借入金の返済ができなくなると最後はどうなるの?【結論:破産・放置という選択肢がある】

リスケジュールを検討しているけど、万が一返済できなくなったら最後はどうなるのかな?

リスケジュールを何年も更新しているけど、金利で利益が無くなるからできれば払いたくないよ、金利の支払いを止めたら最後はどうなるのかな?

期限の利益を喪失するかもしれないから、払えなくなったら最後はどうなるのか知りたい。

この記事では、こういった疑問にお答えします。

目次

借入金の返済できなくなると、最後はどうなる?

資金繰りにお悩みの方から、「このまま返済できなくなると、最後はどうなるのですか?」という質問をよく頂きます。

約定どおり返済するのが困難な状況に陥ると、「もし、返せなくなったら自分はどうなってしまうのだろう…」という考えが、ふとした時に頭を過るのだと思います。

お気持ちは分かりますが、基本的に深刻に考える必要性は全くありません。

返済できなくなると、信用保証協会の保証付き融資は代位弁済となり、プロパー融資は一括弁済を求められることになり、今後の銀行融資はほぼ不可能になります。

代位弁済の詳しい解説は別記事の「信用保証協会に代位弁済されるとどうなる?【徹底解説】」をどうぞ。

とはいえ、そもそも借入金の返済が難しくなったからこそリスケジュールして、さらに金利の支払いを止めた訳ですから、このような状況で「銀行から借りれなくなったらどうしよう」等という心配しても意味無いです。

最初に、この点は理解しておきましょう。

借入金の返済ができなくても深刻に考える必要が無い理由3つ

借入金の返済ができなくても深刻に考える必要が無い理由は下記3つあります。

  • 一括請求されるけど、最初は口座がロックされるだけ
  • 返済できなくても事業継続できる
  • 事業所や工場が担保に入っていても、話し合いでなんとかなる場合がある

上記のとおり。

一括請求されるけど、最初は口座がロックされるだけ

既存の借入金をリスケジュールしてもなお、銀行への返済が困難になってしまった場合、期限の利益を喪失し、借入金の一括返済を求められます。

この時、借入のある銀行口座は一時的にロックされますが、借入していない他行の口座は普通に使えますので、予め売上の入金先を変更しておけば売上を回収されることはありません。

返済できなくても事業継続できる

事業自体に売上があり、取引先への支払いや、会社を維持するための経費の支払いができていれば、事業継続は可能です。

借入金の返済ができなくなっても、期限の利益を喪失したという情報は外部に漏れませんので、取引先からの与信が悪化する事もありません。

手形を振り出しているところは振込に変更する交渉が必要になりますが、手形を振り出していなければこうした必要もありません。

資金ショートするとどうなる?【何もしないと倒産するけど回避可能】」という記事でも解説しているとおり、会社というのはそう簡単には倒産しないものなのです。

事業所や工場が担保に入っていても、話し合いでなんとかなる場合がある

事業所や工場などといった不動産を借入の担保に入れている場合、担保権を実行され、競売による換価処分をされることになりますが、「絶対にそうなるのか?」というと、絶対ではないケースもあります。

債権者に想定賃料を払う事により、いきなり競売にかけられないケースもあります。

詳しくは下記記事をどうぞ。

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ただし、信用保証協会が債権者の場合、「【保存版】信用保証協会に代位弁済されるとどうなる?【網羅的に解説】」という記事でも解説しているとおり、担保処分ありきで話が進みますのでご注意ください。

