会社が小さいと、事業再生は簡単なのか?

個人事業主の方や、社員数数名規模の経営者の方からご相談受けると、「ウチは小さい会社だから、そんなに難しくないでしょ。」と言われる事があります。

規模の大きい会社と比較したら、再生も楽でしょ?というニュアンスで言われる事があるのですが、実は、そんな事は全くなく、会社の規模が小さいほど、再生がめちゃくちゃ難しかったりするのです。

 

個人事業・零細企業の事業再生が難しい2つの理由

会社の規模が小さいと、事業再生が難しいと言う理由の一つに、まず、選択肢の少なさがあげられます。

通常、事業再生を考える際、様々な選択肢の中から、最適な組み合わせを採択し、事業再生に向けて、実行に移していくというステップを踏むことになるのですが、会社の規模が小さいと、選択肢が非常に狭まってしまいます。

 

例えば、

  1. 支払いのジャンプ、及び分割決済
  2. リスケジュール
  3. 代位弁済

こういった手法であれば、会社の規模はあまり関係ない場合がほとんどですが、

次のような手法は、会社の規模が小さいと、選択肢として外される事になるのです。

  • 第二会社方式(会社分割・事業譲渡)、
  • 出資、私募債、事業再生ファンド
  • 売掛金担保融資、シンジケートローン、資本性劣後ローン
  • M&A
  • 法的手法(民事再生)

これらの手法は、個人・零細企業では使える事がありません。

従って、リスケジュールで資金流出をストップし、支払いのジャンプや分割決済のお願いに行き、その後、さらに厳しいという事であれば、代位弁済やその他の負債の整理を粛々とすすめるという方法しか取れないのが現実なのです。

 

会社の規模が小さいと、事業再生が難しいもう一つの理由として、「小さい会社ほど売上減によるダメージが甚大」という事があげられます。

例えば、月商5000万円規模の会社が、売上が半分に落ち込んだケースがあったとします。

5000万円の月商が半分の2500万円になれば、会社としては、相当な痛手だと思いますが、直ちに倒産する様な事は考えられません。

2500万円に落ち込んだら、2500万円で維持できるような体制に対応すれば良いだけの話ですから、この時点でいきなり倒産するというような事は考えられません。

 

月商5000万円のころに比べたら、資金繰りが厳しいかもしれませんが、十分存命が可能であり、選択肢もたくさん出てくると思います。

また、この規模になると、ある程度の運転資金が残されている事がほとんどですから、いきなり倒産してしまうという事は考えられません。

 

しかし、個人事業や、社員数数名の会社になると、売上が50%減ってしまったら、このような対応が非常に難しくなります。

例えば、月商400万円の企業の売上が半減したというケースがあったとします。

そうなると、月商200万円に落ち込んでしまう訳ですが、社員を抱えていたら、存続不可能な状況にいっきに追い込まれてしまう訳です。

売上の90%以上が利益だというビジネスであれば話は別ですが、たいていの場合で様々な原価がかかっているでしょうから、会社の運営を最低限維持できる余力がいっきに無くなってしまう事がほとんどです。

 

こうなってしまうと、会社だけならまだしも、経営者の生活がいっきに脅かされる状況に陥ってしまうので、この時点で倒産寸前の窮境状態に追い込まれてしまうことになるのです。

また、この規模の会社ですと、運転資金の余力がほとんど残されていないケースがほとんどですから、来月の資金の目処が立たないといった状況に追いやられてしまう事が珍しく無いのです。

 

ある程度の規模の会社であれば、選択肢は無数にあります。資金調達の可能性も十分残されていますし、大掛かりなことをしなくても、経営改善だけで復活する事もできるでしょう。

また、いくら厳しいといっても、多少の余力がある訳ですから、外部から専門家を招聘する資金余力もある訳です。

ですから、事業再生の専門部署を立ち上げたり、コンサルタントを雇うことも出来るわけですから、良いアドバイスを多方面から受ける事ができます。

 

しかし、個人事業主や零細企業はそういう訳にはいきません。

資金調達の可能性がほとんど無く、努力して経営改善をしても、効果がでてくるまで存続できるかどうかも分かりません。

また、専門家からアドバイスを受けるコストも捻出できない場合が多いため、良い方向性を導き出す事が出来ない事が多いです。

以上のことから、、本当に再生が難しいのは個人・零細企業と言えるのです。

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ABOUTこの記事をかいた人

1977年神奈川県生まれ。コンサルティング会社勤務を経て独立。店舗ビジネスに特化したコンサルティング業務を展開していたが、身近な人の倒産を目の当たりにした事をきっかけに事業再生に目覚め、平成21年5月より、事業再生に参入。全国各地の中小企業の再生業務に関与し、中小企業の事業再生のサポートを行っている。 平成23年8月、M&Aに特化した株式会社クレアークを設立、代表取締役に就任。現在に至る。業務の幅を広げる事により、サポートの幅を広げている