社会保険料を滞納して、スピーディーに差し押さえされた件

ある晴れた日の朝のこと。

いつものように午前9時からメールチェックを行い、取引先への返信メールを書いている最中に社長のもとへ、一本の電話が掛かってきました。

普段は受付が電話応対するのですが、たまたま、社長が電話に出てみたら、取引先の銀行からの電話でした。

 

「おはようございます。○○銀行、○○支店の田中(仮名)と申します。T社長はいらっしゃいますでしょうか。」

 

「ああ、田中(仮名)さん、おはようございます。私ですが。」

 

「T社長ですか?実は、先ほど社会保険事務所の徴収課の方が来られて、御社の口座の差し押さえの手続きをされました。」

 

「はい?えっ(マジ?)」

 

「1週間ぐらいで解除になると思いますが、一応、ご報告させて頂きました。後ほど、郵送で書類が届くかと思います。」

 

「そうですか。分りました(まいったな。)」

 

電話を切った後、慌ててATMへ記帳しに行き、通帳を確認してみたら残高がゼロでした。

差し押さえされた記帳画像

カタカナで「サシオサエ」と印字された通帳を見ながら、T社長はしばらく考えてみました。

 

そういえば、呼び出しの封書が届いていたような気が・・。

滞納の件で相談に行かなければと思っていたけど、忙しくて、つい、忘れてしまった。あの時、相談に行っておけば・・・。

幸い、たまたま数万円しかお金が入ってなかったから良かったけど、売掛金が入金された後だったら、完全にアウトだった。

 

そうなんです。T社長は社会保険料を滞納して、預金口座を差し押さえされてしまったのです。

 

最近はスグに差し押さえされる事が多いです。

資金繰りが厳しくなってくると、租税公課の滞納が常態化するケースが多いです。

租税公課の支払いが遅れたとしても、経営に支障をきたすような事はありませんから、厳しい時は後回しになりがちです。

 

それに、租税公課の滞納があると、金融機関からの資金調達が難しくなりますが、リスケジュール中であれば、あまり関係ありません。リスケジュールした時点で、金融機関からの資金調達が難しくなるのですから、調達できないという心配しても意味が無いからです。

ですから、資金繰りが厳しい時は、ついつい後回しになってしまいがちです。

 

後回しにする際、税務署や社会保険事務所へ遅れる事を報告し、分納の相談に行けば大丈夫なのですが、あまり放置してしまうと、このようにいきなり差し押さえをされてしまう事があるのです。

 

最近は特に差し押さえのスパンが早く、口座を止められた後、かなりスピーディーに売掛金の差し押さえにかかります。

これは実際に相談に行けば分ると思いますが、預金口座を押さえられた時点で、取引先に売り掛け残があるかどうかの調査がすでに実施済みであったりします。

分納の相談に行くと、「○日に取引先に書類を郵送しようと思っているので、手続きの書類はもう用意してあるのですよ。」とか言われる事があります。

 

今回のT社長みたいに、差し押さえられても大したダメージが無かったような場合はともかく、売掛金の入金日やその前日に差し押さえられたり、したらアウトです。

 

あと、この差し押さえがきっかけで、取引を打ち切られるリスクがあるという事を忘れてはなりません。

このような事態を回避するためにも、分納の相談に足を運ぶべきだと思います。

それにしても、最近は本当に手が早いです。それだけ未回収が多いという事なんでしょうね。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている