法が施行されてから、リスケジュールの申請件数は半年毎に50万件強の申請があり、平成24年度末の金融円滑化法終了後も、金融庁から金融機関に対して同様の対応を要請している事もあり、申請件数は増加の一途を辿っています。

 

日本の中小企業数は、中小企業白書によるとおよそ382万社ありますので、単純計算で1社が2件以上リスケジュールを申請している計算となります。

金融庁では30~40万社が数回にわたってリスケジュールの再申請をしているとみています。

※中小企業数:2017年度版中小企業白書(P25参照)

金融庁ウェブサイト→ 貸付条件の変更等の状況について

 

金融機関における貸付条件の変更等の状況について

金融機関における貸付条件の変更等の状況について(件数)

出典:金融庁(金融機関における貸付条件の変更等の状況について)
http://www.fsa.go.jp/news/29/ginkou/20170628-3/01.pdf

  1. 主要行等とは、みずほ銀行、みずほ信託銀行、三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、 三井住友銀行、 りそな銀行、三井住友信託銀行、新生銀行、あおぞら銀行をいう。
  2. 地域銀行とは、地方銀行、第二地方銀行及び埼玉りそな銀行をいう。
  3. その他の銀行とは、主要行等・地域銀行を除く国内銀行をいう。ただし、平成24年9月10日に解散した日本振興銀行の計数を含む。
  4. 信金中央金庫の計数を含む。
  5. 全国信用協同組合連合会の計数を含む。
  6. 労働金庫連合会の計数を含む。
  7. 信農連、信漁連はそれぞれ信用農業協同組合連合会、信用漁業協同組合連合会の略。農林中央金庫の計数を含む。
  8. 左端の欄中の括弧内は、平成29年3月末時点の金融機関数。
  9. 件数は、貸付債権ベース。

貸付条件の変更等の状況の推移(グラフ)

出典:金融庁(貸付条件の変更等の状況の推移)
http://www.fsa.go.jp/news/29/ginkou/20170628-3/02.pdf

公表されている数字は、リスケジュールの申請件数、実行件数、謝絶件数、審査中の件数、取下げ件数が公表されています。集計は半年毎にされています。

 

リスケジュールから約定弁済の戻せた件数は公表されていない

金融庁のウェブサイト、中小企業庁のウェブサイトで、リスケジュールから約定弁済に戻った件数を調べたのですが、まったく出てきませんでした。

金融庁のウェブサイトにある問い合わせ窓口に連絡しようと試みたのですが、最終的にエラーが表示されるので、質問内容が送信できませんでした…。

時間をおいてまた試してみようと思います。

回答がきましたら、このページを更新します。

リスケジュールから約定に戻せた件数は限りなく少ないかも…。

クライアント様と銀行に同行する際や、銀行員の方とお話しする機会がある際、筆者はいつも「リスケジュールから約定弁済に戻せた企業はどれぐらいありますか?」と質問します(調べても件数が公表されていないので、直接、現場の人に聞いた方が早いかなと…)。

すると、殆どの方が下記いずれかの回答をします。

  • ウチの支店であったかな?
  • あるとは思いますが、自分が直接担当している訳では無いので詳細は不明
  • 行内全体の数字で、本当に微々たる件数だと思う(数%)

質問させて頂いた方の母数自体が少ないので(50人いかない程度)、きちんと調査すれば「約定に戻せた件数は結構ありますよ」という回答を得られるのかもしれません。

しかし、本記事更新日時点では、そのような意見はほとんど聞きませんし、仲良くさせて頂いている同業の方や、税理士の方からも聞いたことが無いので、やはり、全体の件数自体少ないのかなと思います。

 

まとめ

リスケジュールをすると最初の1年目は資金繰り改善の効果を実感できると思いますが、2年目、3年目あたりから、違和感を感じるケースが少なくありません。

よくある違和感は、概ね下記の通りだと思います。

  • 利息はこのまま払い続けないといけないの?(出口が見いだせない)
  • 融資を受けたいけど業績が横這いなので、銀行に相談しても「リスケ中なので…」と断られた。
  • 何とか資金調達できないかと日々悶々としているが、冷静に考えると利払い負担が無ければ調達する必要がそもそも無かった

社屋や工場・倉庫を担保に融資を受けている企業であれば、物件の保全の目途が立つまでリスケジュールを継続するのは良いと思いますが、無策でリスケジュールの更新をし続けても、状況が改善される事は殆どありません。

リスケジュールを何年も続けて違和感を感じ始めている方は、転換期に差し掛かってきているのかもしれませんね。

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