借入金の返済ができないと債権者は法律に則って淡々と回収行為をするだけ

前項の流れを見れば分かると思いますが、債権者は法律に則って淡々と回収行為をするだけですから、予め対応策を準備しておけば良いだけです。

一連の回収行為が終わると新債権者に債権譲渡される

一連の回収行為が終わるとサービサーに債権譲渡される場合が殆どで、債権譲渡されると新債権者となったサービサーに返済を迫られる事になります。

詳しくは「サービサーに債権譲渡されたのに借りた金は返すと考えても無駄です」をどうぞ。

サービサーは旧債権者である金融機関と違ってかなり積極的に回収してきますので、債権譲渡されたら気を付ける必要があります。

売掛金があれば狙われる可能性もありますし、他に銀行口座を開設していないか調べられる可能性もあります。

また、訴訟を起こしてきて債務者に揺さぶりをかけてくる可能性もあります。訴訟に不慣れな方や、知識が無い方はこれで精神的に焦ってしまう方もいます。

返済不可能な多額の負債を抱えていると、延々とこのような事が続くのでしょうか。

無い袖は振れない

延々と続くような事は基本的にはありません。なぜなら、そもそも論として「無い人からは何も取れない」からです。

何かを持っているから狙われるのであって、何もなければ取りようがありません。これは、債権回収の大原則です。

何もないのにどうやって取るのか、筆者が教えて欲しいぐらいです。

もしこれがどうしても信用できないと言うのであれば、顧問弁護士やお近くの法律事務所にこのように質問すると良いです。

「現在、債権者から執拗に催促を受けています。私には資産と呼べるものが無く、手持ち資金も厳しい状況です。返済を迫られてもお金が無いので払えません。この先、債権者はどんな手段を取ってくるのでしょうか?私は最終的にどうなるのでしょうか?」と。

以下いずれかの回答が返ってくるだけです。

  • 無い人からは1円も取れませんよ。
  • 最終的も何も、破産したら終わりですよ。
  • 債権には時効がありますよ。

借入金の返済ができなくなり、専門家に「最終的にどうなるか?」と質問しても意味がない

専門家に「最終的にどうなる?」という質問に対する回答は期待しない方が良いです。

というのも、相談を受ける側からしたら「最終的ってどの時点の事を最終って思ってるの?」と疑問に感じてしまう質問なので、これに対する回答は「不安に感じたり、訴訟を起こされるのが嫌なら破産すれば良い」としか回答できなくなってしまいます。

ちなみに、筆者も「最終的にどうなる?」という質問は回答に困ります。

何時の時点が最終なのか判別が難しいので、「最終?何が最終?」といつも頭の中でクエスチョンが過ります。

そもそも論として、債権には時効がありますしね。

回収のプロと豪語されても無い人からは1円も取れない

「我々は債権回収のプロだ」という事を口にするサービサーの担当者を見かけますが、それが本当にプロだとしても、無い人から回収する術など持ち合わせていません。

口では「我々はプロだ!」と言っても、腹の中では「こりゃ回収は無理だ。面倒だな~。」ぐらいにしか思っていません。無い人から回収する錬金術は持ち合わせていないのですから。

このことを理解していれば、「最後はどうなる」等と余計な事を考える必要が無くなりますし、仮に、取られたくない資産を持っていたとしても、「無い人からは取れない」という事をキチンと理解していれば、事前に対策を実施することにより、資産の外部流出を最大限食い止めることができるようになります。

どんな時でも対応策は必ずある

窮境状態に陥ると不安で押しつぶされそうになってしまったり、不安から逃れるための行動をとってしまいがちです。初めての経験であればなおさらその傾向は強いと思います。

しかし、どのような局面でも、どのようなタイミングでも、対応策が全くないと言う事は殆どなく、場面場面で対応策というのは存在します。

ですから、常に冷静に現況を把握し、問題点を整理し、その中から適切な対応策を選択して着実に行動を起こせば良いだけのことなので、いたずらに「最後はどうなる」等と思考停止に陥ってしまう事は避けなければなりません。

まとめ《結論:破産・放置という選択肢から自由に選べばよい》

以上、借入金の返済ができなくなると最後はどうなるの?ということについて解説しました。

最後を決めるのはあくまで融資を受けた債務者が決めることであり、債権者が決めることではありません。

幕引きの方法は、債務者が数ある選択肢の中から自由に選択できることを常に念頭に置いておきましょう。

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