経営状態を簡単に自己チェックできるツールを経産省が配布 ローカルベンチマーク

先日、経済産業省が、企業の経営状態を把握するための診断ツールとして活用できる、「ローカルベンチマーク」を策定しました。

ローカルベンチマークとは

ローカルベンチマークとは、企業の健康診断ツールとして、企業の経営者や金融機関・支援機関等が、経営状態の概要を把握し、双方が同じ目線で対話を行うための基本的な枠組みであり、事業性評価の「入口」として、今後の活用が期待されています。

具体的には、ローカルベンチマークツールという名称のエクセルファイルに「財務情報」と「非財務情報」に関する各データを入力すると、分析結果が出ますので、企業の経営状態を把握する事ができます。

これにより、経営状態の変化に早い段階で気付くことができ、早期の対話や、今後の支援につなげていくものとなります。

ローカルベンチマークの枠組み

ローカルベンチマークの枠組みは大きく2段階に分かれています。

ローカルベンチマーク第一段階

ローカルベンチマークの第一段階は「地域の経済・産業の現状と見通しの把握」となっており、金融機関が地域経済・産業の分析、各企業の地域経済のに与える影響の把握、重点的に取り組むべき企業の特定したり分析することになるのですが、当然、これには地域の産業構造や雇用状況、人口動態等といった様々なデータが必要です。

このデータについては、すでにRESAS(リーサス:地域経済分析システム)というシステムが用意されています。

RESAS(リーサス)は無料で使えるのですが、会社側からの視点でみても非常に興味深いビッグデータを取得することができます。ぜひ一度、触ってみることをおすすめします。

ローカルベンチマーク第二段階

ローカルベンチマークの第二段階は、「個別企業の経営力評価と経営改善に向けた対話」ということで、経済産業省提供のローカルベンチマークツールを使います。ローカルベンチマークツールでは上図にある通り、財務情報と非財務情報とを用いて。会社の経営状態を把握することで、対話に活かそうというものです。

 

使って分かる、簡単・シンプルなツール

経済産業省のサイトでローカルベンチマークツールを配布していますので、ダウンロードして実際に使ってみて下さい。

参考リンク 経済産業省サイト

財務情報としての6つの指標

財務指標のポイントは「売上持続性」、「収益性」、「生産性」、「健全性」、「効率性」、「安全性」の6つの財務指標だけで評価している点です。

  • 売上持続性:①売上増加率
  • 収益性:②営業利益率
  • 生産性:③労働生産性
  • 健全性:④EBITDA有利負債倍率
  • 効率性:⑤営業運転資本回転期間
  • 安全性:⑥自己資本比率

それぞれの指標の算式、内容については下図を参考にして下さい。

出典:経済産業省 「中間とりまとめ概要解説資料」

大分類4、小分類14の非財務情報

財務情報は決算書の数値を入力するだけなので、頭を使う必要は無いですが、非財務情報は「作文」が必要なので、若干手間取るかもしれません。

①経営者への着目
経営者自身について、ビジョン、経営理念
後継者の有無
②事業への着目
企業及び事業沿革
技術力、販売力の強み
技術力、販売力の弱み
ITの能力、イノベーションを生み出せているか
③企業を取り巻く環境 関係者への着目
市場規模・シェア、競合他社との比較
顧客リピート率、主力取引先企業の推移
従業員定着率、勤続日数、平均給与
取引金融機関とその推移
④内部管理体制への着目
組織体制
経営目標の有無、共有状況
社内会議の実施状況
人事育成のやり方システム

文章が思いつかない方は、下記資料を参考に文章を考えてみて下さい(P11~P14参照)。

経済産業省:中間とりまとめ概要解説資料

業務フロー、商流といった非財務情報

非財務情報として「業務フロー図」と「商流図」も用意されています。自社の特徴、他社との差別化ポイントを分かりやすく記載しましょう。

 

まとめ

事業内容・企業の成長可能性を銀行に示すことができるローカルベンチマーク。ローカルベンチマークツール自体は、簡単・シンプルではありますが、非財務状況等を記載するのは若干大変かもしれません。

しかし、この労力は決して無駄にはなりませんので、銀行との対話を円滑に進めるためにも、また、新たな銀行融資のチャンスを掴むべく、是非、取り組んでいきましょう!

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている